豊臣秀頼と淀殿の自刃の跡を、心寂しい思いを抱きながら過ぎて、私は更に上っていった。
上りながら周囲を眺めると、まだ花を残しているソメイヨシノの木を見つけた。
しかしほとんどは、もう新緑に覆われている。
上りながら天守閣を見上げると、やはり天守は戦さのための建物だという感じがしてくる。
天守閣広場にも、花を残しているソメイヨシノの木があった。
木の根元から、ひこばえが赤く元気な芽を出しているのを見るのも嬉しかった。
天守閣広場は他に見るべきモノも無かったので、すぐに上ったのとは反対の道を通って下に降りていった。
その途中の石垣の隙間に、赤い茎の植物が緑の新芽を出していて、植物の持つ生命力の強さを感じた。
下りながら、ソメイヨシノがまだ花を付けているのを見ると、嬉しくなってカメラを向ける。
下まで降りて、やっぱり「西ノ丸庭園」に入ってみることにした。
庭園の入り口に濃いピンクの花(たぶんハナズオウ)が咲いていた。
桜が満開であれば、西ノ丸庭園は、桜を前景にした大阪城を撮影できる絶景ポイントなんだけれど、この日はこんな悲
惨な写真しか撮れなかった。
(下は、西ノ丸庭園の大阪城とは反対側を撮ったもの…本来はここも桜でいっぱいなんだけれど。)
西ノ丸庭園を出て、帰途につくべく公園を歩いているとき目に入った、(たぶん)桜と(名まえが分からない)枝垂れ桜。
いよいよ大阪城公園を後にするというとき、私は大好きな桜の絶景ポイントに寄ってみることにした。
満開の桜にはほど遠い状態だったけれど、桜はまだ少しピンクを残している。
私は、大好きなお濠と一緒に、名残りの桜並木を撮ってから、いよいよ帰途についた。