ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

ADDと創造性について(『へんてこな贈り物』から) 1

2009-01-22 23:16:31 | ADD
『へんてこな贈り物』エドワード・M・ハロウェル インターメディカル
を読みました。
ADD(注意欠陥障害)について大人と子どもの精神科医が
くわしく書いている本です。

この本はADDが子どもの人生に及ぼす困難を書くと同時に
それがもたらす贈り物についても書いてある面白い本です。

歴史を通じて、いろんな学習障害を持ちながら克服してきた偉大な人々がいる。
証明はできないがモーツアルトがその例である。
性急さ、衝動性、注意散漫、エネルギッシュ。
情緒面の貪欲さ、独創性。
新しがりやで不遜な異端者。

枠組みを作ることが、ADDの治療に非常に有用とされている。
音楽と言う枠組み。
そのきっちりとした形式のなかで、ここかと思えばあちらといった
落ち着きのないADDの天才モーツァルトが、
いかにみごとに開花したかは、よく知られるところだ。(『へんてこな贈り物』)


グレーゾーンと言われている多くの子は、
ADDを持っている子が多いと思います。
(重複して広汎性発達障害を持っている子もいますが…)

私は親子レッスンでそうした落ち着きのなさや
衝動性、めまぐるしくかわる興味、貪欲な好奇心
と出合ったときは、「科学」や「芸術活動」など
その子の得意とするしっかりした枠のなかで、
その子がしっかりと「自分」を持てるようになるように手伝います。

この著書には

学校では駄目だったのに、大人になってからすばらしい業績を上げた人は、数限りない。
しかし残念なことに、学校で魂を破壊され、
自分の潜在能力に気づく機会にめぐりあわなかった人は、それよりはるかに多い。

と書いてあります。

別のページにこんな話も…(少し要約しています)
ADDの人が創造的なのは珍しいことではない。
ADDの心は、想像に適したいくつかの要素を持つ。
まず第一にADDの人は、たいていの人より混乱に耐える力がある。
あらゆる刺激がどんどん押し寄せ、取捨選択ができずに、混乱のなかで暮らしているので、混乱に慣れている。
混乱を求めてもいる。
それが創造の過程で役に立つのだ。
人生を整えなおすため、物を創るために、
人はしばしの間、混乱のなかにたたずむ必要がある。
未知のものや慣れないものが与える緊張によって、
人は何かを創りだすことができるのだ。

どんな刺激にも反応してしまう移り気のために、そういった情報が、
ADDの人の心の中では、落ち着く前に変形してしまう。
混乱したり物を混合するこの性向
ADDの脳みその「悪魔に取り付かれた」とされる部分
が、創造性を高めるのに都合が良いのである。

ADD族は…
創造的な考えを沸きやすくするのに最もふさわしい環境をととのえる
ことができる。ADD族は、どこといわず、いつもあちこち移ろっている。
そして創造性も、衝動という翼で、どこからともなく、飛びきたり、飛びさる。

強烈に熱中する力、超集中する能力だ。
熱中しないと、ADDの人の心がさまようのは確かだが、
熱中すれば、対象に恐ろしいほどこだわる。

ADD俗は、多動より「過剰反応」のほうが高い。
「常に反応している」
過剰反応は、脳内の神経結合の数を増やすので、
創造力を発揮する。

ADDの人が成功するには、こうした作用を生産的に活用することだ。


私も、自分の脳は「悪魔に取り付かれている」困った脳だと思う反面、それも使いようで…
うまく活用していますよ。
この本、読みごたえがあっておすすめです♪



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ADDと内向的思考

2008-06-30 09:21:56 | ADD
ADD…多動のないADHD。
注意欠陥障害を持った子、また注意力が散漫でボーっとしていてそそっかしいADDの性質をいくらか持った子の中に、
内向的な思考を好む子が
けっこういるように思います。
また内向的な思考を発展させた作品を残した歴史上の人物や
作家のおいたちを見てみると、
ADHDやADDの子の育ちに似通っている場合がよくあります。

虹色教室通信でこの内向的な思考への対応についての
記事を書きました。
よかったら読んでくださいね。



「宇宙はどうやってできたの?」と☆くん♪


☆前回の補足♪ 内向的思考にどうつきあえばいいのでしょう?

