農文館2

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康花美術館中学生の声(17)

2013-08-28 09:51:37 | 日記
 いよいよ最後の追い込みなのでしょうか、25日、日曜日にも中学生は見えました。鑑賞時間は短かったように思いますが、ノートには次のような声が寄せられていました。

 「全ての作品がそれぞれ色を出していて、すごくキレイだった。ここのきたことで、心がなごむように感じられた。」

 「作品がとてもすごくよくて、その絵から想像をふくらますことができました。すごく感動させられました。」
 
 「今までに見たことのない作品ばかりで、とてもいい経験ができました。」

康花美術館中学生の声(16)

2013-08-24 16:46:14 | 日記
 8月24日、今日が課題の最終日なのでしょうか。それとも月末までなのでしょうか。
中学生の声は続きます。

 「今まで感じたことのない気分になりました。特に詩を読んで、私と歳が近いのに、すごく大人っぽくて孤独で、きっと私が今まで味わったことのない、想像もできないような思いをたくさんしてきたんだろうなあと思いました。いかに自分が幸せか、実感できました。」

 「それぞれの作品からいろんなおもいが伝わってきました。今回ここに来て良かったなあと思いました。」

 「一つ一つの作品に様々な感情がこめられていて、見ていて、その作品の感情が伝わってくるようでした。」

康花美術館中学生の声(15)と番外

2013-08-24 09:05:16 | 日記
 夏休みも終わり、そろそろ中学生の来館者も打ち止めになってきているのかもしれません。21日水曜日、そんな中の一人の生徒さん感想です。

 「私の家からこんなに近い場所に美術館があることを知りませんでした。康花さんの詩は何か心に響くものがありました。私もすごく共感できて、自分が今生きてられるのがこんなにも幸せなことなんだなあ、、と改めて感じることができました。ありがとうございました。」

 「身の程をわきまえていないかもしれませんが、康花さんの絵の中で、私も遠い記憶を手繰り寄せ、兄と時間を忘れて過ごした信州の夏を思い出し、今一度心が絵の中で遊び生き生きと何かがよみがえった気がいたしました。又人には言えぬ思いを康花さんの言葉の中に見つけ、涙が出ました。まるで気持ちの確認をしてもらったような、安らかな気持ちになれました。少しばかり苦しい時、こうしてうかがいました。詩や絵を通じてお話が出来たようで嬉しかったです。本当に有難うございました。」(40代女性)

『日本の悲劇』、蘇る木下恵介監督作品 

2013-08-23 13:18:27 | 日記
 以下は、雑誌『むすび』に連載中の映画時評の原稿で、今年の3月に脱稿し6月号に掲載されたものです。これからも随時取り上げてゆきます。

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 映画監督木下恵介の作品が、このところ海外での評価が急速に高まっています。これまで溝口健二や黒沢明、小津安二郎、成瀬巳喜男ほどにはあまり話題になってきませんでしたが、生誕百年の今年、世界各国で木下作品が上映され話題となっているそうです。この欄でも代表作の一つ『二十四の瞳』を取り上げましたが、木下映画といえば、僕の少年青春時代には、黒沢明と並ぶというよりか、むしろ黒沢をしのぐほどの全国民的な人気映画作家でした。それは彼ら四人組が登場人物も含めてそれぞれ個性豊かな作風を持ち味としていたのに比べ、日本のどこにでもいる庶民たちの目線に立った、老若男女、国民の誰もが共感できる作品が木下映画の本流だったからです。テレビが未だ普及していない、娯楽としての映画が全盛時代の代表的作家だったのです。
 
 その木下作品がなぜ今頃海外で話題なっているのでしょう。できれば再評価は国内から持ち上がって欲しかったとは思いますが、映画に限らず、常に欧米諸国での物差しによって日本文化を振り返るという些か寂しい習性になっていることを考えれば、これも又止むを得ないことなのでしょう。しかし無念さは募ります。近現代社会の礎を打ち立てたヨーロッパが、自らその「没落」を予言してからほぼ百年になります。その間、その復興のためにEU・ヨーロッパ連合まで歩んできましたが、昔の栄華を取り戻すには程遠いのが現実です。同じことはアメリカについても言えましょう。全てとは言いませんが、「大きいことはいいことだ!」と言う「成長神話」に対する疑問は、少なくともヨーロッパでは知識人たちだけの独占ではなくなりつつあります。それは食生活なども含めて「身の丈」にあった社会への眼差しです。そこにはヒーローを必要としません。そこにあるのはお金や名誉ではなく庶民の愛と真実。経済発展と個人主義の行き詰まりのなかで、木下作品が描く哀歓をまじえた親子の愛、夫婦の愛、師弟の愛、若者の初恋、友情など、異邦人の小世界に青い眼は心を洗われたのかもしれません。

