ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・81

2014-07-16 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 喫煙は禁止されているが見つかっても懲罰の対象にはならない。裁判所へ行く護送バスの中でビリを吸っているし、裁判所の留置場では刑務官から1本5ルピーで買う事も出来る。留置場内でビリを回し吸いしているが公然とではないが公然の秘密だ。法廷の待合室でぼくが弁護士から煙草を貰って吸っていたのもそれだ。護送車が信号で停車すると歩行者や横に並んだバスから金網越しにビリやマッチを入れてくれる。警備員室から丸見えなのだが制止される事はない。
 収監者にとって最も重大な問題は性欲の処理だろう。ホモの話は後を絶たない。奴は夜中、自慰をしていたという話も聞いた。スタッフ系ドラッグはその性欲から解放してくれる。スタッフをやり続けてスタッフでの問題さえ起こさなければ、そして年内に出所出来ればそれ程の苦痛はない。お金のことは何とかなる。1年間ドラッグ代を含めて1万㌦、それを使い続けたとしてぼくの命は10年は持たないだろう。ぼろ々になっているぼくの心身はそれ以前に消えてしまう。1本の高濃度の注射を静脈に打ち込めばそれで終るのだから。

   1月14日(土曜日)
午前ちょっと太陽が顔を出したが、その後すぐ雲が広がった。夕方5時頃には雨になってしまった。今夕から冷え込むだろう。今日は土曜日でクラスもないし何もすることがなく時間だけが残った。


朝 一度だけ蝉が鳴いた 梅雨明けはそろ々だろう 珍しく晴れていた 急いで洗濯
オールスターゲーム ダルビッシュ投手が登板し その後上原投手が投げた 
完璧な救援 そこで画面が乱れ消えた 雷雨だ 洗濯物を取り込む 大雨洪水警報が出た
梅雨の末期はいつも荒れる 浸水被害が出なければ良いのだが
うなぎ釣りは最悪だった うなぎ小2匹リリース ハゼの猛攻 22時降参した
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うなぎの夜釣り

2014-07-14 | エッセー


11日(金)午後7時夜釣り 8時過ぎ暗くなると竿先に当たりが出だした 2・7m先調子の竿
仕掛けは1号の錘 ハリス3号長さ40cmの鯉釣り用 針8本入りパックが100円ショップで
売っている うなぎを釣っても針は外せない 取り込むとき腕や入れるレジ袋を巻きついて暴れる 
2人での大仕事だ 釣ったうなぎを逃がす訳にはいかない 袋に入れると口をしっかり縛って 
ハリスを切りクーラーボックスに入れる リリースするうなぎは口元でハリスを切り川へ返す
餌取りハゼの当たりの間にグッグッとうなぎの当たり 早合わせは禁物 ゆっくり錘を引くと
ゴツゴツと餌をかじっている 餌を呑みこむとグッと竿先が入る 一気に合わせる 
ぼくは2匹 中ちゃんは1匹釣り上げたが躊躇している どうするとぼくに聞く リリースサイズだ
彼にとっては今年の初うなぎだ リリースしたらとは言えない 蒲焼きにしたら うぅん・・・
針掛かりが浅かったのかぽちゃんとうなぎは川へ落ちた 運が良いうなぎやねぇ
バケツ底の外周寸法は80cm 60cmのまな板に寝せると尻尾が5cm程でた 
65cmの大うなぎだ 小さい方は蒲焼きにして食べた

12日 大雨洪水警報が出ていた 川の水が茶色く濁っていたが今日は澄んでいる 
夜釣りに行く 明朝から雨の予報 いつ梅雨が明けるのか 
18日から子供達が楽しみにしている夏休みになる その頃だろうか・・・


かぼちゃが大きくなった
 
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・80

2014-07-11 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

弁護士とはいえ海千山千のインド人、甘い顔を見せない事だ。お金の支払いは特に気を付けなくてはならない。マリーとフィリップスにはノートを渡して使った金額を記入させる必要がある。仕事は仕事として必要なお金は支払うが彼らのお金とぼくのそれは区別する。特に今回、1300㌦の両替はレシートを確認する必要がある。レート32ルピーと32・5ルピーでは650ルピーの差額が出る。前回60㌦の両替についてマリーには何も言わなかったがそれはブラック・マーケットでの両替だからレシートはない、信用するしかないのだ。ぼくが甘い人間だと彼らが思ったら抜きにかかる。何もぼくは四角四面でやろうとは思っていない、少し甘い部分があって良い。常識の範囲内でぼくから抜いてもらっても結構だ。どうせこんな世界だ、お互い持ちつ持たれつ、それで良い。
 もう完全に冬型の気候になってしまった。朝九時過ぎまで靄が晴れない。太陽が顔を出すまで寝床に潜って寒さを凌いでいる。元気に外へ出て行く者といつまでも毛布に包まっている者とに別れている。クラスはいつからか冬時間の10時から11時に変わっていた。アシアナの入所者はどうしているのだろうか、6時の開錠後、昼の12時まで病棟に入る事は出来ない。ぼくがいた12月初旬でも寒かった。暗い前庭でティーコップの温もりで手を暖めていた。9時頃、太陽が出てくるまでの約2時間ただ黙って病棟の周りを歩いていた。ここでは一度起こされ外に出されるがあとは毛布に包まってティーを飲もうが寝ていようが誰も文句は言わない。そうしてはいけないという規則はない。クラスは出席するよう指導されているが裁判所への出頭は当然、最優先されるし面会があればクラスへの出席は強制されない。出たくない時は体調が悪いと言えば刑務官も何も言わない。考えてみればここの規則は夕方6時から朝6時までの施錠と12時から15時までの施錠だけだ。施錠による拘束時間は合計15時間、残る9時間は自由時間と考えられなくもない。第1刑務所内であれば女性専用第1収監区と懲戒用第3監房以外だったら第2収監区を出て売店に行く事も他の監房に行く事も規制されない。監房からの解放9時間内での懲役と言う強制労働はない。禁止されているのはドラッグと喫煙だけだと言える。


