ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

何分のいくつ何割の概念は理解できるのですが、複雑な文章題で困ってしまいます3

2008-11-30 23:24:16 | 算数
裏面です。

表の問題が、全体を1と捉えた時、
どう表されるかだけを取り出してあらわしています。

1時間の4分の1
2キロメートルの4分の1などが問題になります。

こうしたカードで、100円の2分の1
1000円の2分の1
10000円の2分の1
のように比べやすいものをいくつか作ると、
全体を1と捉えることの意味が少しわかってくるかもしれません。

材料は、100円グッズです。
50枚100円のカラー名刺と、細長いタイトルシールを
使っています。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

何分のいくつ何割の概念は理解できるのですが、複雑な文章題で困ってしまいます

2008-11-30 21:55:40 | 算数
コメント欄で算数の教え方についてのご質問をいただきました。

何分のいくつ、何割、の概念は理解できるのですが、少し複雑な文章題になると困ってしまう。
全体を1とする、という基本を認識しずらい、ということだったので、そこを押さえてみようとも思うんですが・・・1に対して、こちらの物差しで18分の12になるなら、あちらの違う物差しでも18分の12になるというところで混乱するみたいなんです。

家から図書館まで歩くと30分かかり、走ると18分かかる。12分走って残りを歩くと、残り何分歩いたことになるか。という問題です。


この問題は大人でも頭がこんがらがってしまう問題ですね。

家から図書館までをあらわす一本の線を引いてみます。

頭がごちゃごちゃにならないように、この線を18分で走ることだけ考えます。
線を18に分けて、18分の1の歩幅の走る人形を別の小さな紙に書いて、
線上を動かしてみます。(写真)

1分~2分~3分~18分で図書館にゴールできましたね。

それでは、問題。
今度は、
12分のところまで走らせてストップ!!をかけます。
線の下に足跡代わりに12本の矢印を描いておくとわかりやすいです。

まだ、図書館まで距離がありますね。

子どもに「遠いね~。そんなことないか、あとちょっとか…じゃあ、今から
歩く人形に変えて進むよ」と話します。

歩く人形は30分の1(30分で図書館につく場合、1分で進む距離)
「ちょっとしか進まないね~とろとろしてるね…」と感覚をつかみやすくする
言葉をかけます。

そこからの理解は、とても難しいです。
18分の6という距離は、30分の1という距離の何個分か?

一番わかりやすいのは、分母をそろえてから考える…という方法です。

18分の6は3分の1で、30分の10ですね。

30分の1が10個分で18分の6という量になりました。
だから、残り歩いたのは10分です。

といっても、最後の部分???でよくわからない…
という子もいるはずです。

そんな時には、
写真の下側に2枚並べているような、
わかりにくい部分だけ取り出して学ぶシートを何枚か用意してみると
わかってくるかもしれません。

3分の1とは、8分のいくつのことなのか…
分母をそろえて、線を分けていきながら、目で見てわかるように整理します。

2分の1に分けたケーキは、4分の1に分けたら、
2個もらわないとダメだ!損になる~

私は、算数を教えるときに、子どもの日常の感覚に訴えるように
しています。
「損やなぁ~」「ちょっとやんか~」「ずる~」といった
言葉を加えると、子どもの理解力が急に上がったりします。

たとえば、100円の2分の1も、1000円の2分の1も
同じように捉えている子には、
そんな方を選ばせて、これは損だ、こっちは同じ2分の1でも大きい…
と感覚でわからせると、
後で計算を教えると、間違いません。

それにしても…今回の問題は、算数が苦手な子には
かなり難しい問題のように思います。
もしまだ引っかかる…と言うようでしたら、もう少しくだいた形で説明しますね。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

軽度発達障害について祖父母に伝えるとき

2008-11-30 13:18:47 | 番外
ADHDや広汎性発達障害の特徴を持つ幼児を育てておられる
お母さんが、
病院を受診したり
療育に通い出したりしはじめたりするとき、
それに反対してひどい言葉を浴びせる祖父母が少なからずあるそうです。


また、たまにしか子どもに接しないお父さんは、
お母さんがいくら説明しても
「子どもなんてこんなもんじゃないか?
いちいち小さなことにオーバーだな…」と
話半分にしか聞いてくれないこともあるようです。

