ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

学校や大人たちによる心理的な虐待にあたらないでしょうか? アスペッ子かもしれない子… 1

2008-07-31 10:29:01 | アスペルガー症候群
先日、小学4年生の☆ちゃんと親御さんが、
今、直面しているトラブルについてご相談にみえました。
親御さんの承諾を得て、内容を紹介させていただきます。

ある時、☆ちゃんが見慣れない消しゴムを持っていることに
気づいた親御さんは、☆ちゃんにそのことをたずねました。
すると「(お友達の)Aちゃんから借りた」という答が返ってきました。
☆ちゃんは消しゴムに自分の名前を書いてしまっていました。
それで、親御さんは☆ちゃんに厳しく注意をしてから、
新しい消しゴムを買って相手方の親御さんに
謝罪を入れて返そうとしました。

すると相手の親御さんは激怒されて、

その消しゴムはわが子のものではない。
うちの子は、以前、☆ちゃんに色鉛筆を盗られた
ことがある。
今度の消しゴムも誰か他の子の物を盗ったに違いない!!

と決め付けるようにおっしゃいました。
ただ、相手方が色鉛筆を盗ったとする出来事は、
☆ちゃんがAちゃんから筆箱をみせてもらったことと、
色鉛筆がなくなったあと、「落ちていた」と色鉛筆を発見したのが
☆ちゃんであったことから、勝手に周囲が推測した結論で、
☆ちゃんが盗った証拠はひとつもなく、
本人も「知らない」と言い張っていることなのです。

そうした出来事のあとで、☆ちゃんは学校で、
上靴を隠されたり、
男の子達から悪口を言われて攻撃されたり
することとなりました。

が、担任に相談しても、☆ちゃんを問題児として捉える先入観があってか、
我慢するようすすめられるだけで、
取り合ってもらえないのです。
また、消しゴムの一件から☆ちゃんのクラスの母親達の、
犯罪者を見るような☆ちゃんへのまなざしやうわさ話に
親御さんは困り果てているのです。

この問題は、話としてだけうかがうのと、
直接☆ちゃんと会ってはじめて見えてくることとに、
大きな隔たりがあります。

☆ちゃんは従順で優しそうな雰囲気のする女の子です。
4年生にしては、お母さんにべったり甘える幼さと、受動的過ぎる態度が
少し気になります。
それにしても、その印象のどこをとっても「問題児」とは、
ほど遠い子です。

この子が、本当にお友達の物を盗ったり、うそをついたりする困った子なのでしょうか?

話が長くなったので、次回に続きを書きますね。
 

いつもどうもありがとうございます。 

お休み中ご迷惑をかけました。ブログを今日から再開します。

2008-07-31 07:58:17 | 番外
ブログを休止中、温かいコメントをたくさんいただきまして、どうもありがとうございます。
迷いで曇っていた気持ちが、
みなさんの言葉で少しずつ晴れてきました。

先日、親子レッスンにいらした親御さんから、
娘さんに降りかかった深刻な問題の相談をお受けしました。
後日いただいたメールのなかに、

先生、私たち親子のように手探りで出口を探している者にとっては
専門家かどうかは関係ないんです。
先生のように広い視野で暖かく見てくれる方が必要なんです。
机の上だけでなく、子供、親、第三者それぞれの立場が解って
アドバイスやヒントをくれる方が必要なんです。

という言葉がありました。
私に良いアドバイスやヒントを
差し上げることができるかはわかりません。
でも、一生懸命、このブログの上で、
この娘さんに起こった災難について考えてみたい気持ちになりました。
私にできることで、少しでもお役に立ちたいのです。

また、今回、こうした子どもをめぐる重い問題を抱えた時に、
いっしょに痛みを感じ、考えてくださるこのブログの
読者の方々を、
自分自身が一番必要としていることがよくわかりました。