ADD 傾向があっても それなりに仕事をこなしていく方法 付け足し

2008-03-17 16:29:04 | ADD
妹に頼まれていた看板のイラストが出来上がりました♪
やってしまえばあっという間にできるのに
先延ばししそうになっていた仕事のひとつです。
とにかくやり終えてホッとしています。

少し前に
「ADD 傾向があっても それなりに仕事をこなしていく方法 」
という記事を書いたんですが
あまりに「ちょっとしたコツ」過ぎて
あれだけでは不親切でしたね。
もう少し 停滞しがちな仕事を進めるコツを紹介しますね。

ひとくくりにADDと言っても
とてもたくさんのタイプがあるようです。
タイプごとに 「仕事の進めにくさ」と「うまくいくコツ」微妙に違うように思います。

「片付け下手な右脳人間のための整理本」リー・シルバー 主婦の友社

ではADDという言葉はひとつも出てきませんが
この本でいう
右脳人間=ADD・ADHD傾向ありの人
ではないかと思います。
そうでなかったとしても ADDの人に役立つ本ですよ

この本によると 右脳人間(整理が下手で創造的)
のタイプには…

うわの空型  中毒型  アドレナリン放出型  オール・オア・ナッシング型
地球環境運動型 自己陶酔型 青年よ大志を抱け型 仕事中毒型
ためこみ型 スリル追求型 創造力で勝負型 好奇心旺盛型 小心者(言い訳型)
整理に無関心型 ズボラ型 拡散型思考/注意力散漫型  変わり者型
感情移入型 お祭り人間型 お人よし型 せっかち型 衝動型 気まぐれ型
優柔不断型 マイペース型 発明家型 行きあたりばったり型 とり散らかし型
頭にメモ型 躁鬱型 散らかっていても平気型 能天気型 完璧主義型
ぐずぐず型 あまのじゃく型 自滅型 環境こだわり型 さすらい型 意地っ張り型 移り気型 ひねくれ型 去るもの日々にうとし型 

と読むだけで気が遠くなるほど たくさんあるらしい…。
そしてそれぞれに適した整理の仕方と
仕事の進め方があるのだそう…。
面倒でも自分のタイプを客観的に把握しておくと
問題も解決しやすいです。

ちなみに私は 解説を読み比べた結果
「発明家型」が自分に一番近い感じがしました。

で アドバイスは


散らかっている部屋を「手に負えない絶望的な状態」と思うのではなく
解決すべき問題ととらえよう。私たち右脳型人間は大のパズル好き。
左脳型人間が気づかない 大きな視点やパターンを見つけるのが
得意だ。なにしろ創造力にあふれているのだから。
つまり整理の素質は大いにある。
「どこが片付かないか、それはなぜか」と自分に問いかける。
そして できるだけ多くの解決策を考える。
独創的な方法ほどいい。どれだけきれいに片付けられるか 挑戦してみよう。

と言う物でした。
確かに 捉え方ひとつで
整理も仕事もできてしまう気が…!!

私は こうした方法で大きく仕事の流れをおさえてから
ぐずぐず先延ばしを避けるために
とっかかりの小さな作業に頭を集中してついでにできるところまでする…
という形で仕事を進めています。


 
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ADD 傾向があっても それなりに仕事をこなしていく方法

2008-03-09 13:47:19 | ADD
ADDタイプって 頭の中では
あれもしたい!これもしたい!こうありたい!
とつねに思考が渦巻いているけれど
実際それを行動に移したり
考えたことを最後までやりぬける人ってあまりいないように
思います。

理由は
「何か苦手~。」と感じると
かたまって動けなくなってしまうこと。
ついでに できていた仕事までためますね~
仕事でも家事でも
「何から手を付けたらよいかわからない…!」という状況になると
たちまちプチパニックを起して
頭も活動もフリーズしてしまうこと。

