ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅           アシアナ(医療監房)・・・・・9

2013-01-10 | 2章 デリー中央第4刑務所アシアナ
 夕方6時施錠された。患者は全員病棟にいる。病棟の真中を巾2ヤードぐらいの通路があり両サイドに10台のベッドがあった。患者数はベッドの数だと20名だが約半分のベッドにはぼくのように2名で共有している所がある。それとベッドの間を寝床としている患者も10名程いる。はっきりした数は分からないが大体40名ぐらいの中毒患者が入所しているのではないだろうか。ベッドの上で横になっても眠れる訳ではないうつ伏せになって周りを見ていた。ベッドの上に座ってぼんやりしている者、横になって動かない者、人が集って賑やかなベッドがある。どうして手に入れたのかバナナや菓子類を皆で食べていた。そんな人が集った別のベッドの方からインドの歌が聞えてきた。通路に毛布を敷きその真中に歌い手が座っていた。あぐらを組んだ膝元にアルミ製で直径40cmぐらいあろうかオイル缶の蓋のような食器が伏せて置いてあった。インドの打楽器タブラを代用しているのだろう歌に合わせ時に激しく打ちつけた。インドの民謡だろうか生で聞くのは初めてだが中々の歌い手だ。興に乗ったインド人達は手拍子をとり通路に出て踊り出した。足はリズムをとり両手は頭の上で指を鳴す。歌が終ると次の歌い手が指名されその彼がまた雰囲気を盛り上げた。病棟内でこんな大声を出し打楽器を鳴らして大丈夫だろうかと心配になったが事務所からは何の注意もない。そんな大らかなインドが好きだ。

(建築はイギリス統治時代ではないだろうか? ヤードだとぼくのイメージと寸法が合う)
コメント
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