農文館2

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康花詩作「最高の贅沢」に寄せられた声

2014-05-30 18:43:31 | 日記
 詩作「最高の贅沢」に寄せられた様々な声は、これまで度々耳にしていましたが、本日5月30日、美術館に来られた方が感想文を残されていましので転載させていただきますとともに、改めてその詩を掲載し、広く皆様にもお読み頂けたらと思います。

 「今回の企画展もまた、期待以上の素晴らしさでした。優れたデッサン力があってこそのものでしょうが、裸婦習作の1,4,9、に私は強くひかれました。
 今回、館の入口に展示してある詩、「最高の贅沢」、、、何と素晴らしい詩でしょうか、病弱だった康花さんならではでしょうが、これが15歳の少女の作品というのが、実に驚きです。
 今後の企画展にも大いに期待いたします。」Y.S.


           最高の贅沢
                          須藤康花
 
 
 いい季節になりました                        
 白樺の木には淡い木の葉の色が染まり
 タンポポも顔を出し始めました
 空にも澄んだ優しい青色が戻ってきました
 ひんやりと心地いい夕方が帰ってきました

 そのうち あともう少ししたらもくもくしたあの白い入道雲や
 ミンミンとせわしないセミたちや
 ふさふさとした重そうな濃緑の木々たちや
 それをくねらせるかげろうや
 ランニング姿の少年たちや
 伸びるだけ伸びた元気のいいひまわりたちも
 姿を見せることでしょう
 ときには ひぐらしの声も聞こえるかもしてません

 そんな日には風鈴を出して 
 かすかな風の音色を聞きながら
 うちわでも片手に
 薄着をしてぼんやりとしてみたいです

 最高の贅沢ではありませんか


 強い雨の日には
 少し無理をして半袖で外に出て
 傘をわざとずらしたりして
 素肌の腕に雨の露を流れさせて
 あてもなく 蛙の鳴き声を探しに行くのも

 これまた最高の贅沢ではありませんか


 そして 雨上がり
 ぴかぴか光った道を
 誰もいない道をたった一人で
 小鳥の声なんぞを聞きながら
 一緒に鼻歌を歌ったりして
 葉っぱの雨のしずくをそっと手で触ってみたりして
 清々しい空を眺めて
 ハンカチでそっとベンチの水を拭いて腰掛けて
 じっと座っているのも

 これまた最高の贅沢ではありませんか


 ビーチサンダルを素足ではいて
 麦わら帽子なんぞをかぶって
 いくら歩いても 浮き浮きしたまま
 そんな時はいつくるのでしょう
 
                 1994年5月6日康花15歳
                (『康花―あの頃のように』須藤正親編、2013年郷土出版社刊所収)

田植え終えて

2014-05-27 08:24:22 | 日記
 先週金曜日の23日に田植えを終えて今日で5日目、漸く足腰の筋肉の痛みは峠を越してきましたが、その一方で数年来の左わき腹の鈍痛が日常化しているようで気にはかかっています。肝臓がんの手術を何度か繰り返しながらも元気に野良仕事しているTさんには、「がん?との共存です」と強気の弁をしたのですが。米作りを始めて今年で13回目、当初は皆で田植え、稲刈りをと思って出発したものの、お米の作り方が多少分かってきてみれば、田んぼに入っているのは連れ合いと二人だけ、なかなか計画通りには行きません。しかも歳は重ねるばかり。弱気の虫が足腰体の痛みにつけこみ頭をもたげて来ます。

 とは言いながらも自省すれば、二兎を追うもの一兎を得ず、という箴言に逆らっているのも事実です。欲のあるうちはもう少し頑張れるのかなとも思っています。幸い食欲もまあまあ、体重も安定、開腹するには及ばないというのが自己診察です。2週間後には田んぼの除草作業、弱気の虫、痛いの痛いの飛んでゆけ!