私も以前は 調子が良いときと
悪いときの開きが大きくて
結局 自分の実力の数パーセントしか発揮できない状態!!で…
かといって怠けていたわけでもなくて 
今の何倍も バタバタして しんどい暮らしを送っていました。

でも ADDタイプの脳の癖をちょっと利用するだけで
いろいろ自分がやりたいことを完成させながら
家事や用事をそれなりに切り盛りしていけるようになりました。

その方法と言うのは
ADDタイプの「始めるときにおっくう…フリーズしてできない!」
(毎日かなり時間をロスしています。)
を無くすために
やるべきこと やりたいことの
ばかばかしいくらいの「はじめの一歩」を
メモしておくのです。
他にも あっという間にできる用事を数個書いておきます。
それが どんな風に役立つかと言うと…

例えば 
私は 今 
妹から「ショップ用の看板のイラスト」を
頼まれているんですが…
先日まで体調を崩していたこともあり
家事がたまり気味なんです
そこにきて 東京の出版社の方からブログ本の出版に向けてのお話を
いただいたので 案をまとめたりもしなくてはいけないし~
おまけに子どもが受験なので
突発的な用事も多い。
虹色教室は おかげさまでいつも予約でいっぱいで忙しい~
それに ブログの更新は休みたくないし…

こんだけ あれこれ重なると
以前の自分なら 絶対パニックを起して
とんでもないミスをおかすか
生産性がどんどん落ちていって
使い物にならない人になっていた
と思うんですよ。

でも 今だと それなりにサクサクとこなしています。
コツはさっきも書いたように
とっかかりの小さな作業をメモする…だけです。
☆絵の具セットを出してくる
☆靴下片付け
☆書きたい案を いくつか書き出す。
などです。
「メモの用事を済ませるだけでもOK!
としながら ついでにやれるところまでする…。」
それが終わったら また1から同じことの繰り返し…。

これは はじめは頭がフリーズしちゃうけれど
やりはじめたら あれこれついでの仕事もこなそうとする
ADDタイプに合った方法なんですよ

ADDタイプの人で 「何から手を付けたら良いの~!」というパニックが長引いて部屋が乱雑になっちゃった…という方も
コップをキッチンへ
洗濯機のスイッチを押す
服をたたんでしまう
みたいな具体的なすぐできる作業を書いて
そのひとつのために動きはじめて 
自分のできる分だけ ついでにする…をくりかえしていたら
いつの間にか 片付いてくるはずですよ。

 
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ADD 傾向があっても それなりに仕事をこなしていく方法

2008-03-08 20:16:30 | ADD
ADD傾向のある私は
ごく普通に暮らしているだけで
ものすごく生産性が低くなってきます。

同じタイプの母が 
午前 ペットの世話とテレビと隣の姉妹とおしゃべり
午後 趣味を少し おやつ テレビと掃除を少し 近所の人としゃべる 買い物 あわてて夕食の準備
食後の後片付けのあと テレビ 風呂 寝る
(若いうちは それに数時間の保育所のパートが入ってました。)

というサイクルを何十年にわたって繰り返してきたのを見ても
自然にまかせていると
際限なく ぐずぐずだらだら~となっていくのが
よくわかります。

洋裁が上手だった母は2年連続で手作り子供服のコンテストで賞を
取っていましたし
パートで保育所に勤めていたときは
子どもからも親御さんからも信頼を得ていました
が そんな風にあれこれ選択肢があったにもかかわらず
「自分の仕事」として何かに全力を注ぐことなく

終始 気の向くままに その時やりたいことにのめりこんで~すぐ飽きて
人から次々たのまれごとをして~それをこなすうちに時を忘れ~
嫌なことは先延ばして~
をしながら そこそこ幸せに
変わらない日々を送っていました。

それが悪いんじゃないですが
母だって それなりに夢を持っていて
何かを成し遂げた満足感も持ちたかったんだと思うんです。

でも このADD傾向…
何をするにも はじめるまでの腰が重いし
やりはじめたら止まらなくなるし…
無計画に事をすすめるし…
ちょっとテンポがずれてるし…で
時間管理ややる気の維持が難しい。