 『日本の悲劇』(1953年)もそうした庶民の小世界を描いた作品です。温泉旅館で女中として働く戦争未亡人春子(望月優子)には娘(桂木洋子)と息子(田浦正巳)がいます。彼女の生甲斐は二人の子供、彼女は二人に教育をつけさすために身を粉にして働きます。恵まれた親たちは別として、主人公のような境遇におかれた親の姿は今なお変わりありません。ところが成長するにつれて子供たちは、親のいじましい姿、下卑た振る舞いに反感を抱き母親を疎ましく思い始めます。その挙句、医学生の息子は資産家の医師に望まれ養子になってしまいます。経済学的にいうならば、「先進国」に眼が眩み自分の出自である「途上国」に見切りをつけた、と言うことです。さてお母さんはどうなるのでしょう。マネーに浮かれる?「先進国」日本が今一度見直したい親子像・わが身でもあります。


康花美術館中学生の声(14続)

2013-08-20 10:44:53 | 日記
 駆け込みの生徒さんの中には制限時間を過ぎて来られた方もいました。規則は規則なのでまた日を改めて来るように伝えました。生徒さんには話しませんでしたが、先生の方は、美術館に行けなかった人は、夏休み明けでも行くよう指導すると言っておりました。では続きの感想です。

 「美術館に来たのは初めてで、あまり興味もわきませんでした。ですが、この康花さんの作品はとても良いと思いました。康花さんの作品がもっとたくさんの人に見てもらうことを心から願っています。」

 「たぶん最初で最後の美術館。まあ自分から行くことはないでしょう。でも心に残る作品が少しありました。そのくらいです。」(Y)

 「いろんな詩を読みました。自分の心をそのままあらわしている感じがよかったです。私には共感できないことがあったりして、あたらしいものをしることができました。」

 「この美術館の作品は、どれもが自分たちの年齢と近く、かなり作品がわかりやすかったです。中には考えさせられれば共感できるような作品もあり、康花さんの気持ちがそのまま理解出来たと思います。一つ一つの作品から奥深さを感じさせられ、思わず見入ってしまいました。またその奥深さから、一つ一つの作品を鑑賞させられ、深く考えさせられました。とても落ち着いた空間でよかったです。ありがとうございました。」

 「「紙コップ」が一番心に残りました。奥にある大きな紙コップに、何か特別な物を感じました。それは何だったのでしょうか? 自分でもわかりません。どれもすてきな絵でした。また、来たいです。」

 「えんぴつ(たぶん)で書かれている絵がたくさんあっておどろきました。えんぴつ一本でたくさんの色がでていることに感動しました。私はその中で「蛇」、「紙コップ」がすごいと思いました。特に「蛇」は、その目に吸い込まれていく感じがしました。「蛇」の絵の前で何分も立ち止まってみました。私は康花さんのように絵が上手ではありません。でもこんなにたくさんの絵を見て、その絵の数だけ勇気をもらいました。本当に感謝します。ありがとうございます。」

 「どの作品もとても素晴らしかったです。特に「自由」が気に入っています。とても幻想的でした。どれも心に残る作品ばかりでした。なにか心に響くものがたくさんありました。ありがとうございました。」


 一人の生徒さんだけ、( )の中にアルファベットの頭文字を入れさせてもらいました。ほとんどの生徒さんは名前は明記しておらず、せいぜい頭文字だけです。入館料なし、来館を強要したわけではありません。本来でしたら名前の表記は控えるのでは、と言うような感想ですが、しっかりと名前が記されていました。自分の気持ちを偽りなく書き記し、堂々と自分の名前を明らかにしていることに少年(少女?)の個性と強い勇気を感じました。Yさんのこれからに期待します。でも時間ができたら、他の美術館も覗いてみて下さい。