 ちなみに二兎ならぬ、今や要の一兎となっているのは美術館。その康花美術館もそろそろ2年目に入ります。ご来館はもとより、美術館の広報活動などについてご助言、お知恵を給われば幸いです。なお、信濃毎日新聞の5月30日付けの「大學周辺めぐり」に,小さな広告が掲載されます。又ホームページ初め、インターネットのJTB「るるぶ」などの観光案内などにも紹介されています。ご参考にしていただければと思います。
 
 連絡先は以下の通りです:
 〒390-0872 松本市北深志2丁目1―27 TEL/FAX 0263―31―0320 康花美術館

 

 

声―誰の為でもなく

2014-05-25 08:59:10 | 日記
 昨日、東京から来館された女性が書き残された感想です。

 「生きている、生かされている自分と、自分の仕事との関係を考えさせられました。自分の名誉の為でも、誰かその作品を触れる人の為でもなく、無心に魂の声に従って、作品を作る、というような、あり方でしょうか。」 Taeko D.

 ちなみにDさんは二度目の来館で、「また来ます」と言って辞してゆきました。

電気代より命を

2014-05-22 09:56:08 | 日記
 大飯原発再開をめぐる地方裁判で再開差し止めの判決が出ました。理由を端的に言えば、「電気代(高騰)より国民の命を守る」ことの方が憲法の精神に適っているということでした。戦後一貫して揺らぐことのなかった経済優先の社会に、漸く司法が一灯を投げかけたと言うことでしょう。でも、原発再開派にしてみれば、電気が止まれば命に係わると反論するでしょうし、憲法自体も今のままでは、隣の狼の来襲を前に国民の命が保証できないとして、戦争を知らない政治家と学者たちは現行憲法を変えることが正論だとしています。「命」の解釈もそれぞれです。

 昨日、NHKのアナウンサーの方から現在開催中の「裸婦変容ー詩・死と乙女」について電話取材がありました。特に副題の「詩・死と乙女」に関心を持たれたようでした。作者は幼い頃から重い病を抱えながら命を生きていたこともあって、常に作者の生は死と隣り合わせ、その結果生きる支えとなった作品制作、彼女の詩と絵には生と死をテーマにした作品が多く、今回の展示作品も裸婦を通してそうした作者の思いが描かれたものです、と筆者は説明しました。合わせて一度来館されるようお願いしましたが、原発問題も集団的自衛権問題も、つまるところ命をどのように捉えるかに行き着く問題です。作品群は作者三十年の人生、彼女の精神と肉体との葛藤から生み出されたものです。私たちの命の有り様が喫緊の課題となってる昨今、是非とも一度松本の康花美術館にお越し下さり、若き芸術家と命について対話交換して下さっては、とも思います。

テレビ松本が取材と来館者の声

2014-05-18 09:01:46 | 日記
 昨17日(土)、テレビ松本が康花美術館の取材に来ました。現在開催中の企画展「裸婦変容」についてです。前日の16日に連絡が入ったのですが、これまでのテレビ取材とは違い、少し戸惑ったというのが正直なところです。と言うのも、カメラの前でぶっつけ本番、一方的に小生が話すことになったからです。多少打ち合わせなりした後か、あるいは記者の質問に答えるというのであれば良かったのですが、そのどちらもなしで、後になってみれば、意が十分に伝わらなかったのではないかと後悔しています。取材は、朝9時半から、昼の休憩時間1時間半を含めて午後3時頃までと、約半日かかりました。ただし放映時間は5分間だということなので、小生の説明が不十分であっても、編集によってカバーしてもらえるのではと、淡い期待を今では抱いています。

 いずれにしても、ここのところ地元からの来館者が途絶えているだけに、地元テレビで取り上げていただけるのは何よりと感謝しています。ちなみに放映は来週21日(水)から断続的にしていただけることになっています。

 テレビでの小生の説明が不十分な分、来館者の以下のような感想をご参考に、是非とも一人でも多くの方が足を運んでいただければと願っております。なお、「裸婦変容」展については、中日新聞<4月6日付け)、松本市民タイムス<4月11日付>、信濃毎日新聞<4月11日付)に紹介記事が掲載されています。

 「デッサンが素晴らしく、絵も素敵です!! 詩は心の中に響きました。静けさの中でひと時を過ごして、本当に良かったです。有難う護持ました。」 M.N.

 「東京などで素晴らしい絵を観ることはよくありますが、地元でこんな素晴らしい絵を鑑賞できるとは。松本の誇りと言っても良いでしょう。また寄らせていただきます。」 K

 「詩に感動しました。人生の奥行きをあれほど豊かな言葉で語る康花さんに圧倒されました。特に十代半ばで書かれた「最高の贅沢」を反芻しながら、芸術とは何か、その崇高な魂を多少分け与えて戴いているような思いに浸りました。」 K.N.