どんな人かと言うと
今 NHKの朝ドラで「ちりとてちん」というドラマをしていますが
主人公の「わかさ」の母親…
そのまんま 私の母のイメージです。
そして そのまんま私でもあるんですが…。

これはいけない…
このままでは 自分の人生をこの性質にのっとられてしまう…
と危機感を感じている私は
ADD傾向について よく調べて
いろんな対策を練っています。

他人よりはミスが多いものの
生産性…と言う点では かなりたくさん「やりたいこと」が
こなせています。
私がいろいろやってみて良かった
ADD傾向がある人が サクサク仕事をこなしていくコツ!
次回は もう少し具体的に書きますね。
(ADHD傾向の方がうつっぽくなったときにも 役に立つ方法だと思います。
ぜひ読んでくださいね。)


 
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おひま組のなおみちゃん 4  ADD童話です♪

2007-12-30 22:21:17 | ADD
前回の続きです。

そのとき 丸メガネ先生のメガネに
ぼんやり窓の外を眺めているなおみちゃんの姿が映りました。
丸メガネ先生は たいていの先生と同じように
おひま組の生徒がもぞもぞしたり そわそわしたり
ぼんやりよそ見をしたりするのが
好きではありません。

そこで先生は 厳しい声でなおみちゃんを叱ろうとして
すんでのところでやめました。
いたずらな春風が 子どもたちの耳元をくすぐり
先生の教科書をパラリとめくり
チョークの粉を 少しだけ吹き上げていきました。

先生がどうして叱るのをやめたかというと
先生はなおみちゃんたちよりずっと年をとっていたけれど
心の中のそのまた中には
小さな六才の女の子が住んでいたからなのです。
その女の子は 丸メガネ先生の心の中で
「算数の時間に算数の勉強をするのは大事なのは 百も承知。
でも たまには楽しいことをするのも悪くないわ。
こんな気持ちのいい春ですもの。」
とつぶやきました。
丸メガネ先生は ぽんぽんと手を打って
みんなの注意を集めました。
「あと 少し時間がありますが 算数の授業はおしまいです。
さあ みんな目を閉じて 何でも好きなものを想像してみましょう。」
目を閉じると おひま組の生徒たちの心には
どこまでもつづく黄色や赤のお花畑が広がりました。
鳥たちが はばたきながら飛びかい
動物たちが はねまわりました。

キーンコーンカーンコーン

と休み時間をつげる鐘がなり始めたとたん
おひま組みの生徒たちみんなの 夢という夢はすべて
あっという間に 春の光の中に溶けてしまいました。


おしまいです。ここまで読んでくださった方
本当にありがとうございました


おひま組のなおみちゃん 3  ADD童話です♪

2007-12-30 22:08:24 | ADD
前回の続きです。

だれがどうやって なおみちゃんのエンピツに数を注ぎ込んだのか
なおみちゃんは先生にたずねたくなりました。
けれどもなおみちゃんは 
学校は 生徒が知りたいことを先生にたずねるところではなくて
先生が知りたいことを生徒に教えてもらうところだと
承知していました。

3たす7はいくつですか?とか
この漢字は何と読みますか?とか
丸メガネ先生が知りたがれば
親切なおひま組の生徒は ていねいに教えてあげました。
でもなおみちゃんが
「ミツバチが花のみつをもらうとき 花はどんななぞなぞをミツバチに出すの?」
とたずねても
「雨の日 空はどんな悲しいことがあったの?」
とたずねても先生は答えてくれません。
「その質問は 後にしましょうね。」とたしなめるだけです。

ですからなおみちゃんは だれにもきこえないくらい小さな声で
自分で自分にたずねて
自分で自分に答えることにしました。

     どうしてエンピツの中に3や5が入っているかといえば
     エンピツも学校に通っているからよ
     学校に来れば
     今日のわたしが 昨日のわたしより
     かしこいように 
     今日のエンピツは 昨日のエンピツより
     おりこうになっているから‥‥‥
     どれくらいたくさん 頭の中に物が入るかといえば‥ね
     わたしの目で見えるものをぜーんぶと
     見えないもののぜーんぶだわ‥わかったでしょ なおみちゃん