そこで、今日からブログを再開することに決めました。
どうぞ、私といっしょに次回紹介する問題について考えてください。

いつもブログを訪問してくださっている方々、
本当にありがとうございます。

ADD ? 先生の発達障害児教育応援ブログ一時休止のお知らせ

2008-07-27 21:13:08 | 番外
これまでこのブログを訪問していただいて、
本当にありがとうございます。

軽度発達障害の子たちの、
より暮らしやすい社会や教育環境について、
さまざまな方との意見交換と学習の場として
このブログを続けてきました。
多くの方が毎日訪問してくださる一方で、
自分のなかで、この大きな問題を扱うに当たっての自分の能力の限界
も感じています。
自分のできる範囲で続けるべきか、
ブログを閉鎖しようか何度か迷いました。
そこで、このブログを続けて行くかどうかについて、
じっくり考えてみる期間を置こうかと思っています。

大変申し訳ありませんが、
しばらくこちらのブログを休止させていただきます。

アスペルガー症候群の子にもいろんなタイプの子がいますね

2008-07-27 08:28:02 | アスペルガー症候群
これまで、アスペルガー症候群と診断を受けた子たちや
未診断だけどアスペルガー症候群だろうと思われる子たち
と、いろんな場で会ったことがあります。
私はそうしたことを正確に判断できる立場でないので、親御さんから
診断名を聞いた子の話を中心に書かせてもらいますね。

みなそれぞれ性格がずいぶん違いますから、
アスペルガーとはこういうもの
という決め付けは絶対できないなぁ…と感じています。

私の身近にいるアスペッ子は、
礼儀正しく(大人にも友達にも敬語で礼儀正しすぎ?)
親切で(私にまでお小遣いでシュークリームを買ってきてくれたりするので、親切すぎ?)
親思い(尊敬していることが多いか、まずバカにしない)
記憶力が高く社会科が好き
という学校では目立たないタイプの子が多いです。
アスペルガー症候群という言葉がマスコミで踊ると、
他人の気持ちが理解できない残酷な子という誤ったイメージを抱いている方も
いるかもしれませんが、
私の知る限り一番多いのがこのタイプの子だろうと思います。

前回の記事で紹介したお友達が不快に思うことをつぶやくタイプの子も
数名身近にいます。
「バカや」「ホームレスになれ」「変な人」などの発言が多いものの、
相手から怒りを引き出すために言っているのではなく、
相手の気持ちがわかりにくいことや
自分の発言が相手を傷つけることが実感しにくいために
言っているだけなので、
周囲の子がその言動に慣れてくると、けっこううまくやってる場合が
多いです。
このタイプの子は、大きくなってもお母さんにペタペタ甘えたり
依存している子がよくいます。
口に出す言葉に悪気がないのは、
気をつけていればすぐわかります。
アスペルガーの子は、
私が注意して叱ると、驚くほど素直です。
ルールを守ることに忠実なので、
問題のある行動も、ルールとしてきちんと理解してもらうと、
減ってきます。

優等生タイプで成績に固執し、
常に勉強のことで頭がいっぱいのアスペッ子もいます。
マンガを読んだことがない、ゲームをしない
と言ったりします。
成績の増減を人生がかかっているかのように気にしているので、
成績が落ちたことを教師が軽はずみに「もっとがんばれ!」といった
声をかけるのは、とんでもないことだと感じています。
こうした子の心の緊張状態に
大人はとても気をつけてあげなければならないと思っています。

アスペルガー症候群か、そうでないか、
簡単に判断できることではないですよね。
でも、「あれ?」と思う言動が続いたら、
頭ごなしに叱らずに、
「アスペッ子かもしれない」という視点から眺めなおして、
少しだけ配慮をするようにすると、
問題が解決することが多いようです。
不登校やイジメもずいぶん防げると思います。
子どもを自分の判断で決め付けて、追い詰めるのは
一番よくないですね。

 

いつもどうもありがとうございます。 

かんしゃくがひどくて困ってます!!

