銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

能勢の菊炭の炭焼き師さん

2016年01月28日 | のほほん同志Aの日常

バス会社さんを訪問したのは、寒い寒い朝でした。

その日はもう一軒、アポがあり、
予定よりちょっと遅れたことを気にしながら、
吐く息を白くして、事務所の引き戸をがらりと開けると――

オレンジ色の灯りと温かさが出迎えてくれました。


切り口が菊のように美しいから、菊炭。

「やぁ、いらっしゃい!」 と、黒い手で名刺を差し出してくれたのは、
炭焼き師の小谷義隆さん。

2月に予定しているツアーの下見で、
大阪と兵庫のちょうど県境に位置する能勢町に、
炭焼きの里を訪ねました。

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 五百年以上、茶の湯で評価される最高級の炭

 燃えたあとも形が崩れず、真っ白な灰が残るのが特徴

 数百年前と基本は同じ、人が熱さに耐えながら作っていきます 

 
  (小谷さんが運営される能勢さとやま創造館のホームページより)

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冬は炭焼き師さんにとって、もっとも忙しい季節。

炭を焼いているところを見せてあげましょう、と
窯へと連れていってくださいました。

菊炭の原料となるのは、冬のクヌギ。
寒さのため、あまり水を吸わなくなったころに伐採することで、
炭になったときに美しい菊の文様が生まれるのだそう。


「火をいれたら六日間つきっきり。
 冷ますのに、また六日間。」
 
「で、まだ100度ぐらいの余熱があるうちに、
 窯にもぐりこんで取り出すんです。
 もう、へろへろになりますよ。
 出てきたときには、顔も頭もわからんぐらい真っ黒で」


そうやって丁寧に教えてもらっても、
仕事の流れの全体像ってなかなか見えないものです。
わからなかったことを聞いてみました。

そうやって、できた炭はどこへ?
小谷さんの仕事相手は、だれになるんですか?

「僕の仕事相手は…」

一呼吸おいて、答えられました。

「お茶の先生です」


「あなたの焼いた菊炭がほしい、
 この初釜だけは、ぜったいにお宅の菊炭でないと。

 そう言ってもらえるから、
 こんな真っ黒になりながらでも、やっていけるんやと思います」


その言葉に、あぁやっぱりと、この日2回目に思いました。


だれかの仕事を支えるもの。

それはきっと、別の誰かのまなざしなのです。


◆我が街再発見の旅 能勢の菊炭 はこちら◆

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