ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

IQ144 の軽度発達障害の4歳の子 2

2008-05-06 22:39:43 | 学習障害児の親子レッスンから
(私のミスで、IQの検査結果の書き間違いがありました。130→144です。)

4歳の時点で、それまで目立っていた問題がほとんど見られなくなり、
知能面も対人関係も申し分ない☆くんを
はたして発達障害児と呼べるのか?
親御さんにもとまどいがある様子でした。

ただ、この☆くんには、個性の範囲内で、
アスペルガー症候群やADHDの子にありがちな特徴が
少しずつは見られました。
大変記憶力が良く、周囲のものが忘れても覚えているところ。
(ストレスを溜める原因になります)
知能に対して、社会性に幼い面があって他人の言葉を鵜呑みにするところ。(いじめられたり、事件に遭いやすいです)
簡単なものと、苦手なものが混ざっていると、できる部分もできなくなってしまうところ。(能力があるのに、いきなり勉強ができなくなったりします)
いじめられたときに、自分で解決するすべを持っていないところ。
などです。

それらは、幼児や4歳児の特徴でもありますが、
☆くんの場合、一般的な4歳児よりそうした傾向は強いように感じました。
また、
虹色教室に来る前日に、科学館に行かれたらしいのですが、
あまりに夢中になって、
2時が過ぎても食事もほしがらずに科学の実験機械に熱中していたという
エピソードをお聞きしました。
それに対して、療育の場での障害の重い子以上に集中できなかったという
エピソードとの落差は、
やはり軽度発達障害の子ならではの
もののように思いました。

私は、レッテルを貼る意味ではなく、
☆くんの才能を存分に伸ばすために、
これから先、大きくなっても、
軽度発達障害という視点を持って、
☆くんがぶつかるであろう問題を解決していく方が、
良いように思いました。
軽度発達障害の子はたとえ頭がとても良くても、
他人にだまされやすかったり、
まじめすぎてストレスをひとりで抱え込んだりします。
そうしたときに、
ふつうになんでもこなせるからと、
周囲がその子の困難を軽く捉えていると、
「え、なぜ?」
と首をかしげるような理由で、
社会からリタイアしてしまう場合もあるからです。

☆くんのような状態の子に、
○○障害とつく診断名を押し付けたり、
そういったまなざしで見ることに抵抗のある方は多いと思います。

それでも乳幼児期にあきらかな発達の問題があった場合、
軽度発達障害は 病気のように治るものではなく、
一生つきあっていく脳のタイプだとわかっていた方が良いのではないでしょうか?
そうしてていねいな子育てをしていけば、
その子の持つすばらしさは、
大きく花開くものと思います。



 
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IQ144の軽度発達障害の4歳の子 1

2008-05-06 16:36:44 | 学習障害児の親子レッスンから
(私のミスで、IQの検査結果の書き間違いがありました。130→144でした。)

☆くんは4歳の男の子。
2歳前に「軽度発達障害の疑いがある」と診断され、
4歳になるこれまで、療育教室に通い、
保育所や家庭で、楽器演奏や学習などさまざまな取り組みを
してきたそうです。

検査のために測った知能指数は、病みあがりの体調が悪い時に受けさせたため
途中できちんとやらなくなったにもかかわらず、
IQ144というかなり高い数字だったそうです。
「これからどうした点に注意して育てていったらよいのか、ヒントをもらいたいと」
遠方から親子レッスンにいらしてくださいました。


☆くんとは、はじめ、積み木やロックンロールプラスといったおもちゃを使って、ピタゴラスイッチに似た遊びをいっしょにしました。
☆くんの遊ぶ姿からは、さまざまな場面で、
IQの高さがうかがえました。
ただ単にビー玉転がしという遊びを超えて、
傾斜を工夫したり、先を予測したりして、熱心に組み立て続けます。
まるで物理の運動の研究をしているように、遊びを展開していました。

「ピタゴラス」という「9歳~」のゲームを教えたところ、
すぐにルールをマスターして、
楽しく遊べました。
また小学校受験の問題も、
中でも難問に分類されるものを、てきぱき答えていきました。

