ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

障害によって言葉の発達が遅れている子の言葉を育てる♪

2008-06-17 09:23:40 | 重複児
昨日、小脳に水が溜まる症状で、
成長に遅れの出ている4歳の☆くんの親子レッスンでした。

私は医者ではありませんし、
言語治療の専門家でもありません。
けれど、子育てや教室の子と関わる中で身につけた

その子をよく観察し、遊びを通して成長を促す

というアプローチで、さまざまな難しい症状が改善されるのを
実感してきました。

☆くんが、「パパ」「ママ」「もも」しか
言葉が出ていないという問題に、私なりに何か解決法を
見出せないか…?が今回のレッスンの課題でした。

親御さんのお話を聞くと、
☆くんは扁桃腺が大きくて食べ物をのどに詰まらせてしまうため、
食べ物を噛まなくていいサイズにしてもらっているため
あまり口を動かしたことがないということでした。

そこで、☆くんにおもちゃのろうそくを吹くまね「フゥーフゥー」
というのを教えると、何度もまねし始めました。
そこで「ふ」の口の形ができたところで、
「フゥーフゥーふーね。」
と全身で大きなリアクションを取りながら教えました。

また、両手で拳を作って、
「ん~!!ん~!!」ときばることを(下品でごめんなさい)
教えるとまねし始めました。
そこで、パパが言えるので、「ぱ~ん~!!だ!」
と繰り返し教えました。

子どもが真似しやすい口のしぐさに、
インディアンのまねがあります。
「アワワワワ~」とくちを片手でたたきます。
その後、「わ~に!わ~に!」「わんわん」
などを教えます。

ちっちっと下を鳴らしたり、ほっぺたをふくらまして「ぷー!」
と言ったりすることも教えます。

☆くんは、最初の語は発音できないけれど、
言葉の全体を、
「せんせい」なら、「~ん~い」とリズムで
捉えて言おうとする傾向がありました。
こうした子の場合、身振り手振りをオーバーにして、
発音のしにくさや、記憶する困難を補ってあげると良いように
感じました。
教える側が、子どものリズムや呼吸に同調して行くようにすると、
うまくいきます。
(私が、こうしたことが効果があると感じたのは、
娘がまだ0歳4ヶ月だった時でも、
子どもの呼吸に合わせると、大人の言葉をまねて、
「ま~ま」「ばなな」と言おうとすることを経験してからです。

☆くんはとても身体が硬くて、
不器用な動き方が目立ちました。
そうした場合、言葉の訓練と言っても、
手を持ってブランブランさせたり、ハイハイしたり、ぴょんぴょん飛んだり、
足をバタバタさせたりして、
さまざまな身体をほぐすような運動を組み合わせながら言葉の
訓練をしていくと、
感覚を統合することにもつながって良いと思います。

その時、大きな聞き取りやすい声で、
短い言葉をくりかえし教えることも大事です。

☆くんのお母さんは、☆くんの動きが活発で、
声賭けをしようとしたときには、次の行動に移っているため、
タイミングをのがして、
少し小さな自信なげな声のかけ方になっている感じでした。
コミュニケーションとしては、ずれますが、
タイミングがずれていても、
はっきり数回言葉を繰り返してあげることは大切だと感じました。

☆くんは、思った以上に熱心な生徒で、
私の繰り返していた言葉のほとんどは、
しまいには近いところまで真似していました。

☆くん、エライです。
パパさんもママさんも大変な子育てですが、
あきらめず、いっしょに過す日々を、
少しでも楽しんでいただきたいです♪
 

いつもどうもありがとうございます。


不器用+自閉+ADHD… DAMP症候群って何?(2)

2007-08-06 15:17:35 | 重複児
前回はDAMPの子どもに対する
7の指導方針のうち

3つの行動に分け 3つの対応をする

接し方の説明でした。
今日は7の全てを紹介します。

<1> 行動を教え込む
<2> 3つの行動に分け 3つの対応をする
<3> お手伝い療法を行う
<4> 視覚的手がかりを用意する
<5> 困ったことが 起こったらチャンスだと思う
<6> 理由づけはいらない
<7> できただけを評価する

<1>と<2>と<3>はわかりますね。

それでは<4>の視覚化について。

重度のDAMPの子には
いろいろ重複して迷っても 
「基本は アスペルガーへの対応!!」
が すごく大切なのだとか…。
アスペっ子は認知のプロセスが
偏ったり
ゆがんだりしていて
ややこしい…のです。

それで
得意な入力手段…
ほとんどの事例で視覚
から
情報が得られるように
助けてあげなくちゃならないらしい。

なるたけ単純に わかりやすーく…がモットーで!

