ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

トイレと豚・・・13    止まった出物

2005-09-30 | 第10話 トイレと豚
 ドアの前をパタパタとサンダルの音がして通り側のトイレのドアがバターンと閉められた。
ちょっと頑張ってそろそろ出るかな思った時
「ギェ~~~~ヒィ、ギェ~~~~」
バタバタバターンと音がして、ヒェ~~という悲鳴とパタパタ駆ける足音がぼくのトイレの前を通り過ぎた。
1階にはヨーロッパの可愛い女性が2人いるがどちらがやられたのだろうか。
それにしてもあの可愛い顔からあんな凄まじい悲鳴が出るものかね、余程恐かったのだろう可哀相に。
ぼくも初めての時はそんな物が出るとは想像もしていなかったから心底度肝を抜かれた。
心の準備ができていればそれ程のことはないのだが。
あの悲鳴に豚も驚いたのかここまでやって来ない、ぼくの出物も止まってしまった。
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トイレと豚・・・12   豚との攻防

2005-09-28 | 第10話 トイレと豚
 そんなことを考えたわけではないが、トイレで襲ってくる黒豚との攻防について対策を立てた。
トイレには500㏄ぐらいで計量カップのように取っ手がついたトイレ専用の水入れが置いてある。
それに井戸水を入れてトイレへ行く、忘れると後の始末ができなくなり泣きたくなる。
あれ以来ぼくはそのカップと700㏄のペットボトルを持ってトイレに入るようにした。黒豚に急襲された時はカップの水をぶっかける、たぶんこれで敵は逃げていくだろう。その後ゆっくり用を足し尻を洗うときはペットボトルの水を使う。対策は十分だ、さあ来い豚と思っていると敵は中々やってこない。
そろそろ今日あたり、ご無沙汰しましたと来るのではないだろうか、そう思ってぼくは1番手前のトイレに入っている。ちらちらと下に注意をしながらの用足しだから気持ちが集中できない。
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トイレと豚・・・11   城砦

2005-09-26 | 第10話 トイレと豚
 何度見てもこのホテルの建て方は小さな城砦のように見えてしょうがない。
2階には2部屋しかないのに逆凹に建てられた1階の部屋の上には下と同じ凹形で高さ1mぐらいの壁が築かれている。
それと2階へ上がる階段だ。
中庭手前にあるのだが左右とも階段は狭く、上り口には厚い木のドアがあり内側から鍵が掛けられるようになっている。
もし頑丈な門扉が破られたら左右の階段から2階へ上がり最後に内鍵を掛けると誰も上ることは出来ない。
中庭に面した2階の壁は守りと同時に梯子で上って来る敵をやっつける。
何だか理論的に建てられているように思えて想像の世界が広がる。
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