☆くんは、おだやかで優しい性質で、
保育所でもお友達と遊べているようですし、
虹色教室でも、私と協力しあいながら遊べています。
強いこだわりや、感覚過敏も見られません。
会話もごく普通の4歳児です。
多動もみられず、集中力は一般的な4歳児より高めです。
「心の理論」も理解できている様子です。

なら、どこが発達障害…??
と疑わしいような様子なのです。
☆くんの母さんのお話では、
1~3歳の時は、いっときもじっとしておらず、
高いところにのぼっては、陶器の皿などを割っていったり、
療育の場でも、ひとりだけ落ち着きなく動き回ったり、と
とにかく限度を超えた多動があったようなのです。
他にもたくさん発達障害の兆候があったそうです。

☆くんは、早期の療育等のおかげで、
良くなったのでしょうか?
今は問題がないのですから、普通の子として育てていけば良いのでしょうか?

少し長くなったので続きは次回に書きますね。


 
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☆ちゃんの算数セット

2008-03-22 13:13:06 | 学習障害児の親子レッスンから
算数にLDのある☆ちゃんとお母さんが 
算数を学習するセットを作ってきてくれました。

100円ショップのマグネットシート
ホワイトボード用のマジックとシート
透明ファイル
トレイ
などで とてもきれいに作ってありました。

写真右の女の子のイラストは
1+1から10+10までの計算を
頭の中にしっかりイメージさせていける教具です。
硬質のファイルの上から ホワイトボード用の赤マジックで
女の子の手や足の指に色をつけて学びます。
(ホワイトボード用の消す道具で簡単に消えます。)

7+7でしたら
右手の指全てと右足指2本
左手の指全てと左足指2本
に色をつけます。

そしてまず 「手と手を足して…10!」と言ってから
「足の2と足の2で…4!!…7+7=14」
と計算します。

頭の中にイメージが定着するように
同じ塗り方をした方がいいです。

こうした教具をお家で作って遊ぶうちに
☆ちゃんは くりあがること 両替することが
少しずつわかってきたそうです。
 

 
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元気になった☆ちゃん♪ 10の合成を学びました。

2007-12-16 17:27:11 | 学習障害児の親子レッスンから
今日は算数のつまずきから
全ての教科に手がつけれなくなっていた
☆ちゃんの学習日でした。


記事1→☆
記事2→☆
前回までは 元気になってきたとはいえ
2つ年下の妹さんに
ほとんどリードされながら 何とか学習している感じでした。
けれど 
今日は しっかりものの妹さんと同等に‥
時にはリードしながら
学習ゲームに熱中する☆ちゃんの姿がありました。

☆ちゃんは 足し算が全然できなくなっています。
今 2年生なので
くりあがりの足し算の基礎となる10の合成を
ゲームで学びました。

写真のケーキやさん遊び♪

大判トランプ(100円ショップ)の1から9までの
カードを使います。
向かい合って トランプを5枚ずつ配ります。
デコレーションボール(100円ショップ)を
マークの上に乗せていきます。

相手のケーキの数と自分のケーキの数が
合わせて10になったら
オーブン行き♪
そうっと それらをテーブルから降ろして
次のトランプを配って5枚ずつにします。

LDのある子とゲームをする場合
勝ち負けよりも
その過程が ごっこ遊びのような楽しさが感じられるように
するといいです
ゆっくり楽しみながら
覚えられるからです。
わからないときは 手を見せて 何度もヒントを与えます。
☆ちゃんは 夢中で
それは根気良く遊んでいましたよ♪

今日はこれ以外に 時計の読み
大きな数を学ぶゲーム
かけ算ゲーム 
漢字の学習をしました。

元気に笑顔で帰っていった☆ちゃん♪
また来年 遊びに来てね。


元気になった☆ちゃん♪

2007-12-08 19:27:31 | 学習障害児の親子レッスンから
今日は
算数のつまずきから
何もかもできなくなってしまった☆ちゃん


2度目のレッスンの日でした。
半月ぶりに会う☆ちゃん
生き生きした明るい表情で勉強に取り組んでくれました。
お母さんの話では
2の段を覚え
ゆっくりでも自分からチャレンジする様子が
見られるようになったそうです。