釣りの情報が入ってきた 湾の河口から2番目の橋で新聞屋の兄ちゃんがうなぎ6本を釣り上げた 
な な なんちゅうこっちゃ 大きいのは65cmあったらしい うぅ~うぅ~・・・
中ちゃんに餌を用意してもらった 焼酎はぼくが持っていく 今夜7時からの夜釣りだ
晴れは明日まで 東シナ海に梅雨前線が発生し九州北部に接近するとの予報
今夜 うなぎが釣れなかったら明日は2番橋へ行く 
午前 検診結果を聞きに内科クリニックへ行った 一部正常値を越えた項目があったが
治療する程のことはない とドクター  安心した
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・79

2014-07-09 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

昨日、今日とビリを多めに買っている、大量に入荷したのだろう20本入り1パケが140ルピーと安い。独立した寝場所を持っているので買い溜めしてもキープ出来る。グループに気を使う必要はない。今日は余程スタッフをやりたかったのだろうアミーゴがビリ4本を出して半パケ回してくれと言って来た。
 朝の粉入れはやめようと思っていた、がまだ下痢が続いてトイレに行くとついスニッフしてしまった。粉入れ、14時、20時。まだ腹が張ってガスが溜まっている、明日もまだ下痢が続きそうだ。
 12時からの施錠時、インド人がぼくを呼びに来た。鉄格子の外に弁護士の事務所の者だという男が来ていた。インド人の早い英語だがどうもお金の事を言っているようだ。早くお金を払ってくれないと仕事が出来ない、小切手の両替を早くやる為、東京銀行のゼネラル・マネージャと大使館へ日本語で良いから手紙を書いてくれ、彼の言い分はそんなところだろう。小切手はマリーが持っている、フィリップスに手助けをしてもらって現金化を進めていた。詳しいことはAバラックの奴の所へ行け、と言ってやった。20分ぐらいしたら又インド人がぼくを呼びに来た。事務所の奴が戻って来る迄の間ぼくも考えてみたがちょっと頭に来て、言うべきことは少し英文で纏めていた。
「今回、弁護士がやった仕事といえば1月5日たった1回来ただけだ。それもぼくのお金の返還手続きをやっただけじゃないか。何故、今の時期からお金、お金と言うのか、ボスとの打ち合わせでは初め少しアドバンスを払ってあとは裁判の進行によって随時支払うということになっている筈だ。それに支払いについては大使館の方で支払う事になっている。支払いの条件はぼくの手紙を持って行き、その手紙に記入された金額を弁護士またはその事務所の人間である事を証明できる者に大使館が直接支払う。そういう事になっているじゃないか」
と彼に言ってやった。彼は最初、かなり強気に出ていたが、分かった々と態度を変えて帰って行った。

福岡県全域が台風8号の強風域に入った 学校が繰り上げ下校を決めたのだろう
午後1時過ぎ 右から小学生が 2時過ぎ左から中学生が下校してきた
道草ばかりくっている はよ帰らんばあめかぜがつようなるばい
室温28・5度 湿度75% 風だけなので半分網戸にしている
雨が降り出したらガラス戸を閉めなければならない はよ通り過ぎてくれんかねぇ~ 
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・78

2014-07-07 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

新しいインド人が2名、Cバラックに入って来た。何故Aバラックに入れないのか、これは要注意だ。もしかしたら調査官かもしれない、ベッドに座って何気なく周りを見回している。
バラック全体をチェックしているのではないかとも見える。明日は13日の金曜日、それは今夜0時から始まる。今夜はとにかく注意してブツの隠し場所を考えた方が良さそうだ。そんなに心配する必要はないのか。
 また1パケ入れてしまった、使う量が増えている。昼夜、各1回に戻すべきだ。今日も昼夜各2回だ。こんな事を続けていては危険だし、お金の使い方から大使館の不信を招きかねない、ドラッグのビギナーじゃないのだから。今、使っているスタッフの量に比例する禁断の苦しみがあるということを知っている筈だ。それを知っていて尚やめられないのがスタッフの恐さなのだ。スタッフのせいで身体が痒いのに頭はキックしない。どうなっているのか、効いてはいるみたいだが。今夜もあと眠るだけ。

  1月13日(金曜日)
今日は13日の金曜日。嫌な日なので何事にも特別に注意して過ごした。昨夜、刑務官がチェックに入った夢を何度か見た。それに合せるかのように夜中、3回も停電した。そして最後の停電は翌朝まで続いた。早朝、暗い中での点検となった。通路をぞろぞろと不機嫌で無口な収監者達が出入口へ向かった。通路で寝ている者は踏んだり蹴ったりだ。出入り口は混雑してサンダルを踏んだり踏まれたり、停電時の点検は大変だ、前回は中止になったのに。
 寝る前、スタッフは全部バッグの中に入れキーはノートに挟んでエマの本の間に入れておいた。調査は夜中だと聞いていた。話によると夜中の3時頃に起こして密告のあった場所だけ集中的にやったらしい。


九州北部に梅雨前線が停滞している それに向かって南から湿った風が吹いて雨を降らせている
台風8号の中心気圧は930hp瞬間最大風速は70m とてつもなく強力だ 明日は沖縄
10日には九州北部に接近するコースを進みそうだ 被害がでないことを祈る
 
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