そして、そんなお父さんの口から祖父母の耳に入った
病院の受診や療育の話が、祖父母の怒りに触れて…

「自分がきちんとかまってあげないから、子どもが遅れているのに、
子どもを変な病院に連れてくなんて…かえって
この子がおかしくなってしまいますよ!」
「しつけができないからって病院にいくなんて…
子どもがかわいそう…」
といった一方的にお母さんを傷つける言葉をぶつけてしまうようです。

祖父母にはないしょで、病院や療育に通っている場合、
しつこく「早くトイレトレーニングをしないと大変なことになる」と
繰り返されたり、
「ちゃんとしつけをしないと将来大変なことになる」と
おどされたり…と、
それはそれで、口を開けば育て方に文句をつけられて
心身ともにまいってしまうお母さんもおられます。

軽度発達障害に対する誤解はまだまだ減りません。

親子レッスンに通っていらっしゃる
多動と広汎性発達障害の特徴をあわせ持つ
3歳になる☆くんのお母さんは、児童館のイベントに参加するたびに
祖父母世代の館長さんから
「もっと厳しくしつけをして、言う事をきかせないと…」
「お母さんのしつけは間違っていると思う」など
と注意を受けるそうです。☆くんのお母さんは、ていねいにお子さんにかかわり、根気よくしつけに取り組んでおられる方です。
しかし
☆くんは、現在、非常に激しく多動の部分があらわれていて、
一日中めまぐるしく、動き回っていて、
お母さんが言葉をかけても、聞こえていないかのように
活動を続けているのです。
衝動的で危険な行動も多いため、
☆くんのお母さんは、☆くんが寝た夜中にせんたくや家事をしているのだそうです。
☆くんが起きている時間は、
絶え間ない多動と、こだわりやパニックの連続で
お母さんは一息つく暇もないのです。
座らせようとしたり、注意をしたりすると、たちまち大きなパニックを起して
騒動になります。(それでもお母さんは、ダメはダメとして教えていっています)

☆くんのお父さんも祖父母も、☆くんを軽度発達障害児としてとらえることに
抵抗があるそうです。
そのためさまざまな問題は見て見ぬふりをされてしまい、
☆くんを育てる大変さは
全てお母さん一人の肩に覆いかぶさっているようです。


私は祖父母世代の方々や世のお父さん方に
軽度発達障害についての正しい知識が浸透することを願っています。

本当なら、一番助けになってくれるはずの人が、
もっとも厄介な攻撃を加えて、
子育ての邪魔をしている現状は
残念でならないからです。

社会性の発達が遅れるってどういうことなのか?

軽度発達障害は、生まれつきのもので、
育て方が原因でなるのではない

それらを正確に理解するだけでも、難しい子育てに奮闘するお母さんに、
心ない言葉を投げるのではなくて、

自分には何ができるのだろう、どんな援助ができるだろうか、

と考えをめぐらすきっかけとなると思うのです。


にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

前回の補足です♪

2008-11-29 13:05:05 | 算数
手の甲に
「さんいちがさん~さんにがろく~」と唱えながら、
小さなお人形を乗せています。
かけざんを覚える時は、さまざまな方法でチャレンジしてみると
相乗効果で覚えられるようになってきます。

この日☆ちゃんは、子どもたちの声で吹き込んだ
かけざんのカセットテープを聞きながらまねすることもしました。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

かけざんを覚えるのがとても楽しくなる教具の作り方 4

2008-11-29 12:57:08 | 算数
表です。

サイドの切り込みはもう少し上にずらした方が良いです。
裏うつりして答がわかってしまうのが気になる方は、
裏面に紙などを貼ると良いかと思います。

左が問題 右が答でバラバラになるように書きます。
問題や答えの横に切り込みを入れます。
右上に穴を開けて、問題を全て解き終えるのに必要な長さの毛糸を結び付けます。

糸は後ろから回して、左の一問目からスタート。
答えに引っ掛けては裏を回って、次の問題のところに糸をかけます。
すべて解いたら、ひっくり返し、
糸が裏の答えどおりに交差しているかを調べます。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

かけざんを覚えるのがとても楽しくなる教具の作り方 1

2008-11-29 12:43:35 | 算数
前回の記事に、さまんささんから分数についてのご質問をいただいています。
ご質問の内容(ただ3分の1であることと、50分の3分の1であることのつながりがわかりにくい…といったことですね)は定型発達の子にもとても難しく感じる問題です。
認知に困難を抱える子が、それを理解するための楽しめる教材を折り紙ででも作ってみようと思います。少しだけ待っていてくださいね。


