靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

ティーンな長男、その子の内のせめぎ合いに委ねて

2013-12-15 08:07:59 | 子育てノート
夫出張の今週、山積みの家事と次男の相手と共に、いつもは手分けしている長男早朝のジムや中学小学校そして放課後の習い事の送迎、おまけにホリデイ前ということで学校で親を招いた行事があったりと、なかなかチャレンジグな日々でした。

そこへ木曜日、次女の放課後のアートクラブと三女と長女のピアノレッスンが重なってしまい。三女と長女をピアノに降ろし、往復四十分程の小学校へ次女を迎えに行き、再びピアノの先生宅に戻って、とできなくもないのですが、週末のピアノ発表会前の最後のレッスン、直すべきところなど私も傍で見ていた方がどうもよさそう。
ということで、次女にアートクラブを休ませることに。ところがこのアートクラブ、年に二度のそれぞれ二日セッションのみ。先週作ったものをこの日完成させ、持ち帰ることになっているの!そう指折り数え楽しみにしていた次女、さめざめと泣き続ける。

長男と相談。いつもはピアノについていく長男、家にいて、往復四十分ほど、歩いて次女を迎えに行き連れ帰ってくれないかと。

最初あまり考えずに「OK」と言っていた長男、前夜になり、「ピアノの先生宅の静かな部屋で宿題をしたい。雪降るマイナス十度の真っ暗な中、歩き続けるのは嫌だな」と。
他の保護者に三十分ほど見て貰う(知り合いは誰も参加していない)、学校で一人で待つ(その時間校舎に生徒一人は許されない)など、他に何か方法がないかと長男と共に考えるも、解決策は見つからず。「○○(次女)が休めばいいんだよ」という長男の言葉に、次女また泣き始める。

「これくらいの道のり何でもないじゃない、いい運動よ」「手伝ってくれたら本当に助かる」「パパのいないこういう時こそ助け合おうよ」

そう言葉をかけるほど、長男も不機嫌になり。最後は私も怒り始め、

「もういい! ママが何とかするから」と言い放つ。

お互い気まづいまま就寝。



ベッドに寝転びながら、

まずは、「こうあって欲しいという彼の姿」と「現実の彼の姿」のギャップに、「がっかり」している自分にこれは「過程」なのだと声をかける。

次に、彼の側に立って、彼の内面に何が起こっているのか整理してみる。

1.暖かい屋内で心地よく過ごしたい (自分のため)

2.親も妹も困っているのだから手伝いたい (他者のため)

3.親に左右されない自我を確立したい。 (親離れ反抗期)

大人に成りかけ反抗期子供の十四歳、彼の中では、どうもこの「3」が大きいように感じる。「1」を感じ始めて、「3」がますます増大といったところか。

突き放すことで、「1」や「3」を叶えさせるより、強制的にでも行かせて「2」を体験させた方が、結局は彼のためになるんじゃないかなあとも思ったり。

あれやこれや思いながら、眠りに落ちる。


翌朝、ジムは六時前と早いので、いつも起こされないと起きないのに、自分で起き準備を黙々とする長男。こんなこと初めて! どうも彼もゆっくりと寝られなかったようで、気まずい表情をひきずったまま。

ジムへ向かう車の中で言う。

「僕は行きたくない。でももし行かなければならないなら行くよ」

「助かる。ありがとう」と言うと、頷いて、窓の外を向いた。



その日午後中学へ迎えに行き、アートクラブは何時に終わり、校舎のどこで落ち合いと具体的な予定を立てる。「で、僕はこれでいくらもらえるんだっけ」と冗談言って笑う長男。すっきりしたいつもの表情。

家に長男を降ろし、三女を迎えに行ってピアノへ。長男はその間に次女を連れ帰って暖かい家の中にいるだろうとピアノから戻ると、家の周りをうろうろしている長男が。何でも、鍵を持っていくのを忘れ、三十分程外で待っていたと! 次女は凍りついたドライブウェイに留めてある車の中に! 家に入り、真っ赤な頬に冷え切った手を合わせ、けたけたと笑い転げる長男と次女・・・。

つられて笑いながら、ああよかったと思う。それでも、行ってよかったと一番感じているのは、他の誰でもない長男自身なんじゃないかな、彼の笑顔を見ながら、そう思った。




整理:

