先日の「題名のない音楽会」で、『みんなで歌おう!ユニーク校歌大集合』という、なかなか面白い特集をやっていた。
いろんなステキな校歌が紹介されたが、その中で私の心を強く打ったのは、あの「釜石の奇跡」でも有名な、≪岩手県立釜石市立釜石小学校の校
歌≫だった。
釜石小学校は震災後、被災者の避難所にもなった。
体育館が避難所になった、釜石小学校の校舎
釜石小学校の校長先生の話によると、被災後11日目に、避難しておられた一人の高齢の女性が、校長先生に向かってこう言われたのだそうだ。
「この学校の校歌はホントにいいですねえ!私たちの力になります!」と。
避難所になった体育館には、校歌の歌詞が掲げられていて、それを見られた女性が感動されてのことだっだのだ。
体育館に掲げられている、釜石小学校校歌の歌詞
その話を聞いて学校側は、23日から毎日、ラジオ体操の後に、校歌を校内放送で流すことにした。
それは、学校が避難所でなくなった8月までずっと続けられ、被災者の心の支えになったのだという。
番組は、校歌を一生懸命歌う、釜石小学校の子どもたちの映像にのせて、校歌の歌詞を紹介してくれた。
私は、元気に歌う子どもたちの映像を見、その力強い歌声を聴きながら、思わず涙ぐんでしまった。
この校歌があればこそ、釜石の子どもたちは、一人の犠牲者を出すことなく、家族をも説得して、全員無事に避難することができたのだ!
校歌は、「釜石の奇跡」を生みだす、大きな力だったのだ。
(もちろん、「釜石の奇跡」を生みだしたのは、震災に対する普段からの徹底的な教育もあったけれど。)
そして校歌は、被災された方々をも励まし続けたのだ。
最後に、釜石小学校の校歌の、この素晴らしい歌詞(三番だけ)を、下に引用しておきたいと思う。
≪釜石小学校校歌≫
三、 しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる