ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

聖地リシケシ ババ・・・・・9   何もない   

2016-11-28 | 聖地リシケシのババ



1日 3回瞑想をしていた が何も分からない 
指導者マム・ヨギは精神のリラクゼーションだと言う こころを解き放せ
世のしがらみを背負って抜け出せない それでもいい
ババには何もない そのようにぼくには感じられる


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ジャンキーの旅・逃亡・・・・・8

2016-11-24 | 5章 ジャンキーの旅  逃亡

 朝、起きて時計を見ると8時を過ぎている。インドとの時差15分は昨夜、調整したように思うがはっきりしない。吐く息が白い。素早く着替えを済ませ階段を下りた。久し振りに再会したマネージャーだが何かをぼくに問う事はない、のんびりしている。宿帳には盗難に遭ってパスポートはないと説明し、デリーの裁判所でコピーをとったパスポート番号を記入した。何かが起こる可能性も否定はできない、がもしインド警察から調査依頼がネパール・イミグレーションに入るとしても早くて2週間以上先のことだ、その前にトリブバン空港を離陸すればよい。大使館へ行って新しいパスポートを作ると言ってホテルを出た。4~5日宿代を溜めても何も言わないし誤魔化しもしない。こういうところはアーリア系インド人とは違う。ネパール人は日本人と人種的には同じモンゴロイドである。体型は大きくない。日本人は食生活の変化によって身長が高くなっている、その分だけネパール人より大きいと言えるだろう。性格は穏やかで大人しい、それは国民性だろう。インド人から見たネパール人はお人好しで軽く扱いやすい人間だと思われている。
 ネパールはインドと中国という超大国に挟まれた陸の孤島である。両国の思惑に翻弄されながらも独自の国家近代化を進めている。しかし時に政治的バランスを見失うことがある。ネパールは一時期、中国寄りの立場をとりインドの厳しい経済制裁をうけたことがある。日常生活で最も重要であるガソリンや軽油などの燃料が高騰しネパールの日常を直撃した。燃料用に木が伐採され山は疲弊した。現在、各国の支援を受けて植林を進めているが、その傷跡は深く肥沃の表土を失った山の回復は遅れている。

冷たい北風が吹いた 冬になる
Tさんから電話 明日どうする 晴れは明日だけ イカ釣りに行く
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保釈・・・20    朝

2016-11-21 | 5章 デリー中央刑務所  保釈

   9月23日(土曜日)
 朝、6時いつものように、デリー中央第1刑務所、第5収監区、Cバラック、3房の鍵を開ける金属音がした。
 ベッドから起き上がりネットを片付けた。扇風機を止め電線をスパークさせた熱から火を取りオイルランプに火を点けた。房内はまだ暑いがもう肌に白い塩の粒が残るような暑さはない。ピーターが入ってきて
「おはよう、火を貰うよ」
ミルク缶の中のオイルランプに火を点け彼は出て行った。彼が毎朝、火を貰いに来るようになったのはいつからだろう。ビリを吸いながら水の入ったペットボトルをぶら下げトイレへ向かった。グラウンドには薄い靄が立ちその中を朝のウオーキングをしている数名の収監者がいた。トイレは相変わらず汚れていたがもうぼくにはどうでも良い事だった。井戸水で身体を洗いチェーシングをやっているとダイクが入って来て新しいパイプと交換する。
「昨日のパイプ良かった」そう言って彼は開いた鉄格子から外へ出る。
1日使ったチェーシング用パイプの内側にはシルバーペーパーを巻き込んである、そこに付着したスタッフの滓なのだが開いたシルバーペーパーを下から火で焙ると1回分のチェーシングが出来る。それが欲しいダイクは毎朝パイプの交換にやって来た。
 朝、売店に行くのも今日が最後になる、オマールといつものソヤビン入りカレーライスを食べた。第5収監区のゲートに入るとき顔馴染みになった刑務官に木の葉で包んだカレーライスを渡すと喜んでいた。
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ジャンキーの旅・逃亡・・・・・7     眠る

