ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

もう、理解できない~!!勉強中にめそめそします~

2008-05-15 08:21:16 | 社会性
4歳の妹さんといっしょに親子レッスンに通ってきてくれている
小学3年生の☆くん。
利発で想像力豊かな子ですが、
しっかりものの妹さんが、数学的な才能をあらわしだしたとたん、
めそめそして勉強にならない日が増えてきました。

この頃、学校の勉強がおもしろくない…と
こぼすことが多いそうで、
どう対処したものか親御さんも困惑している様子でした。

☆くんは、とても感受性が豊かな子なので、
他の子と競争するよりも、
自分が何か出来るようになるよりも、
「自分が、今、どう感じているか!!」が大切なようです。
知能の高いお子さんなので、
勉強は注意を向ければすぐできるのですが、
学校での学習についても、
自分ができることできないことの話題には一切触れず(関心がなく)
勉強を楽しく感じるか、おもしろく感じるか、
の感想に終始しています。

親子レッスンの最中も、
スラスラ難しい問題を解いていたかと思うと、
横で妹さんが、上手におもちゃを扱いだしたのにお母さんの関心が移ったとたん、
涙がポロポロ出て、
勉強を続けることができなくなりました。
そこで、☆くんのお母さんがなだめたり、
ちょっとあきれた様子でたしなめたりするのですが、
一度めそめそしだすと止まりません。
かと思うと1分もしない間に、ふざけて笑っています。

私はまずきっぱりと、
学習中は、自分の気持ちにばかり集中してはいけません!
ということを教えることにしました。

☆くんがめそめそ感情に訴えても、
大人がそれに刺激されて
イライラしたり、怒ったり、嘆いたり、なだめたり
すると、
そうした感情が揺さぶられることを好むこうした子は、
勉強のたんびに、大人がそうした感情を表現するよう
仕向けるようになります。
確かに、何度もそれをされたら、大人側も感情的になってくるのもわかります。

でも勉強中に、
感情をいったん脇においておく
まず目の前の事に集中する
を教えるには、大人が落ち着き払って何にも動じず、
今すべきことを静かに繰り返すのが一番です。
勉強について、「おもしろいか、楽しいか」を話題にし始めたら、
義務や責任について手短に教えます。

そうして、いったん学習と気持ちを切り離す練習を積んでから、
この子がどうしてそのような態度になるのか、根本的な原因解決を
始めるのがいいかと思います。
私が思うに、☆くんのように感受性が豊かな子は、
もっと演劇を見に行ったり、心情を扱った本を読んだりして、
自分の優れた繊細な感受性を洗練させていかなければ
ならないのだと思います。
感動的な映画を見るのもいいですね。
心の底から泣いたり笑ったりして、さまざまなことを
感じ取ることができるのだと思います。

しかし☆くんのお母さんは、
知能面を伸ばす環境を整えることが得意な方なので、
それはきちんと成果をあげているものの、
☆くんにとってもっとも必要な感情の発達を伸ばす教育が
手薄になっている感じはあるのです。
それで、☆くんは人一倍「感じる」けれど、
それを自分の中できちんと位置づけることができない…
コントロール不可!!
の状態に陥っているようなのです。

教室では、競争心が強く知能の高い下のお子さんに圧倒される
一人目のお子さんがよくいらっしゃいますが、
たいていの場合、
下の子が表面的な他人との競争にポイントをしぼったことに興味を抱いているのに対し、
一人目のお子さんは、競争を好まず、質が高く繊細な趣味や好みを持っています。
ですから、外からは差が見えても、実は同じように高い能力を持っている場合がほとんどです。
周囲が安易に評価しなければ、
どちらの子も個性的に輝きだしますよ。


 
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