今日は、かけざんの九九を覚えることに困難のある小学生の☆ちゃんのレッスンでした。
☆ちゃんは数を扱うこと全般が非常に苦手です。
遊ぶことには熱中できる子ですが、
かけざんを唱えているようすを見ると、3つほど唱えたところで集中力がとぎれて
ぼんやりしています。

今日たまたま、
知人にいただいた海外の糸を巻きながら問題を解いていくパズルをしてもらったところとても喜んで熱心に取り組んでいたので、
さっそくそのパズルの形状を真似て、
かけざん用の教具を作ってみました。

すると思ったとおり、☆ちゃんにヒットしました。
かけざんを唱えながら、熱心に解いています。
最後まで集中して取り組み、再度やりたがりました。

作り方や、パズルの見本は次回に書きますね。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

正義のために戦っているつもりが、言葉の暴力や暴力行為となってしまうとき 4

2008-11-28 18:38:49 | アスペルガー症候群
最初に紹介させていただいた幽冥土さんのホームページに、

PDD(広汎性発達障害)の人はAちゃんが心のよりどころにした「1+1=2」を正義や道徳 に求める人は多いです。
「1+1=2」が正義や道徳に変わっても学校や会社でうとましく思われることが多いでしょう。

「シングルフォーカス」で状況がつかめないとAちゃんのように被害妄想にも陥りやすいのです。
怒りに「シングルフォーカス」して気がついたら法律を破る暴力をふるっていることだってあるのです。

殴る蹴るだけが暴力ではありません。
例えばネット上で悪い人に対して正義の戦いをしたつもりでも、いつの間にか常識や法を破る(=暴力)ことになってることがあります。
どうして自分が”掲示板荒らし”と言われるのかわからないときは落ち着いて客観視してみましょう。


PDDであるかないかにかかわらず、
ネット上で、掲示板を荒らしたり、他のブログにけんかをふっかけたり、
かなり前にうちのブログでもあったのですが、
コメント欄にしつこく相手を攻撃する内容を書き込んだりする行為のうしろには、
この
「シングルフォーカス」という「一つの事柄から思考が離れない」状態が
あるのでしょうね

周囲の目にはズレてうとましくしくうつっていても、
本人はシングルフォーカスゆえに、
周囲の状況が読みづらいので正しいことを言っている、やっていると思っています

Aちゃんの「1+1=2」は、
人によって、規則だったり、
ある知識だったり、
その人が常識と信じるものだったり、
正義だったり、
道徳だったりします。

「正しさ」というのは、
状況によって変ります。
「1+1=2」のように永久不変に思える正しさであっても、
「国語の時間に連呼する」という行為がともなえば、正しくないものになってしまうのです。

そうした「暗黙の了解」の上に成り立つルールを
広汎性発達障害の子に伝えていくのはとても難しいです。

広汎性発達障害の子や人は、勉強家でたくさん知識をたくわえている場合も多いです。それで、
相手が自分の話に関心を持っていない場合でも、
何十分も話続けたりするようです。
相手が自分をどう捉えているかがわからないのです。

相手が自分の話に関心を持っていないのに
長時間その話を続けていると、
当然嫌がられたり、困った表情をされたりするのですが、
そこで、
「この人は、自分の話を理解する能力がないバカだから、
何時間も喜んで私の話に耳を傾けようとしないのだ」と思い込んだり、
実際、言葉にして相手にそれをぶつけたりしてしまう場合があるようです。

勉強家だったり知識をたくさん蓄えたりしていることは、
本来「良いこと」です。
でも、↑のような状況では、
とても良いこととは言いがたいですよね。

実は、定型発達の親や大人であっても、
正しい事が、状況や使われ方によって正しくないということや、
暗黙の了解は、
何となくわかる…ものですから…
意識したり言葉に表すのは難しい…という方は多いです。

そのため、広汎性発達障害の子がトラブルを起した場合、
そうした言葉にしにくいものを
きちんと説明して、理解させている方はほとんどいないようです。
子どもに字義通りの理屈を並べられると、
「そうかなぁ…?」と、奇妙に感じながらも、
納得してしまう場合があります。

思春期ぐらいの子になると、
何を注意しても「ぼくは感情論は相手にしません~」なんていう…
叱っている親に使う言葉にしては???な
返答を繰り返す場合もよくあるようです。

