あれ。
感覚鈍くなってる！
老いを感じ始めたのは、もう5年も前のこと。
老い、は言い過ぎかもしれませんが、鈍さを感じたのは確かです。
イタリアローマでのこと。超観光地の、トイレから出て、
「あっ、荷物ない！？」
慌ててトイレに戻り、ドアに掛けてあった荷物を手にして、
「私、あかんやん」と、大いにショックで、
日本ではありがちなことでも、
海外でそれをやってしまったことに驚愕さえ覚えたのです。
あれから。
否応無しに後退していくことが、あれこれ降りかかる中でも、
海外に出たら、いつも以上に緊張を自分に課して、
神経をできる限り張りつめるよう、努力してきたつもりです。
なのに。
出発が夕刻とあって、ちょっと事務所に寄ったのがマズかった。
煙たがられるだけでいいことも何もないのに。
月末だし、ようようスタッフにハッパをかけて、
いざ出陣！と事務所を勢いよく後にしたものの。
寄り道した、薬局で
「あれ、あれ、財布が無い」となり、さらに
ガーン。
まさか、パッ、パスポート！！
頭をぐるぐるぐるぐる回転させて、
やっと数時間前のことに行きつき、
「そうだ、飛行機の事前ウェブチェックインをしてたんだ」
急いで、事務所に戻り、
と、ドアを開けるのは、少し勇気を持って、、、
開けた途端、スタッフが、奇妙な安堵の声をあげ、
もうマンガのように、頭をぽりぽりしながら、
貴重品がいっぱい詰まった鞄を受けとったのでした。
なんだか不安。
と、もちろん周辺が思ったのでしょうが、私自身もどんより。
どんよりは、どんよりを呼ぶのですね。
夜遅くに羽田に到着して、やれやれホテルに入って、あれ。
ガーン。
化粧道具、、、充電器、、、
遡って、伊丹空港カウンターでのこと。
「羽田で荷物、引き取られますか？それとも、NYまで？」
「NYまでですと、日をまたぐのでロストバゲージの確率がうんと上がりますが」
「うんと」
「それでもよろしいでしょうか」
はい！
ああ、バカな私。
今朝、空港のトイレの鏡の前で、コンビニで買った諸々で
マナー違反にならない程度のメイクをして、
海外の人しかいない電化製品店で、充電器を購入して、
いま、ちんまり出発の時を待っています。
日本での、厄払いはこれで十分でしょう、ってまさかまさか、
ロストバゲージなんてことは、、、
今回は、いつも以上に、気合い注入が必要のようです。
では、行って参ります。
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