(ずい分長い間ブログをサボってしまいました。特に体調が悪いわけでもなかったのですが、パソコンを開く気が起こらな
い…わがままの為せる業です。)
ずい分前の「日曜美術館」で取り上げられていた、明治初期の日本画家・<渡辺省亭氏>。
私の記憶に全く無い画家だった。
それもその筈、世間的にも今までほとんど知られないままの画家なのだそうだ。
テレビで紹介された<渡辺省亭氏>の日本画を見た。
でも私は元来、下の絵のような純粋な写生画には、あまり興味が湧かない。
なので失礼ながら、渡辺省亭氏の絵にも彼自身にも、初めのうちは、さして興味を持たなかった。
しかし、彼が「院展」で賞を取りられ周りから高く評価されたにも拘わらず、日本画壇のどの流派にも属さず淡々と自分の
絵を追求され、果ては日本を離れて、当時としては珍しいパリ行きを一人で決行された(日本画家としては初めてパリ行
きだそうだ)という話を聞くや、元来へそ曲がりの私は、俄然省亭氏に興味を持つに至った。
そして彼の絵は、時流におもねるものではなかったにも拘わらず、一層評価が高まり、迎賓館赤坂離宮の「花鳥の間」
には、七宝作家・<濤川惣助氏>の、原画を忠実に再現した七宝作品となって、飾られているとのことだ。
七宝の作品となった上の絵も、技術的なことが分からない私には、それ程印象深いものでもなかったが、彼の絶筆となっ
た絵を見たときには、心に深く響くものを感じた。
白黒のみで描かれたこの絵には、誰にもおもねることなく、深く静かに自己の道を探究されてきた省亭氏の真骨頂が、
表されているように思った。
たんぽぽを初めとした3つの花だけは、細部を描かれないまま逝かれたそうだが、その空白の部分も含めて、私たちに
静けさに満ちた優しい世界を提示してくださっているように思う。
渡辺省亭氏とは何の関係もないけれど、録画画面から上の写真を撮ったのと前後して撮ったトキワツユクサの写真を、
載せさせていただきます。
<渡辺省亭氏>の日本画は私も見たことがありませんでしたが、写実的な優しい絵を感じますね。白黒の絵も感性が感じられますね。
この返信コメントもずい分遅くなり、申し訳ありません。
これからもわがままな私ですが、よろしくお願いいたします。