2008-07-26 17:57:25 | 社会性
「子育てがずっとラクになる本」(パティー・ウィーラー 学陽書房)という
子育てをする方すべてに読んでいただきたいと感じるような
すてきな本があります。

そのなかで
かんしゃくは、挫折感から立ち直る大事なプロセス
と説明されています。
子どもは何か欲しがってダダをこねたり、
作ろうとしたものがうまくいかなくてぐじゃぐじゃに壊したりしますね。
こうしたかんしゃくは、じつは
子どもが挫折感から立ち直る大切なプロセスなのだそうです。
子どもにとっては、自然なプロセスで、
こころにささった挫折感というとげをぬくための手段なのだそうです。
子どもはとても自分を信頼していて、
なんでもできると考えています。
ですから、何度転んでも起き上がって歩き始めるのだとか…。
デモ、実際できることと、「できる!」と思っていることには、
ずいぶんずれがありますね。
そのイライラがたまってかんしゃくとなるのです。

かんしゃくを禁じると、子どもの学ぼうととしている意欲はかえって阻害されます。
かんしゃくで発散されないと、あきらめや挫折感が生まれ、
同じような学習場面や課題に直面するたびに、
古い心の傷が痛むようになるのだそうです。

かんしゃくは、自分の欲求不満に向き合い、それを洗い流すための
道具なのだそうです。そうして欲求不満を外に出せば、
ふたたび考え始めます。

虹色教室の子で激しいかんしゃくを起していた子ほど、
それをそっと見守ってもらっていた子ほど、
我慢強く、がんばりやで、
スポーツにお勉強に真剣に取り組む子
へと育ってきています。

作者からの大切なメッセージ

「よい子」はかんしゃくを起さないものだという考えはもう捨ててください。
かんしゃくは、子どもが自分の知性を信頼し続けるために
大切な役割をはたしているのです。
この方法があるおかげで、むずかしい場面に直面しても、あきらめないで
その挑戦を受けて立つことができるのです。


 

いつもどうもありがとうございます。 

アスペルガー症候群の子について学校に求めたいこと 4

2008-07-26 08:24:57 | アスペルガー症候群
育てたことのない外国の動物を育てる時、
猫や犬を飼ったことがあるからと調べもせずに育てる人はいません。
もし、それで動物が病気になった場合、
病気になったことで動物をせめてもしょうがないことは知っています。

また、農業をしたことがない人が畑をまかされても、
水や肥料さえやれば何とかなる…というものではありません。

相手の性質を知らない…ということは、
きちんと育てることができない
ことと直結しています。

それなのに、まったく自分とは異質の感じ方や考え方、理解の仕方で暮らしている子に対しても、
人間の子どもとなると誰もがよく知っているような
錯覚を覚えてしまうのです。

特に普通級にいる未診断のアスペルガー症候群の子となると、
教師はその言葉や行動を、
自分というフィルターを通して解釈してしまいます。
するとたいてい、親の過干渉や過保護として
映ります。

現実にアスペルガー症候群の子は独特の育てにくさや幼さを
持っているので、親が過干渉や過保護とみえる世話をおこなわないと、
きちんと社会生活を送れない子も多いのです。

また、アスペルガー症候群の子が、繰り返し友達が不快に
なるようなことを言ったりしたりするとき、
教師は根気よく「教える」のでなくて、
「叱る」ことがよくあります。
でも、これは何の効果もないばかりか、
2次障害の原因となります。


どのような状況で「ごめんなさい」を言うべきか、
どんな場面で友達を褒めたり、エールを送ったりすればよいのか、といった
当たり前のことを、
何度もていねいに教えてあげなければならないのが、
アスペルガー症候群の子なんですね。

「アスペルガー症候群」という知識そのものを知らない先生、
知っていてもボーダーラインチャイルドといっしょにしていて、
その子らにうまくいった理論をあてはめようとする先生、
ひ弱な現代っ子の問題と捉えて、
鍛えなおそうとする先生、
そもそもコミュニケーションが苦手で、子どもへの愛情が欠ける先生、
はたくさんいます。

普通級にいるアスペルガー症候群の子は、少なくありません。
一人の教師が教師生活をまっとうするまでに、
アスペルガー症候群の子を受け持たない…
ということはありえないくらいです。
それなのに、そうした知識もなく害を及ぼす方法で、
そうした子の面倒を見続けるということは、
どうなのでしょうか?

もっともっと教師同士の知識を交換したり、
成功例失敗例を話し合ったり、
アスペルガー症候群というものに理解を深める必要はないでしょうか?