私は、幼児のうちから、

普遍的で正しい事実も、
状況や使い方次第で正しくなくなることもある

ということを、経験の中で、その都度ていねいに教えていって
あげること

がとても大切だと感じています。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る







正義のために戦っているつもりが、言葉の暴力や暴力行為となってしまうとき 3

2008-11-27 13:42:30 | アスペルガー症候群
前回の記事に、5歳のグレーゾーンの男の子を持つお母さんからコメントをいただきました。虹色教室に遠方からいつも足を運んでくださっている方です。
お子さんは、多動が非常に激しかった時期があり、広汎性発達障害の特徴も出ていたようですが、今はそうした特長も良い個性として見えるほど成長しています。
IQが非常に高く、病院で測ったところ140以上あったそうです。社会性の発達もめざましく、きちんと周囲の期待に応えていくことができています。

(コメント)
なおみ先生の文を再度 読み返してみて
思い出したことがあります。
現在 グレーゾーンと思われる5才の息子は、
2歳4ヶ月位から保育園に通い始めました。

園で息子が受けていた指導は、なおみ先生がお話されている
ことに似ている気がします。

『認知の誤りに気付いたら、
いろいろ言わず、「何がわるいのか、
どうすればよかったのか」を伝えるがとても大事です。』

園では、悪い行動があると、保育士が 「どうしてしかられたかわかる?」
「どうしたらよかったの?」「こんどからどうしたらよいかな?」
などと尋ねます。

その後、園児の話を聴き、本人の求めに応じて 抱きしめるようです。
こうしたことも息子がめざましく成長した理由のひとつなのかなと
再認識しました。


このお話を読んで「あれこれ言わずに…」という部分は、
非常に大切なキーワードだと感じました。

前回紹介させていただいた幽冥土さんのホームページに…

PDD(広汎性発達障害)とは思考があるところで留まりやすい障害です。
これは思考が停止しているということではなくて、自分が今判断している状況や考えから抜け出しにくいということです。
すなわち頭の切り替えが難しい障害です。

とありました。

この「頭の切り替えが難しい…」
のが、広汎性発達障害の子の多くのトラブルの原因なのですが、

トラブル後も、「頭の切り替えが難しい…」ために

親や先生が最初に発した言葉や、問いにとらわれてしまって、
肝心の何が悪かったのか、次からどうすればよいのか、
が考えられなくなってしまうことが多々あるのです。

ですから、広汎性発達障害の子が問題を起した場合は、
反省させたり、謝罪させたり、どうしてそんなことをするのかと問いただしたり、
罰したりする前に、
(定型発達の子がトラブルを起した時、一般的にする対応ですが…)

まず「教える」「理解させる」ということを最初に意識して、
対応していくことが大事だと思っています。

以前、こんなことがありました。
グレーゾーンの男の子が、悪さをしたので、親御さんがおこづかいの一部を取り上げました。その子が私に向かって繰り返しぼやいていたのは、
「おこづかいって言うのはさぁ、親が子どもにあげるものでしょう?でもぼくのお母さんは、子どもから親にお金が行くようにしてるんだよ。方向が逆でしょ。おかしいでしょ。親から子どもじゃなくって、子どもから親なんだから!!」
あんまり熱くなって、それを繰り返すので、本人がした悪さの内容(かなり悪いことです)についてたずねてみました。
すると、急に熱が冷めたように「わからない」と答えました。もう半分忘れてしまったような様子です。
言葉の定義や、自分の狭い考えにとらわれてしまって、そこから抜け出せないのです。

引っぱりますが次回に続きます。

にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

正義のために戦っているつもりが、言葉の暴力や暴力行為となってしまうとき 2

2008-11-26 14:42:38 | アスペルガー症候群
広汎性発達障害の子が、シングルフォーカスゆえに起す暴力と、
一般的なやんちゃくんやADHDのみがある子が起す暴力は
別物として捉えて、
全く同じ対応をしていてはいけないと考えています。

それって差別では? どちらかをえこひいきすることになるのでは?
と考える方もいるでしょうね。
それに普段、園や学校では全く同じ対応になっているのでしょう…

どうして、暴力自体は同じなのに、別物と捉えなくてはならないのでしょう?

