猪瀬さんが大騒動の末都知事を辞任しましたが、その後始末は、猪瀬さん自身と彼を取り巻く人たちとの問題、そして何よりも都知事の後任問題をめぐり“しばらく”は世間の注目を浴びることになるでしょう。地元松本でもいろいろ話題となっているようですが、彼の出身の信州大学の近くの美術館で受付兼館長をしている僕自身、30年近く前、この大学の非常勤講師として関わったこともあって、猪瀬さんの副知事、知事時代も含めて、複雑な思いで見てきました。
今回取り上げたのは、その複雑な思いではなく、後者の都知事の後任のことについてです。その後任候補として上がっているのは、いずれも有名人ということでは共通しています。東京オリンピック招致で名をあげた“なんとか”クリステルさんなどその代表と言えるのでしょう。民主主義社会ですから誰がなっても良いのでしょうけれど、せめて理念や政策をはっきりとさせ、説明だけはしっかりとなさった方が立候補して欲しいものです。慎太郎さんや、猪瀬さんのように後出しじゃんけんは、都民がなめられていることを自らが認めているようなもので、そろそろお終いにしたいですね。
そこで一言、慎太郎さんは、東京から日本を変えると、と言ったように記憶しています。変えるやよし。その後任の猪瀬さんもそのつもりだったのでしょう。確かに変わったことがありました。尖閣諸島をめぐり、日中間に軍事衝突の危険性が生まれてきたのはそのよい例です。でもこんな形で変えてもらうのは御免こうむりたいと思います。長野麻績村の僻地に移住して丸13年、松本に通勤、生活して1年有余、札幌、沼津時代も含めると地方での生活は20余年になりますが、活字で学んだ以上に実感しているのは、地方の衰退と荒廃です。原因はデフレにあらず。もとより「デフレ克服」で解決できるほど能天気ではありません。
一言、原因は「東京一極集中」なのです。一言ですので、その理由や原因は省略します。一極集中の反対に、東京の機能と人口を分散化させることです。教師生活30有余年、研究の中心命題は、近代の問い直しと地方の再生でした。そこで僕が学生たちに投げかけた具体的な言葉は、せめて若い間に故郷に戻れ! でした。簡単明瞭、人のいないところ、経済も生活も成り立ちません、もとより環境も守れません。人も同じで、足腰が弱れば、体全体も劣化します。頭もしかりです。日本の心臓部、頭と自負しているのが東京だとすれば、足腰は地方、地域に当たります。「デフレ克服」で解決できないことは自明の理なのです。東京の人口を半減さす、とは言わないまでも、3分の1程度は減らす、若者を地方に返す、ぐらいのことをぶち上げる候補が出てきて欲しいものです。そろそろ東京都民も、有名病や、都民のための東京だけでに振り回されるのではなく、もう少し広い視野から候補者選びをしてはどうかと念じます。東京の機能と人口の分散化が、脱原発、来る大地震の被害縮小にも有効な手立てであることは間違いないのですから。
昨25日、康花美術館のある地元の公民館に、当美術館の活動報告を提出しました。「都知事選挙に一言」言いたくなったのも、実はこの報告書をしたためていたのがきっかけでした。その中で「活動の狙い」の項目に、3点ばかり次のように記述しました。
1)芸術・文化・地域の振興に少しでもお役に立てればと思っています。2)経済、効率、成果が強く求められている現代社会にあって、特に若い方々には「生きるとは何か」「人生とは何か」、若い命を燃焼させた康花の作品を通じて、その一端をつかみ考える時を過ごしていただければと思っています。3)美術館は作品鑑賞の場であると同時に、お一人お一人の内観の場としてご利用いただければと願っております。
それにしても長い一言でした。
今回取り上げたのは、その複雑な思いではなく、後者の都知事の後任のことについてです。その後任候補として上がっているのは、いずれも有名人ということでは共通しています。東京オリンピック招致で名をあげた“なんとか”クリステルさんなどその代表と言えるのでしょう。民主主義社会ですから誰がなっても良いのでしょうけれど、せめて理念や政策をはっきりとさせ、説明だけはしっかりとなさった方が立候補して欲しいものです。慎太郎さんや、猪瀬さんのように後出しじゃんけんは、都民がなめられていることを自らが認めているようなもので、そろそろお終いにしたいですね。
そこで一言、慎太郎さんは、東京から日本を変えると、と言ったように記憶しています。変えるやよし。その後任の猪瀬さんもそのつもりだったのでしょう。確かに変わったことがありました。尖閣諸島をめぐり、日中間に軍事衝突の危険性が生まれてきたのはそのよい例です。でもこんな形で変えてもらうのは御免こうむりたいと思います。長野麻績村の僻地に移住して丸13年、松本に通勤、生活して1年有余、札幌、沼津時代も含めると地方での生活は20余年になりますが、活字で学んだ以上に実感しているのは、地方の衰退と荒廃です。原因はデフレにあらず。もとより「デフレ克服」で解決できるほど能天気ではありません。
一言、原因は「東京一極集中」なのです。一言ですので、その理由や原因は省略します。一極集中の反対に、東京の機能と人口を分散化させることです。教師生活30有余年、研究の中心命題は、近代の問い直しと地方の再生でした。そこで僕が学生たちに投げかけた具体的な言葉は、せめて若い間に故郷に戻れ! でした。簡単明瞭、人のいないところ、経済も生活も成り立ちません、もとより環境も守れません。人も同じで、足腰が弱れば、体全体も劣化します。頭もしかりです。日本の心臓部、頭と自負しているのが東京だとすれば、足腰は地方、地域に当たります。「デフレ克服」で解決できないことは自明の理なのです。東京の人口を半減さす、とは言わないまでも、3分の1程度は減らす、若者を地方に返す、ぐらいのことをぶち上げる候補が出てきて欲しいものです。そろそろ東京都民も、有名病や、都民のための東京だけでに振り回されるのではなく、もう少し広い視野から候補者選びをしてはどうかと念じます。東京の機能と人口の分散化が、脱原発、来る大地震の被害縮小にも有効な手立てであることは間違いないのですから。
昨25日、康花美術館のある地元の公民館に、当美術館の活動報告を提出しました。「都知事選挙に一言」言いたくなったのも、実はこの報告書をしたためていたのがきっかけでした。その中で「活動の狙い」の項目に、3点ばかり次のように記述しました。
1)芸術・文化・地域の振興に少しでもお役に立てればと思っています。2)経済、効率、成果が強く求められている現代社会にあって、特に若い方々には「生きるとは何か」「人生とは何か」、若い命を燃焼させた康花の作品を通じて、その一端をつかみ考える時を過ごしていただければと思っています。3)美術館は作品鑑賞の場であると同時に、お一人お一人の内観の場としてご利用いただければと願っております。
それにしても長い一言でした。