☆ちゃんと 
升目にいちごのおもちゃを入れながら
掛け算をとなえる学習。
くりあがりを学ぶ
9人乗っているバスにあとから○人来た!という学習。
それを発展させてする2桁のたし算の学習。
5,10,15,20‥と言いながら
時計の分の読み方を学ぶ
立体図形の模型でゲームをしながら
辺の数 面の数 上から見た図 横から見た図を学ぶ
写真の折り紙で図形を作る学習
をしました。
どれもきちんと課題をこなせた☆ちゃん
自信に満ちた笑顔で帰っていきました。

算数のつまずきから 何もかもできなくなってしまった☆ちゃん(2)

2007-11-25 21:09:02 | 学習障害児の親子レッスンから
磁石で玉を吊り上げる遊びや
ドンジャラのこまを使った遊びをしながら
☆ちゃんがつまずきのきっかけとなった問題を出題していきました。

76は10がいくつで 1がいくつ?

の問題。

「36は10が3で 1が6だね。
46は10が4で 1が6だね。
56は10が5で 1が6だね。
76は10がいくつで 1がいくつ?」
とまず妹さんにたずねます。
まだ幼稚園児ですが ちゃんと答えれました。

もう一度 同じ説明を繰り返して
☆ちゃんにも たずねます。
不安そうにお母さんを振り返ります。

でも そうして遊びを続けるうちに
☆ちゃんが小さな声で答えを言うようになりました。

かけ算をとなえながらゲームをした時も
しばらくすると
☆ちゃんも小さな声で答えを言うようになっていました。

やはり☆ちゃんは ちゃんと現在の学習にもついていけるだけの
能力を持っているのです。
でも 他の子よりも時間がかかり
多くのフォローが必要なのですね。

学校の現場では
まだまだ発達障害児や学習障害児への支援は
消極的です。
クラスの子と足並みをそろえて進めない子は
☆ちゃんのように
いつまでもできないまま
取り残されてしまいます。
少し時間をかけて 丁寧に説明してあげれば
できるというのに‥
しまいには そうしたことから来るストレスや不安感で
どの教科もできなくなってしまうこともあるんです

算数のつまずきから 何もかもできなくなってしまった☆ちゃん

2007-11-24 18:52:32 | 学習障害児の親子レッスンから
☆ちゃんは2年生。
1年生の終わりごろから元気が無くなり
勉強に手がつけられなくなったようです。
春に検査を受けて
学習障害がわかったそうです。

ある時から
☆ちゃんは 学校では座っているだけで
授業に参加している気配が見られなくなりました。
算数だけでなく
どの教科もまったくできなくなってしまったそうなのです。

けれども☆ちゃんは
最初から こんなにできなかったわけでは
ないのです。
お母さんがファイルして持ってきてくださった
1年生のプリントは
どの問題も丁寧な字で埋められています。
「とても時間がかかった」と言うお話でしたが
文字の誤りもなく
計算もきちんと解いているのです。

それが まったくできなくなるなんて‥
思わず「頭を打ったとか 高熱が出たとかいうことは
なかったのですか?」とたずねてしまいました。
「何もありません。
算数がわからなくなり‥それから
何もかもできなくなってしまった。」と言う
???な状況が起こっているだけなのでした。

けれど
☆ちゃんが おびえきった表情のまま
何をたずねても
お母さんの顔を覗き込んで無言でいるので
正確な能力は
はかりかねました。


そこで お父さんと別の場所で待っていてくれた
妹さんに教室に来てもらって
いっしょに
学習ゲームに参加してもらうことにしました。
これは大成功!
次第に元気を取り戻し
算数の問題にも取り組みはじめました。



少し長くなるので 続きは次回に書きますね。