私が思うに
やんちゃくんにしてもADHDの子にしても、衝動がおさえ切れなくて
暴力行為に至った場合、自分のしたことが良いことか悪いことかは
わかっている場合がほとんどです。
家庭環境のせいで、善悪の区別がきちんとついていない子でも、

それを「正義の戦い」と捉えて

行為に及んでいることはまずないと思います。

前回の例で紹介したAちゃんが、
お友だちにつかみかかってけがをさせたような事件が学校で起こった場合、
先生や周囲の大人は、Aちゃんを
「ふだんは良い子なのに突然キレる現代っ子」というくくりで
眺めてしまうかもしれません。

実は、Aちゃんの内面では、周囲からは「キレた」と見えている時も
まだ、

「規則を守る正しい行為の為に、正義の戦いをしている」わけです。

周囲の状況が読めていないので、
Aちゃんにとっては…あくまでAちゃんの心の世界からするとなんですが…

「キレた」という暴力行為は存在しなくて、

規則を守らない悪い子達が当然の制裁(罰)を受けた

という事実だけが存在するのです。

「正しいことを言ってるのにどうして怒るの。お友だちだけじゃなくて先生まで。おかしいよこの学校」

極端な事とは、「1+1=2」は正しいことなのにおかしいと言ったことです

悪いことをしたのだからケガをしてもあたりまえだと思ってたのでした。

という部分からも、Aちゃんが最後まで正義の戦いをしていて、
叱られても正確に出来事を把握できていないことがわかります。

虹色教室で起こった↓のようなトラブルでも、トラブル主くんは、本来 素直で規則を良く守る子です。
それが問題行動のさなかにも、その行為のどこが悪いのか正確に理解できなくて、
相手の誤りを罰しようという正義感のために、事がエスカレートしてしまうのです。

☆グレーゾーンの子、アスペッ子がトラブルを起したとき…1

☆グレーゾーンの子、アスペッ子がトラブルを起したとき…2

それでは、広汎性発達障害の子がシングルフォーカスに陥って
暴力に至った時は、どうすればいいのでしょう?


にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る

正義のために戦っているつもりが、言葉の暴力や暴力行為となってしまうとき

2008-11-25 15:28:47 | アスペルガー症候群
NPO京都ハートネットワークさんの淡路島旅行で、幽冥土さんとおっしゃる成人の広汎性発達障害の方とお話しました。
ホームページを開いておられるということだったので、帰宅後、読ませていただいたところ、
非常に参考になる内容でした。
特に興味深かったのは「シングルフォーカス」についての解説です。

☆簡単なシングルフォーカスの例 として、
「シングルフォーカス」で周囲で起こっていることがわかりにくいAちゃんという小学生の子どもの話が取り上げられています。(くわしい内容は↑のブログでどうぞ)

1+1=2は絶対に正しいことだから、それを唱えることが大好きなAちゃん。
算数の時間に連呼するのはまだ良かったのですが・・・ 国語→音楽→図工→・・・と科目が変わっても「1+1=2」の話をしてばかりでした。
うんざりした先生やお友だちが「Aちゃん。わかったから1+1=2の話はもうしないでね。」 と言うと、

「正しいことを言ってるのにどうして怒るの。お友だちだけじゃなくて先生まで。
おかしいよこの学校」
と判断をくだしてしまいます。

数少ないお友だちの一人のBちゃんに「みんないじめるんだよ!」と言うと、
「みんなAちゃんがうるさかったから言ったんだよ。いじめじゃないよ。
休み時間でもみんなゲームの話しているのに1+1=2の話ばかりしてちゃダメだよ。」と言います。

AちゃんはBちゃんの言葉を「極端な悪いこと」と受け止めます。
極端な事とは、「1+1=2」は正しいことなのにおかしいと言ったことです。

「シングルフォーカス」で周囲の状況がつかめないAちゃんは、
CちゃんがBちゃんに入れ知恵したと感じます。


BちゃんとCちゃんに掴み掛ってケガをさせます。

Aちゃんは気がついたら先生に怒られていました。
「Aちゃん!自分の言うことを聞いてくれなかったからってケガさせちゃだめでしょ!あなたは規則を守るの子なのにどうしてこんなことしたの!」


正義の戦いをしたと思っていたAちゃんは悲しくなりました。

BちゃんもCちゃんも悪いことをしたのだからケガをしてもあたりまえだと思ってたのでした。

Aちゃんはみんなから仲間はずれをされるようになりました。


シングルフォーカスゆえのこうしたトラブルは、
周囲から広汎性発達障害の子が一方的に悪いと決め付けられて
終わりがちです。

規則を守らないお友達の手をひねって罰した
アスペルガー症候群の特徴を持つ幼児さんが、
その子だけが先生から叱られ、
お友だちにも避けられてしまう…
といった話は、たびたび耳にします。

