のんスケの‥行き当たりバッタリ!

ぐうたら人生を送ってきた私が、この歳になって感じる、喜び、幸せ、感動、時に怒りなどを、自由に書いていきたいと思います。

「スゴイ!」のひとこと‥101歳の画家・<入江一子>さん

2017-06-28 18:39:33 | 日記

 2週間前の「日曜美術館」を見るまで、私は、画家・<入江一子(イリエカズコ)>さんのことを、全く知らなかった。

                     

 

 入江さんは1916年生まれで、現在101歳。

 2017年1月には、「上野の森美術館」で<100歳記念展>が行われ、沢山の人が彼女の画業を讃えて集まられたという。

 

 101歳になった彼女は、今のご自分の状態を、次のように言われる。

 「絵はだんだん描けるようになって、絵がだんだんわかってくるんです。 だからもう命がけで描いています。」

                       

 

 私はこの言葉を聞き、101歳になられてなおいや増す絵に対する限りない情熱に、ただただ「スゴイ!」と、頭を垂れるのみ

 だった。

 

 

 入江さんは、当時日本の統治下にあった朝鮮半島で生まれ、幼い頃より絵を描くのが何よりも好きな少女だった。

 6歳の時からは、一日も欠かさず絵を描き続けてこられたという。 (果物や魚などの食品も、必ず絵に描いてから食べるという

 徹底ぶりだったという。)

 そして1934年(18歳の時)、画家を志して日本に渡り、「東京女子美術専門学校」に入学される。

 その頃の彼女の絵・2点。

                       

                   「自画像」 (22歳)                     卒業制作「沼地風景」

 

 右上の卒業制作・「沼地風景」は、<独立展初入選>を果たした。

 そして次の「魚」(1953年)は、<独立賞>を受賞された。

                      

 

 

 

 その後彼女は、教師をしながら絵を描き続けられ、50歳を過ぎてから、シルクロードの旅に出られる。

 その旅で彼女は、今までに見たことのない風俗と色彩に出会い、それに限りなく魅せられる。

 シルクロードの旅は続けられ、そこから沢山の色彩豊かな絵が生まれた。

                    

 

 

                    

 

 

                      

 

                     

 

                      

 

 

 

 更に1992年、76歳になられた入江さんは、4300メートルの高地に咲く<青いケシ>をどうしても見たいと、中国・四川省に

 赴かれる。

 しかしこの旅は、登山の経験のない彼女にとっては、とても過酷なものだった。

 天候の悪化もあって、見ることをほぼ諦められたとき、奇跡的に目の前に現われた‥青いケシの花!

                        

 

 

 彼女はその感動を、<四姑娘山(スークーニャンシャン)の青いケシ>と題して描かれた。(1992年)

 (この絵は、東京立川市の「立川中央病院」のロビーに掲げられ、病院に来る方々の心を慰めているそうだ。)

                     

 

 

 

 そして入江氏は、<100歳記念展>が終わって2ヶ月余りの4月から、再び新しいキャンバスに向かわれた。

 描かれるのは、あの<青いケシ>の絵。

                       

 

                       

 

                     

 

                     

 

 

 そして、<回想 四姑娘山の青いケシ(2017)>が完成した。

 この絵には、馬に乗って山に登った自らの姿が、小さく描き込まれている。

                  

 

 

 

 上の絵が完成して間もなくの5月、入江氏のアトリエには、再び、真っ白いキャンバスが持ち込まれた。

 彼女は、今もそのキャンバスに向かって、新しい絵を描かれている。

 本当に、「スゴイ!」のひとことです。