 

いつもどうもありがとうございます。 




アスペルガー症候群の子について学校に求めたいこと 3

2008-07-25 07:35:53 | アスペルガー症候群
ずいぶん前に、アスペルガー症候群と思われる(アスペッ子のなかでも気難しいタイプの子)小4生の☆くんとやんちゃな小4生2人のお勉強を見ていたことがありました。

やんちゃな2人は親分タイプの子で、
たまにふざけて友達をからかったり、
けんかを売られたら強く買って応対するところはあっても、
仲間思いで、人の気持ちがよくわかる子でした。

☆くんはこの学習の仲間に後から加わったのですが、
即座に友達になろうと話しかける2人の子に対し、
無関心な様子でした。学習の面では、やんちゃくんたちの方がよくできていたのに、
やんちゃくんの一人がひとつでも間違うと、
「アホや」「そんなんできんのか」とつぶやきます。
「友達の嫌がることいわない。」「黙っててね。」と諭すと、
しばらく黙っていますが、やんちゃくんを「ふざけない」と注意したとたんに、
また「ばかか、ふざけんな」とつぶやきます。
ぼそっと、ひとりごとのように…。

そうすると、それまでは友好的にしていたやんちゃな二人も、
「なんや!お前のが~!!」とけんか腰で対応するように
なってきました。
こうしたやりとりの後で、☆くんの態度そのものはその後もあまりかわらないのですが、やんちゃな二人は顔を見合わせて☆くんを仲間はずれにしたり、
攻撃的に対応するようになってきました。
そして今度は☆くんが、口にコンパスを加えて
ごろりと横になるという奇妙な行動に出始めました。

☆くんがアスペッ子だろうと感じたのは、
☆くんにボーダーラインチャイルドと言われる子にあるようなひねくれた所や
反抗的な態度がなく、むしろ素直すぎるほど場のルールに従っていたことから
推測したことです。

☆くんの「ばかか」は、相手があって言っているというより、
テレビを見ながら適当なことをつぶやく感覚でつぶやいているものです。
それは、やんちゃ二人によって学習時間が予測不可能に乱されることへの
不安の表れだった感じがします。
大人や周囲を挑発しているようにも見えるコンパスを加えて寝転ぶ…
という行為も、ストレスが高まって自分ではどうすればよいか
わからなくなってしてしまった様子です。

アスペルガー症候群というものを理解して、
その生きにくさや悪気のなさを十分知っていないと、
つい大人は自分の心情にしたがって問題を眺めてしまいます。

☆くんや☆くんの親から「いじめられた」という苦情があった場合、
☆くんも悪い ☆くんが悪い
と考えてしまいがちです。

見ている私からすると…

友達になろうと親しげに話しかけたのに
無視するようなそぶりをされた、
ぜんぜん勉強がわかっていないことを、からかわずにいてあげたのに、
自分がひとつ間違えたら「ばかや」と言われた…
という出来事に次第に腹を立てて、態度がいじわるになっていく

やんちゃ君たちの心の動きの方がずっとわかりやすいのです。

でも、アスペルガー症候群の特徴をよく理解して
☆くん側から出来事を追っていくと、
ちょっとした変化でもストレスになるのに、新しい場、新しい友達に
緊張してストレスが高まっているところに、
友好的に声をかけられても、相手の気持ちを理解しにくいため、
ストレスがよけいに増して無視してしまった。
友達が間違えたから、「ばかや」と言った。他の場面で、他の子もそうしていたからした。
ストレスが高まり、たまたまふでばこにコンパスが入っていたので、
加えて寝転がった。

という出来事なのでしょう。もし、それほど不安が高まらないように少しの配慮があれば、そうした行動に至らなかった可能性も大きいのです。

もう少し続きます。

 