おひま組のなおみちゃん 2  ADD童話です♪

2007-12-30 20:31:03 | ADD
前回の続きです。


それにしても 授業中はなんとゆっくり過ぎていくのでしょう。
あきれたことに
時間というのは 授業がはじまればいねむりをして
終わりの鐘が鳴ったとたん
まるで耳元でヨーイドンの鉄砲の音をきいたみたいにあわてて動き出すのです。
ですから なおみちゃんは 
授業の合間にちょっと恐い顔を作っては
時計の針が怠けないように見はっていました。

見はっている間 時計の一番細い針は 
まじめにカッチカッチ進んでいましたが 
なおみちゃんの手の方は すっかりおるすでした。
そして なおみちゃんがエンピツの先に気持ちを集中して
2+3とか5+4とか つづる間は
今度は時計の方が
(なおみちゃんは見ていないので はっきりしたことは言えませんが)
ぼんやりしているあんばいです。
なおみちゃんは 3+3とノートにつづってから
アリの行列を眺めるときのように
まじまじとエンピツの線を見つめました。
いったいいつから 3とか4とか5とかいう数字が
エンピツの中に入ったんだろう?
と不思議に思ったのです。

なおみちゃんが 幼稚園のとき
エンピツから出てくるのは
友だちの顔や花 それから動物だけでした。
かいても かいても 一度も数が出てきたことは
なかったのです。

次回に続きます


おひま組のなおみちゃん 1  ADD童話です♪    

2007-12-30 20:25:35 | ADD
年末年始のブログ休暇期間なので
私の童話を載せさせてもらいます
この童話 私がはじめて書いた童話でADDっ子の
女の子が主人公です。
実は 三樹なおみ というペンネームはこの童話からもらいました。
ちなみに 私の通っていた幼稚園は「ナオミ幼稚園」でした。
ピアノを習いたての頃 弾いていた曲が「ナオミの夢」!!
なおみ という名前に 特別な親しみを覚えて 
童話に ペンネームにと使いまわしています
イラストはこの童話を絵本にするために描いたものです。


おひま組みのなおみちゃん


なおみちゃんは おひま組の一番うしろの席で
おかっぱ頭をちょっとかしげて
「はて 頭の中には どのくらいいっぱい入るのかしら?」
と考えていました。
なおみちゃんの頭の中には もうすでに
お誕生日のケーキをはじめ 色鉛筆のセット 赤いポスト 雪だるま
お花畑とサーカスの動物たち ゆかいなピエロが一ダース
つまっていました。
さらに プールと 大きなくじら 山が三つ
サンドイッチと果物が入ったバスケット 
象の親子とハムスターの赤ちゃんが加わりましたが
まだまだ入りそうです。

担任の丸めがね先生は 度の強いメガネをかけていましたが
なおみちゃんの頭の中まではのぞけません。
そこでおひま組みの生徒のなおみちゃんが頭をしぼっているのなら
きっと黒板の問題だろうと
思いました。
‥‥‥きっと りんごが二つと三つを合わせていくつかなぁ?
って悩んでいるんだわ。

いかにも 丸メガネ先生の思ったとおり
なおみちゃんだって 白いチョークの色をしたりんごのことなら
考えていましたとも!
ただ あんまりあれこれ思いついたものですから 
ちょうど散らかし放題の部屋で なくし物をするように
算数の問題を一問 頭の中のどこかへやってしまっただけのことです。

一年おひま組の教室は いいにおいの春の光でいっぱいでした。
姿勢はしゃっきり 手はおひざの
行儀の良い一年生たちの口元には
シャボン玉のようなかわいらしいあくびが 浮かんでいました。
半分開いた窓からは 青い青い空が 自由に向かって
どこまでも手を広げていました。

思わず軽いふし回しで なおみちゃんの心に歌が生まれました。

     私はいっぱい いっぱい
     空を食べちゃう
     それから空の上の星と
     星の上の空も
     まだまだまだまだ 食べちゃう


次回に続きます




ADDを 侮るなかれ!

