関電トンネルトロリーバスが2019年から電気バスになって以来、立山トンネルトロリーバスが日本唯一のトロリーバスとなっています(ただし厳密には名古屋ガイドウェイバスの高架区間も無軌条電車で法律的にはトロリーバスと同じ扱い)。ここも2025年には電気バスへ転換される予定となっています。
もともと、立山トンネルではディーゼルエンジンのバスが使われていましたが、トンネル内の換気の問題から1996年にトロリーバスとなっています。同じアルペンルートの関電トンネルトロリーバスと塗装以外はほぼ同じ大阪車輌工業製のトロリーバスです。
というわけで、立山トンネルトロリーバスは関電トンネルトロリーバスの技術、さらに元をたどれば、大阪市のトロリーバスの技術が元になっています。
この立山トンネルは、関電トンネルと同じくかなりの難工事で、1年近く工事が止まるような破砕帯があったそうです。
もっとも、関電トンネルが黒部ダム建設の資材搬入ルートで、1950年代の電力需要逼迫から建設が急務で1956年8月から1958年2月の1年半で貫通したのに対して、立山トンネルは純然たる観光ルートのため、そこまで建設が急務ではなかったのと、関電トンネル以上に破砕帯が多かったこともあって、貫通には1965年11月から1969年12月まで4年かかっています。
アルペンルートのトロリーバスは、立山トンネルトロリーバスも関電トンネルトロリーバスも単線ため、末端部はラケット状のループ線になっています。トロリーバスは、鉄道模型と同じく、極性が異なる2本の架線から直流を集電するので、鉄道模型のリバース線と同じく、架線の極性が途中で入れ替わってしまいます。
運転席にある電圧計のうち、一番右側が架線電圧計ですが、極性の異なる区間へ入ると、針が逆側へ振れます。車両側で継電器があって、このあたりは自動的に極性判別しているようです。
当然ながら、ポイントのある箇所、ラケットの合流地点と、行き違い箇所は、架線の極性が交わるため、デッドセクションになっていて、架線からのアーク防止もあって惰性で走行しているようです。
撮影 2023年8月27日
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