2016-11-18 | 5章 ジャンキーの旅  逃亡

フリーク・ストリートの建物は古く階段は狭い、3階左側の突き当たりにぼくがいつも泊まる部屋がある。ドアの1枚ガラスにカラーペイントで蓮華に座り印を結び瞑想する仏陀が描かれている。バッグをテーブルの上に置きベランダに立った。左右と前面はガラス張りで通りが見渡せる。布団を置いて出て行くクリシュナを見てドアをロックしカーテンを閉めベッドに座った。疲れた。精神的な緊張感からくる疲れだ。ぼくは1年3カ月振りにカトマンズに帰って来た。アシアナで禁断治療を受けていた時も、デリー中央刑務所に収監されている間も、精神病院に入院していた時もカトマンズへ早く帰りたいと思い続けていた。長かったのか、短かったのかぼくには分からない。後ろを振り返るな、まだ終ったわけじゃない。チェーシングでスタッフを吸うと冷えた身体の芯に小さな炎が燃える。睡眠薬を2錠飲んだ。眠ろう。今週末まで2日間ある、それまでにカトマンズ警察でパスポートの盗難証明書を発行してもらい在日本大使館で新たなパスポートの発給は無理だとしてもトラベル・ドキュメントだけは手に入れておきたい。
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ジャンキーの旅・逃亡・・・・・6     ホテル

2016-11-16 | 5章 ジャンキーの旅  逃亡

「こんな時間だがホテルへ入られるのか?」
ホテルの入口を見ると、夜遊びがすぎた一人のヨーロッパ人が繰り返しドアをノックしている。その様子からみてドアをノックし始めてある程度、時間が経っているようだがドアは開きそうにない。それを見てボスは心配しているのだろう。大丈夫だドアは開く、と言ってボスを車まで送った。彼を乗せると日本製の古いバンは動き出した。窓から顔を出し手を振るボス、彼を乗せた車は旧王宮の方へ走っていった。
 赤レンガ造りの古い5階建てのホテルだ。建物の中をトンネルのような通路があり奥の左側にホテル入口のドアがある。ぼくは荷物を持って入口へ行きドン、ドンと強くドアを叩き、
「クリシュナ、クリシュナ」
と大きな声でホテルの使用人クリシュナを呼んだ。寒い1月だというのに使用人のクリシュナには寝る部屋さえ与えられていない。受付け前の椅子で彼は寝ているはずだ。ぼくの声が聞えたのだろう、ドアの内側で人が動く音がする。暫らくすると入口のドアが開いた。クリシュナはぼくの声を憶えている、それでもこんな時間に戻って来たぼくを見て少し驚いたような顔をした。
「いつもの部屋、空いてるか?」
はい、と答えてキーをぼくに渡す
「冷える、布団を2枚部屋へ持って来てくれ」と彼に頼む。
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聖地リシケシ ババ・・・・・8   チャイ屋

2016-11-14 | 聖地リシケシのババ



アシュラムから急な小道を下り本通りを渡るとチャイ屋がある
ぼくもババたちも常連客だ チャイはガンガで汲んだ水で沸かす だから美味しいのだろう
チャイを飲んだついでにタバコ ビリ マッチなどを買うとおばちゃんの頭はてんぱってくる
10ルピー札をだすと計算が難しくなるようだ 100パイサが1ルピーになる
インド人はタバコ1本だけ買い火のついた縄から火をつけ50パイサコインを置いていく
ケトナパイサ(おばちゃん なんぼや)指を折り勘定しているが落ち着きがない
ジャルディ ジャルディ(急いでくれ)と言うと 心底困ったおばちゃんの顔があった

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聖地リシケシ ババ・・・・・7   チラムを吸う

2016-11-10 | 聖地リシケシのババ



朝 リシケシの町からガンガ沿いの小道を歩いて参道の店へ行く タバコ屋の兄ちゃん
浅草 参道の仲見世のように毎日 多くの観光客が来るということはない
それでも少しは儲かっているのだろう 小汚いババたちとは違う
小ぎれいな服装をしている 店へ行く前にチラムを一服していく
ここは聖地だから問題はないのか制服のポリも一服していきやがる え~~んゕ~ポㇼ~
ぼくはデリーでこの制服と私服に捕まりくさい飯を食った ざぁけんじゃねぇ~おぅ~こぅ~らぁ~
さすがにポリの写真は撮れなかった
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聖地リシケシ・・・・・6    さまよう女性

2016-11-07 | 聖地リシケシのババ



彼女のこころは旅をしている 虚空にさまよう ガンガの流れと
ぼくは少しだけ理解できそう
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聖地リシケシ ババ・・・・・5   夜

2016-11-04 | 聖地リシケシのババ



夜の瞑想と食事が終わるとここへ来ていた サソリは出ないだろうが蚊はいる
ババたちにとって蚊なんて気にならないのだろう 野宿しているのだから
アサナのポーズをして瞑想に入ると身体を動かしてはならない 肩から下は布で覆う
蚊への対策だ 顔のまわりをキーンと蚊が飛び回る 右だ左だと羽音を追いかける
瞑想にならない 蚊に刺されたぐらいどうということはないのに それさえ越えられない
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