2007-11-11 09:41:55 | ADD
ここのところ 恐ろしく多忙で
ブログの記事の質がちょっと落ちています
ごめんなさい
書きたいことはいろいろあるのに
ここ数週間
じっくりパソコンと向き合う時間がありません。

実は毎年 秋には 地域のイベントの大型遊具作りを
引き受けています。
それに今年は「伝承文化を守る会の表紙絵」やキャラクターの図案等
受けてしまって
プラス 塾とわが子の受験‥!!
ただただ今していることに全力投球するばかりで
ひとつひとつの質について考えるのは
ちょっと落ち着いてからになりそうです。

ちょくちょくこのブログでは書いてきていますが
私をはじめ 我が家のファミリーはみな
ADD ADHDぎみ‥。
(ちなみに関西人のほとんどがこの傾向があると聞いたことがあります)
それでも それぞれがそんな自分への対処法を編み出しながら暮らしているので
それといったトラブルも無く
平穏に過ごしています。

だったらADDでもADHDでもないじゃん!!

と この傾向に振り回されて苦しんでいる方から
叱られそうですが
だいたい最近の私のこの多忙っぷり!後先考えずどんどん引き受けてしまう
??な性質は
ADDからきているものでなければ
何なのか自分でも説明がつきません。
それにADD体質ゆえに それなりにサクサクこなしても
いるので‥(自分がしなくてはならない物の全体像も考えず 今できることに集中してますから)

最近 漫画でADHDについて解説しているサイトを見つけました。
短期記憶ができないADHD向けの生活改善策がいろいろ書かれているのが
ものすごく面白かったです。
こういうのって わが家では常識として
通用しているので
改めて活字で見ると
やっぱりうちのファミリーって短期記憶が使えない人たちなんだなぁ~
と再確認。
ADDやADHDでない人には
冗談かと思う対策の数々でも
この傾向がある人には死活問題。

自分の忘れっぽさに対して
どんな時も絶対侮らない!!
ということが ADD傾向を
持つ人の人生の運不運のカギをにぎっていると思います。
私はこれまでの自分の失敗経験から これが身にしみてわかっているので
大事な用件は念には念を入れ
「どんだけ~」というほど念をいれて
ようやく普通の人レベルです。

でも
そうやって ちゃんと改善策さえうっておけば
ADD傾向の短所はほとんど解決するし
長所だっていっぱいあるわけだから
それを120パーセント生かしていく道もつくんですよ。

ただADDやADHDの子どもは
膨大な失敗体験を積んで
自分のこの欠点は侮れない!そこは人の10倍努力
しなくてはならない‥と気づいていく
過程を通らなくちゃならないので
周囲の人は
気長に見守ることが大切ですよね。

そうでないと2次障害をおこすか
自分の長所が見えなくて
短所を乗り越えるエネルギーがない子に育ってしまうでしょうから‥。
特に自分にADHD傾向がないのに
そうしたハンディーを抱えた子を
育てる場合は ADHD当事者の声や対策によく耳を傾け
自分のやり方を押し付けないように
気をつけてくださいね


    


番外 私とADDの話

2007-08-29 23:08:12 | ADD
あいかわらず 家事の能率は低くて
そそっかしさは サザエさんだけど
これっといった大きなミスもせず
それなりに暮している このごろの私。

本当にADDなの?っと疑問に感じる時も
あります。
診断を受けたわけでもないし
勝手に本を読んで
「これって私のことでは…?」っと
勝手に思い込んでいるだけですから…

でも
ADHDの方のブログにお邪魔して
その失敗談を見ると
「それって~あるある♪」と
何度も うなずくことが多い…です。

特に 時間感覚がないことからくる大失敗

アメリカの博士が
「ADHDタイプの頭には時計がない」
とおっしゃっていましたっけ…。

私も よくやりました!
もう…自分で自分が信じられなくなるような 時間に関する大失敗!
最近は めっきり減りましたけど…。

ミスが減った理由?