・思春期の子に、同じことを言い続けても、反発するだけ。伝えることを伝えたら、少し離れ、その子自身でその子の内面のせめぎ合いを体験させてみる。今回はそう意図したということではなく、私自身もたなくなって突き放したのですが、結果的にそれがよかったです。(笑) 時には「1、自分のため」を選んだり、「3、親離れ反抗期」に囚われ続けることもあるかもしれない。それでも、それも「過程」として、こちらが大切に思うことをさりげなく伝えながら、見守る。


・「なければならない」といった「義務」のような部分を強調する長男、それでも、その奥に「2、他者のためにしたい」がある。そしてこれから自分が本当に辛いときに助けられたりといった体験を何度も重ねる内に、心の底からの「2、他者のため」が開いていくだろう。まずはハード面(義務)を整えておくと、ソフト面も開き易いということもあるだろう。


・思春期は、「3、親離れ反抗期」が絡んでより複雑だけれど、「1、自分の心地よさのため」と「2、周りのため」のせめぎ合いは、大人になっても常にあるもの。このせめぎ合いには、自分の内に「1」があるのだと認め自覚しつつ、ここぞというときには、「1」を赤子のようになだめあやしながら、とにかく「2」の「行為を刻む」ということなのだろう。



伝え、下がり、こちらも頭を冷やし、後はその子自身のせめぎ合いに委ねてみる。

押して、引いて、ティーンとのダンス!




真っ暗闇のこんな車の中で、三十分ほど待機。(笑)


アートクラブから長男と戻り外で凍えて一時間後、宿題して夕食さっとすませ、次女コーラスの発表会へ。


じんぐるべ~る、クリスマスキャロル!


じゃ~ん、と終わり。


アートクラブも、コーラスも無事参加できて、良かったね。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヨーキ)
2013-12-15 21:57:43
次女すご~くいい顔していますね。泣いた甲斐があって両方ともやれて満足。 ママが「もういい!」何とかする~と『爆発!』これが最大の効果だったと思います。
状況の大変さを長男さん~感じてくてる程思いやりのあるお兄ちゃんに成長してくれましたね。天晴れ~天晴れよ!
皆な自分に素直になれてよくやった。
真っ赤な頬に冷え切った手を合わせ、けたけたと笑い転げる長男と次女・・・。 素晴らしい家族ですね。
Unknown (Y)
2013-12-16 02:16:17
ご無沙汰しています。
外に停めてあった車に鍵ががかかってなかったのですね、不幸中の幸い(笑)。そして今日は長女三女ちゃんのピアノの演奏会、ポットラックの用意もあるよね、毎日盛りだくさんですね。夫さんが早く戻っていらして、息つけるといいな、と思っています。
ヨーキさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-12-18 14:17:34
次女、とても喜んでいました。本当ですね、今回、我慢限界! と投げ出したのが結果的に良かったようです。(笑)

ベッドに寝転びながらあれやこれや思い、そのまま夢でも考えていたりして。(笑)意外な朝の展開、驚きました。

表情や態度から、彼なりに、色々なことを思ったのだなあと感じましたよ。こうしてあちらこちらにごつごつとぶつかりながら、少しずつ成長していくんですね。

素直になれると、本人ものびのび軽くあれますね。なるべく皆がそうなれる場を作っていけるといいのですが。

ホント毎日色々なことが起こります、そしてこれからもそうでしょうね。思うように行かないことも、嬉しい成り行きも、「過程」として次へと繋げていきたいです。ありがとうございます! 残りの週、お楽しみください!
Yさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-12-20 03:26:17
お久しぶりです! お忙しいところ、メールもありがとうございました。お話が聞けて嬉しいです。

Yさんにそう言われるまで、気がつきませんでした、車の鍵。よ~くかけ忘れたままドライブウェイに駐車してあるんですよ。中は空っぽですけれどね。(笑)

ポトラック、手間のかからないてきと~なものですから大丈夫です。発表会も、ふ~、何とか無事終わりました。(笑) ほんのこの前まで、Yちゃんもここにいたんだなあと思い出していましたよ。

本当に毎日もう盛りだくさんで。今週の冬休み前最終週の行事続きも、もうすごいですよ。(笑) 今、次女と三女のクラスにポトラックの食事など先生に手渡してきたところです。これからセットアップ手伝ってきます。今夜は中学でもブラスバンド演奏会があって。

明日からは冬休み! 毎日作って食べて片付けてですねえ。そこにアウトドアスポーツなどしてたら、もう目が回りながらあっという間に新学期、というか新年でしょうね。(笑)

おかげさまで夫も戻り、皆で走り回ってます。Yさんも常夏の冬休み、お仕事共にで、それはそれは大変だと思いますが、お楽しみくださいね。ありがと~!

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