いくら正しいことでも、その場の状況や自分のすることの内容によりけりで
間違ったことにもなってしまう

ことを理解する事が難しいのです。

テストの点や勝負の勝ち負けにこだわるあまりに
(ランキングの順位なんかもありますね
シングルフォーカスゆえに、競争相手をののしったり馬鹿にしたり
周囲から客観的に眺めると???な行き過ぎた行為に走って
自分の価値を大いに落としてしまう事をしてしまう

といったトラブルも学童期によく聞くトラブルです。

淡路島の旅行で発達障害の当事者の方々から
このシングルフォーカスについて、さまざまな具体的な事例を
教えていただきました。

ちょっと長くなりすぎましたね次回に続きます。



にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る



すべてがあいまいなままハンディーを持つ幼児を育てる親の困難

2008-11-24 11:17:13 | アスペルガー症候群
NPO京都ハートネットワークさんたちが企画されている
淡路島旅行に行って来ました。
身も心もリフレッシュできるすばらしい旅行でした。
kyotoさん、良い機会を与えてくださってありがとうございます。

旅行先でも話題になったのですが、
今、医師は軽度発達障害の診断をくだすことに
非常に慎重になっているようです。
2年くらい様子を見て、ようやく診断にこぎつけるか、
いくつか症状が出ていても、はっきりとしたことは告げられないままになってしまったり…。

それには、これまでは医師の間でもきちんとした広汎性発達障害についての
知識が共有されていなくて、誤診も多かった…という事情があるのでしょう。

診断に慎重になること自体は
もっともなことで、
誤診を防ぐ上で大切なことなのですが…

何か釈然としないものが…

たとえば感覚過敏やこだわりが強くて、買い物に連れて行けばパニックを起し
幼稚園に通わすと集団になじめていない様子…
そんな子がいたとして、
親御さんがどうやって子育てしたら良いのかわからなくなって
周囲の勧めもあって
意を決して医療機関を訪ねたとします。
そこで
医師に告げられるのが
「様子を見ましょう」だったり、「まだはっきりしません」だとしたら、

「診断にくるほどのことじゃなかったのかな? うちの子には発達障害がないんだな」と早とちりする方もいるでしょうし、

診察するように勧めてくれた幼稚園の先生や周囲の人に「うちの子は発達障害なんかじゃありませんでした」と報告する人もいるでしょうし、

やっぱり自分の育て方に問題があったんだ…と悩む方もいるでしょう。

「まだ気になる事があるから」と複数の医療機関を訪ねて
お金や労力を消費する方もいるでしょうし、
何をすれば良いかわからなくなって、わが子を叱ってしつけていくしか手がなくなる方もいるでしょう。

さまざまな人から聞いたところ、幼児期の診断があいまいなため、ADHDの子へも知的障害の子へもアスペルガー症候群の子へも同じような対応、同じような働きかけになっている療育の場が多いのだそうです。
それに
親御さんが子どもへの接し方を学ぼうにも
何を参考にすればよいのか、
わからないままになってしまいます。

「様子を見ましょう…」と言われて待つうちに、
そのまま病院から足が遠のいてしまう方もいるでしょう。

アスペルガー症候群の診断が正確にくだせるのが学童期だったとしても、
学童期から急に特徴が現われるわけではないんですよね

学童期にアスペルガー症候群と診断される子は、
幼児期だってアスペルガー症候群の子だったわけです。

医師が診断名をつけにくかっただけで、本人のハンディー自体は
かわらないのです。
本人がこだわるものを無理やり取り上げたり、
感覚過敏の子に、叱り付けて苦痛を我慢させても良いわけではありません。
診断の有無にかかわらず、
特徴をよく観察して
アスペルガー症候群の子に適した対応をとらなければならないはずです。

とすると…何か…不親切なんですよ…
世の中の親が、みんながみんな、医師が言葉をにごして何も言ってくれなくても、
自分で本やネットで調べて、
子どもに良い対応をスピーディーにとれる人ばかりじゃないと思うんですよ…。

医師が「様子を見ましょう」と言うのは、今の医療に
こうした事情や線引きがあるからで、
子どもの問題が軽いからではないんだな…と理解する人もほとんどいないと思うのです…。

すべてがあいまいなままハンディーを持つ幼児を育てる親は、本当に大変です。
医療機関にしても、市の教育センターにしても、
その大変さをよく踏まえた上で、
アドバイスをしたり療育のシステムをととのえていって欲しいな!
と思っています。


にほんブログ村 教育ブログへ


web拍手を送る