いろいろミスをふせぐ小ワザを
身につけたこともあるけど
一番大きな原因は
別のところに あるみたいです。

私が 大きなミスをするのは 
たいてい
描きたい絵のイメージが次々浮かんで
詩や文章も
自分の能力を超えるものが書ける時
とりあえず 自分としては絶好調の時
つまり右脳100パーセントの時なんです。

仕事への責任を考えて
ミスをしないように
慎重に生活している時は
絵も文章も陳腐…というより書けない!

そういえば このところ
スパルタ式の学校に かなり適応してきた息子が
同じようなこと つぶやいていました。

ADHD ADDと右脳の関係…まだ わからないことだらけです。

それから 去年出版した「数えきれない太陽」の展示会の模様
書店の方がブログに載せて下さっていました。
いつも「写真うつり 悪すぎ~!」と言われている
私まで写っているんで恥ずかしいんですが…
よかったら展示会の様子だけ
覗いてみてくださいね。 
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とんちんかんなADD(1)

2007-08-02 07:06:21 | ADD
前に「私の子どものころはADDの性質全開でした」
と書きました。
その頃の話をあれこれ書きますね。

子どものころは
なにせ「考える」ことが大好きでした。

こう言うと 聞こえがいいのですが
ADHDの子が「動く」のが大好きなのと
すごく似ていて
自分の意思に反して
「考える」ことに中毒しているような
コントロールが難しい
「考えちゃう」日々でした。

だから 幼い頃のことでも
外の世界で起こったことより
「ああ あの時 よくあんなこと
考えていたなぁ。」
という記憶が やたら鮮明で たくさんあります。

幼稚園のころ
私は不器用な上 食べることが遅いので
母は小さめのお弁当箱に
プチトマトみたいなおにぎりと
おかずも少しだけ入れて持たせてくれていました。

が それでも クラスの誰より遅くて
掃除の時間になっても
まだ ひとりだけ たらたら食べていました。

その時「考えていた」のが
先生が お話の時間に読んでくれた
「ジャックと豆のつる」のことでした。

…私はいつもお母さんに「物を盗むのは悪いことよ。」と
教えてもらっていて
「その通りだ。」といつもは考えているのに
どうして先生がお話を読んでくれている最中は
巨人の家からどろぼうをする
ジャックの応援をしちゃうんだろう?
みんなもどろぼうが悪いことだと思わなくなって
ジャックの味方をしているの
なんでだろう?

と ほこりの舞う中
手はお留守のまま
考え続けていました。

小学校に上がると
一日中 ぼんやり考え事をすることが多すぎて
宿題忘れの常連でした。

決して わざとではなく
「考える」ことを要することには
やたら熱心なのに

宿題のように毎日に 組み込まれている
「考えなくてもいい」ことは
あっという間に 記憶のかなたへ流されて
翌日 注意されるまで
すっかり忘れてしまうのです。

ところが そんな私でも
家に帰っても しっかり宿題の存在を覚えていて
熱心に取り組んだ日がありました。

60度 30度 90度の三角定規と
45度 45度 90度の三角定規を使って
今日の授業で習った角を作ってきましょう。

というものでした。
正解は 60+45=105とか30+90=120などなのです。

が その日この宿題が 
私の「考える」のつぼに はまった理由は
先生が授業中言った言葉でした。

「この2つの三角定規では
75度 90度 100度 105度 135度 180度
6つ以外は はかれません。」

はかれない角って 本当に本当に
はかれないんかなぁ?

その日 私がとても熱心に宿題に取り組んでいたので
母はびっくりしていましたが
「このノートにある6種類以外の角を作る宿題。」
という私の話を聞いて???の顔でした。

そして数時間後
「できた!はかれた!」と私。
45度の定規の上に
30度の定規を重ねています。
45-30=15
(これは想定外の解き方です…。)


こんな風に 多動が頭の中だけなので
目立ちはしないのですが
どこか とんちんかん…

なADDっ子…

息子ができて
その育ちが 私の子どもの頃そっくりで
かなりびっくりしました。

息子が小3の頃
息子に宿題をさせながら 
横で中学受験の小6生を教えていたのですが
10問ほどの漢字を 書き写す宿題中
気が散ってばかりで
いっこうに進まない息子が

