23区国保 特別区長会開かれる
23区区長会は2月16日の総会で、2018年度の特別区の基準保険料について1人当たり3547円(基礎分+支援金分)引き上げる値上げ案を確認しました。
≪資料①≫23区国民健康保険料の内訳
(1)基礎分(医療分) 均等割
所得割
(2)支援分 均等割
(後期高齢者支援金) 所得割
以上は23区統一保険料方式で算定
(千代田、中野、江戸川区は別算定)
(3)介護分 均等割
(介護納付金) 所得割
(国の諸係数にもとづき各区で算定する)
さまざまな「努力」あるも新たな区民負担増に
区市町村国保が抱える課題を解決し「持続可能な医療保険制度を構築するため」とした国保の「広域化」(都道府県化)のスタートの年は、保険料軽減のための様々な努力が行われたものの、新たな負担増となる可能性があります。
≪資料②≫1人当たり国保料の推移
(23区・基礎分と支援金分)
2014年度 10万3103円
2015年度 10万6545円(+3442円)
2016年度 11万1189円(+4644円)
2017年度 11万8441円(+7252円)
↓
2018年度 12万1988円?(+3547円)
2月26日「運協」開かれ
足立区では2月26日、国民健康保険運営協議会が開かれ、この値上げについて区長から諮問を受け審議。共産党の委員と被保険者の委員が反対しました。
3月の議会に条例を提出
国保料は「運協」の答申をうけ区が条例案を議会に提出。条例審議は3月議会の最終日(3月27日)になるものと思われます。値上げはまだ決まったわけではありません。
「これ以上あがったら生活できない」と悲痛な声が上がっている国民健康保険料の値上げは許せません。国や都のさらなる財政支援とともに、区が法定外繰入れを増やせば値上げはストップできます。
統一保険料を維持 6年間の激変緩和措置も
特別区長会は、千代田区、中野区、江戸川区3区が離脱したもとでも統一保険料方式を維持。
また保険料負担抑制のための高額療養費などの一般財源対応(法定外繰入)は廃止して保険算入としました。
そのうえで、急激な保険料の値上げを抑制するため、新たに6年間の激変緩和措置を独自に行うとしました。
2018年度は納付金の6%
この特別区独自の新たな激変緩和は、東京都が各自治体に示している納付金の6%相当額を来年度は法定外繰入れで対応(各区の一般会計から繰入れ)するというものです。そのぶん保険料の上昇を抑えられます。しかし再来年度は5%、その翌年度は4%と割合を1%づつ減らし「赤字」とみなす法定外繰入をいずれなくす方針です。
≪資料③≫ 一般会計「その他繰り入れ」
( 法定外繰入れ) 2007年度(決算) 108億円余
2012年度(決算) 82億円余
2016年度(決算) 53億円
2017年度(見込み) 40億円余
↓
2018年度(予算額) 25億円
「6年後には27%値上げになる」の指摘
「運協」では「1%づつ減らせば区民の負担が増えていくのではないか」「激変緩和措置がなくなる6年後には27%規模で保険料が上がるのではないか」と指摘する声が出されましたが、まったくそのとおりです。
区は来年度25億円にまで繰入れを減らす予算を示していますが区の姿勢が問われます。
≪資料④≫ 国保運協資料から
「制度改正(都道府県化)の概要」では「区市町村国保が抱える課題を解決するため」「財政基盤は所得水準が低い、保険料が重い…」などと述べ保険料が高すぎることを認めながら「標準的な保険料算定方式」では「(6)赤字削減・解消の取り組み」として「国は原則6年間を計画期間として赤字の解消を求めています」「23区においても統一保険料方式の考えのもと6年間での赤字の削減・解消をめざしていきます」と保険料値上げを促進する方向を示唆。