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にしみの鉄道情報局付属ブログ

ED75-500の謎

2014-11-12 | 鉄道
たった1両だけ製造された北海道向けのED75-500番台。試作車という扱いですが、函館本線小樽~旭川間のために、わざわざ貨物専用の電気機関車を製造するだけの需要が有ったのかとおもいます。
ED75-500の変圧器に電気暖房用の4次巻線は用意されていませんし、北海道地区の客車の電気暖房化の計画も無かったようですので、完全に貨物専用機という扱いのようです。
よく知られているように、この区間の電気機関車の量産車は、蒸気暖房を搭載したED76-500番台が量産され、旅客列車貨物列車の両方に使用されています。


小樽市総合博物館 撮影2014年10月18日


青函トンネル開業前の北海道の電化区間は、函館本線小樽~旭川間と室蘭本線室蘭~東室蘭~沼ノ端間、千歳線ですが、国鉄時代の動力近代化計画では、函館本線函館~長万部間と室蘭本線長万部~東室蘭間、沼ノ端~岩見沢間も電化計画に含まれていました。
聞いたところによると、昭和40年代は石炭輸送が盛んだったため、ED75-500を量産して岩見沢方面から室蘭本線経由で苫小牧や室蘭への石炭輸送に使用する構想が有ったようです。
函館から東室蘭までの電化については、DD51の量産で早い段階で断念されていたようですが、室蘭本線の岩見沢までの区間は、結構後まで電化構想があり、ED75-500とED76-500が重連で貨物列車をけん引する計画だったそうです。

結局、蒸気暖房が無いことと、サイリスタ制御による誘導障害の問題などもあって、ED75-500は岩見沢以北の貨物列車運用に限定使用され、国鉄末期の1986年に廃車になり、小樽市総合博物館に保存されてます。
個人的に思うのですが、ED75-500はサイリスタ制御の問題がなければ、暖房供給の必要のない14系で組成されたブルートレインの急行利尻や急行大雪の札幌旭川間、14系化後の急行ニセコの小樽札幌間の牽引をしていたかもしれません。
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