それから<5>の
  
困ったことが 起こったらチャンスだと思う

って…ごめんなさいネ
別に…ポジティブシンキングを勧めているわけじゃ ないんです。
「どんな時も 明るく元気に生きろ!」
とか強要してるのでなくて…

これって大事な「思春期対策」なのだとか。

思春期になったら 行動の修正が難しい…このタイプの子ら
間違った行動も
今ならつぶせるチャンス!
なのですよ。

<6>は
ちょっと難しいです。

行動を 示す時 
シンプルに「やること」を言うのだそうです。

他のことは 言わず
「やること」を言うのです。

「疲れたー。」「あついー。」と言っても
「うるさい。」とか「静かにしなさい。」
とか言わずに
「やること」を言います。

「なんで こんなんしなあかんのー?」と聞いてきても
「ねー 休んでいい?」と聞いてきても
無視して「やること」を言います。

認知がややこしい子に
余計な情報は 与えません。

「次にやること」それだけを 言います。
これも 教えて教えての変形バージョンですね

<7>の
できただけを 評価する。

あくまでも できただけ…です。
できていないことは
この世に存在しないかのように
できたことを評価するのだそうです。

シールを貼る時も
できてない所が目に入る
マス目のものは ダメです。
10のうち3できたなら
3だけ貼ったら 完成するシール台紙(白紙で)を
用意します。

…これなら DAMPの子も完璧ですからね
とりあえず 親御さんもいっしょに
認知のゆがみを共有しましょう。
子どものできた所しか 見えない…それにつきます。


ここまで書いたものの
私自身 「オカメインコのしつけ」ごときで苦戦しています
本には 鳥類は 犬猫とちがって
叱っても効果が無いから
教えて教えて…しつけましょう。
とあるのに
夜中に 雄たけびを上げるオカメインコを
つい 追いかけ回して 叱りつけてしまいます
これじゃ 余計 性格がゆがんでしまう…

記事に「普通学級にいるアスペルガー症候群の子への指導」明治図書の一部を参照
イラストは「数えきれない太陽」から。「幼なじみ」
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不器用+自閉+ADHD… DAMP症候群って何?(1)

2007-08-05 16:56:36 | 重複児
DAMP症候群…?
聞いたことないなぁ…と思うかもしれませんが
ADHDと発達性協調運動障害(不器用)
が重なりあう子を
そう呼ぶのだそうです。

そして それにアスペルガーなど自閉圏の障害も重なる子は

重度DAMP症候群と定義されるそうです。
   (スウェーデンのジルボークらが提唱した概念です。)

こうした子…そんなにめずらしいのでしょうか?
でも…そうした症状 結構 聞くんですど…
… ADHDでアスペちゃんで おまけにとても不器用だという子!

と考え込みつつ
今回は 海外で この重度DAMP症候群の子に
どうした対応を勧めているのか
まとめてみることにしました。

指導方針は7つあるのですが
そのうちのひとつの

3つの行動 に分け
3つの対応 をする

というのが
私が反抗期の乳幼児を 相手にする時 
いつもやっていて
うまく「しつける」のに成功する方法と
そっくりなんです。

知らない方には 目からうろこの裏技なので
紹介しますね。

子どもの行動を
1増やしたいこと
2減らしたいこと
3絶対許さないこと

に分けます。
3は 命に危険があることや
他人にすごく迷惑をかけること だけにします。

次に
1には 「ほめる」
2には 「行動だけ無視する」
3には 「止める」
の対応をします。

叱る がないんですけど…

ごめんなさい
親に「仏様にでもなれ」と強要するような
方法なんですよ…
この障害の子には
認知の問題上
「良くない部分に目を向けさせて 直させる」
「悪いことしたら 叱る」
という日本古来の「しつけ方」が
通用しないらしいんですよ。

じゃぁ どうしろと?
という怒りをこらえて
続きを読んでくださいね。

まあ 甘いなと感じつつ
1と3はわかるとして

2の「行動だけ無視する」って何?
って思われた方…
これを マスターするのは
半端じゃなく 難しいです。

まず このDAMP症候群の子には
どんな「知ってて当たり前だろう!
こんなこともわからんのかー!!」
と怒りたくなるようなことも全て

教えて 教えて…
その都度教えていかなくては
ならないらしいのです。

幼稚園や学校の先生にも
そこのところを よく説明しておかないと
トラブルは止みません。
 
で 悪いことをしている時は
そのことは無視して
いいところだけ ほめて
次にすることを 手短に指示する。

要は 教えて教えて…の
変形バージョンですね。
悪い時も
悪い方に目を向けさせず
いいことだけ意識させていく。
認知上 多くのものに注意を向けられないので
次から どうしたらいいか
子どもに教えるためには
「叱る」のところを切り捨てていかないとならないんです。
そうしないと
叱られた所だけが印象に残って
再び繰り返してしまうんですよね。

でも 親のストレスはどう処理すればいいんでしょう?
なんせ 考え出したのが 外国の方ですから
シビアというか
そこんところは 無視してあります…


続きは次回に書きますね。
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ADHDとアスペを両方持ってる子に教えるには?

2007-08-01 16:57:39 | 重複児
ADHDっ子とアスペっ子…。

似ては いますが
教える際の 対応の違いとなると
天と地の差があるようです。

なにせADHDの子には

退屈させず
テンポ良く 
刺激と変化に満ちた
教え方が最適ですが

アスペっ子は
前回…
前々回…
急な変更のない 
単調とも言える刺激の少ない
教え方がベストなんですから…。

ではADHDとアスペルガーを両方持っている子には
どう教えたらいいのでしょう???

とりあえずは アスペルガーへの対応が
最重要。
その上で 微妙に
その時、その時、強くでている性質にも
配慮していけば いいのではないでしょうか?


前もって何が起こるか言い過ぎると
馬鹿にして つまらなそうにするか…?(ADHDが強い)

前もって 次にすることを細かく言ってもらっていると
落ち着いて物事に取り組めるか…?(アスペルガーが強い)

ジェットコースターに乗っているかのような
状態で機嫌がいいか…?(ADHDが強い)

お祭り騒ぎの中にいると
落ち着かず 不安そうにしているか…?(アスペルガーが強い)

しかし どっちかの方法に決め付けず
常に柔軟にしていくことが 大切でしょうね。
だって こんなややこしいハンディーを
ふたつも持っちゃったら
本人はとても 柔軟になんて対応できないでしょうから…。

まずは 周りから…
子どもに合わせて 変わってあげるのが
最善の策だと思います。

イラストは「数えきれない太陽」から。
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