小6生の難問には
自分から割り込んででも 解きたがり
公式も知らないのに 考え出して解いてしまう…
のですよ。

そこだけ書くと すごいですが
勉強って「考える」ことを
要求しない内容もいっぱいあるんです。
それを坦々とこなしていく
能力がないと
学力は厳しいのです…

ゆっくり ゆっくりでいいから
そうしたことを こなしていける
スキルを身につけてほしいなぁ

と自分自身の かめの歩みを思い返し
息子を応援しています。


イラストは「ADDの子の頭の中」を描きました。
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ADDの私の話(2) ブログを作った理由

2007-07-23 16:08:49 | ADD
わたしは 大阪で

小さな学習教室をしています。

虹色教室 といいます。


教室で教えていく中で

多くの学習に困難を抱える子どもたちとの出会いがありました。


子どもたちが同じように「勉強がわからない。」と訴えてきても

その理由はさまざまです。


落ち着きが無く 集中できないから解けないのか…

視覚の認知に問題があるのか…

意味を推測することが難しいのか…


私は ひとりひとりの子どもに

きちんと対応していく工夫と技術が必要だと

強く感じました


幸い 私は自分の経験や感じ方から

発達障害児と呼ばれる子どもたちが

どこが どうして どのようにわからないかを推測しやすいです。

ADDとは正反対ともいえる特徴を持った

アスペルガー症候群の子どもであっても

その大変さや困難は理解しやすいし

まず きちんとした知識を得ることの大切さは

心得ています。

それならば 自分がADHD ADD LD アスペルガー症候群の子どもに

教えるにあたって うまくいった方法をブログで紹介していけば

少しは教え方にとまどっていらっしゃる親御さんの役に立つかもしれないと思いま

した。

発達障害のお子さんを持つ親御さんは大変です。

ほとんどのご家庭で(学校だけで 勉強は大丈夫!とはいかなくて)

「教えにくい子に 教えていかなければならない」という仕事を

ほとんど毎日こなしているのです。

また この場を借りて 発達障害児が潜在能力を 十分に発揮して

いきいきと暮していくには どうすればいいのか

みなさんと情報交換をしていきたいと考えています 

イラストは娘が小4の時の絵です。

ADDの私の話(1)

2007-07-23 08:10:49 | ADD
私は今でこそ

ちょっと おっちょこちょいな 掃除ベタな人…

くらいの範囲に収まって生活していますが

子どもの頃は ADD児の特徴全開で

暮していました。

いつも次から次へと 新しいアイデアを思いつくので

30秒前に聞いたことも 考えたことも

すべるように頭から抜け落ちていく…という状態でした(T▽T;)

当然 忘れ物 無くし物は

半端じゃありません。

大人になった私は

次々 図らずも起こしてしまう失敗の穴埋めをしようと

どうしても自分に無理を課してしまいがちでした。

日曜日もお正月も返上して働いたり

自分に処理できないほど

他人の仕事を肩代わりしてしまったり…


こんなに一生懸命やっているのに

どうして毎日 ままならないのか…


ため息をつきつつも

理由もわからず 猛進していたのです。

数年前 ADHDとADDに関する本と出合い

そこにかかれているADDの人の特性が

自分とピッタリ重なることに

気付きました。

子供の頃 まるで夢の中を生きているような感覚が

あった理由もよくわかりました。

それまでは自分の欠点を直そうとするあまり

間違った対処を繰り返していたことも知りました。

そこで子供の頃から

無制限に受け入れてきた非ADDの方からの助言

(多くはADD当事者にとって百害あって一利なし)

をいったん退けて

ADDとして どうすれば快適に 

そして他人にあまり迷惑をかけずに

暮していけるのかを考え 実行に移してきました。


より取り掛かりやすく ミスを最小限に抑える方法…

たとえ常識からは ずれていても

「ADDという脳のくせ」からすると

ごもっとも…と納得できる方法は たくさんあります。

現在 私は自分の長所を発揮しやすい環境を整えて

仕事にやりがいを感じています。

また 苦手な家事も 何とか楽しみながら

やりすごせています。


写真は子ども時代の自分の様子をイメージして描きました。