豪華な内装、シャンデリア、トイレ付きにコーヒーメーカー付き
まるで車内は動くパーティー会場のような
大型バスが配車場所に止まっていて、、、
外観は、どちらかといえば昔懐かしレトロクラシック
まさか、うちの手配したバスじゃないよね…?と
おそるおそる近づいていくと、
陽気なドライバーさんと、笑顔が素敵なガイドさんが登場
「やあやあ、おっはようございます!」
とまあ、まさか初対面でここまで陽気ではありませんが、
イメージはまさにこんな感じで始まりました
初めてお世話になったバス会社さんです
たいてい、お互い敬遠しあうのですが、
あちらの歩み寄りが早かった
「バタちゃん、(←ガイドさんの愛称?らしい)、コーヒーふたつ、
俺と添乗さんに持ってきて、アツアツ挽きたての、頼むよ」
「はいはーい、今すぐ、はいどうぞ」
この会話が、もう、懐かしいドラマを見ているようで、
ほんわか、あったか、心地良い空気
かと思えばすぐ切り替えるおふたり
「ところで、今日のお客さんやけど、
こういう方たちやったら、俺はここはこうした方がええと思う」
「ここは、この流れでこうしたらどう?私お手伝いしますから」と、
さっきまでコーヒーを飲みあっていたふたりとは思えないほど真面目
この段階で、私はもう、信頼しきっていました
バスといい、運転手さんといい、ガイドさんといい、
今時ではないですが、気取らず、気負わず、自然体で
あったかくて、居心地がよくて、なぜか安心できるのです
古いバスは、かび臭かったり、
ソファやカーテンが色あせていたり、
乗り心地が悪かったり、というのが常ですが、
今日のバスは、大切に使われ、丁寧に手入れされて、
年期がしみ込んだ、“深い味わい”のあるバスでした
もう、私はここで就寝してしまいたい?ぐらいでした
途中、人混みで時間がおしてきてしまった時、
ひとことドライバーさんに
「申し訳ないんですが、帰着が30分ほど遅くなるかもしれないです」
とお詫びしたら
「そんなん、なんで謝るん?
俺は、お客さんの喜ぶ顔が見たい、ただそれだけや
今日中に帰りついたら、深夜になってもええよ、(それはあきません~と私)
それより、楽しんでもらおう、な!」
と、ドラマみたいなセリフをペロっと仰ったのです
「お客さんの喜ぶ顔が見たいだけ・・」
その後、何度もそのセリフがリフレイン
貸切バスをめぐる規制は厳しくなる一方
つまり、規則で全てを縛り付けて、安心安全なバス運行をめざしており(らしい)
もはや、バス会社や運転手に個性は必要なくなったのです
まるでロボットが運転するように
ベルトコンベヤーでバスを手配するように
人と人が会話をして、交渉をして、取引するという商いの基本が
なくなったのです
人と人が対話をして、その日の旅行を楽しむという姿勢自体・・・
そんな中の今日
こんな人情味あふれるバス会社さんが、残っていたことが、嬉しかったのです
昭和にタイムスリップしたような一日でした
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