いつもどうもありがとうございます。 

アスペルガー症候群の子について学校に求めたいこと 2

2008-07-24 07:27:52 | アスペルガー症候群
アスペルガー症候群の子を持つというのは、とても親を追い詰めるものです。

その大きな理由は、
発達障害は先天的なもの、生まれつきのもの…と
はっきりしている現代にあっても、
きちんとそれを理解している人はあまりいないからです。

学校の教師や塾の教師などは、
子どもが問題にぶつかると、それまでの親の育て方に
原因を探ろうとしたり、親に注意を促すことがほとんどです。

また、発達障害児について偏見に満ちた誤った見方をしていたり、
ボーダーラインチャイルドという親の虐待等で問題行動を起す子と
ごちゃごちゃにしている場合もあります。

また最近よく見かける問題として、
乳幼児から始めるお教室で、アスペルガー症候群の子が「天才児」として
もてはやされてしまうことも、良くない傾向です。
これは一見、良いことのようにも見えますが、後から深刻な問題を生むように思えます。

アスペッ子のなかには、オムツをしている時から
世界中の国旗の名前を覚えたり、小学校高学年の漢字までが読めたり
する子がけっこういます。また、計算プリントをさせていくと、幼児のうちに
高校レベルまで進んでしまったりして、周囲を圧倒します。

しかし、「発達障害と子どもたち」の 山崎晃資先生の言葉を借りれば、

アスペルガー症候群の子というのは、知能は平均以上ですが、
高度な思考力や理解力が試されるような問題は苦手です。
計算問題はできるけれど、
応用問題は解けません。
具体的なものは想像できても、
抽象的なものは想像できません。
    
ですから、小学校入試や中学入試を難なく通り抜けることができても、
その後、学習が高度になれば、
努力ではどうにもならない事態にぶつかります。

周囲が、アスペルガー症候群の知識もないまま、
子どもをそうしたレールに乗せてしまうと、
子どもの心は追い詰められて大きな事件につながるかもしれません。

しかしだいたいは、その教育法批判にすりかわってしまって、
「天才児」と祭り上げた教育法をしてきたばかりに、
このように応用問題が解けない子に育った…と解釈されるケースが
多いように思います。

話が横道にそれましたが、
これらはみな多くの大人が、
アスペルガー症候群の子の生まれ持った特徴の
「負の部分」を取り上げて、

直接体験不足や、教育法や、
親の育て方や、ゲームやテレビの害や、環境汚染に原因を求めて、

持論を展開していることにあるような
気がするのです。
そして、学校の教師もまたそうした持論を通して、
アスペルガーの子を眺めています。

次回はもう少し初めの問題にもどります。

 

いつもどうもありがとうございます。 

アスペルガー症候群の子について学校に求めたいこと 1

2008-07-23 06:31:09 | アスペルガー症候群
以前、アスペルガー症候群の特徴をたくさん持っている(診断はADHD)☆くんの
お勉強を見ていたことがあります。
中学に入学するなり、あまりにも度重なるひどいイジメを受け続けていたため、
軽い自虐行為が癖になって、自分の腕の毛穴という毛穴を
鉛筆の芯で刺すようになっていました。
それで、腕は、痛々しい黒いぶつぶつでいっぱいでした。
親御さんが何度求めても、
学校の腰は重くて、中学生を相手にすると、
毎日、ふでばこを隠されて鉛筆がすべて折られているというような
明らかなイジメにも、きちんと対応できないようでした。

そのようにアスペッ子に対するイジメがエスカレートする原因として、
学校の先生自身が、
「お前の性格が悪い」と周囲と波長を合わせることが難しい
アスペッ子を責める気持ちが強いためのようです。
それと中学の先生には、
小学校の先生のような「子供を保護する」という気持ちが薄いから
かもしれません。
また、☆くんの学校では、女の先生が生徒によって骨折させられたり、
欝によって入院される先生もいたようなので、
子供たちの暴走を止めようがない状況だったのかもしれません。

アスペルガー症候群の子は、イジメの被害に遭いやすいです。
児童精神科医の山崎晃資先生の「発達障害と子どもたち」に、
その問題が取り上げられています。

小学校に入ると、クラスの中になじめず、周囲から「風変わりな子」と
して扱われてしまいます。いう必要のないことを言ったり、
その場にふさわしくないことを何度も言ったりするので、
仲間はずれにされたり、いじめの対象にされたりします。
また、たびたび、忘れ物をしたり、かんしゃくを起したりするので、
教師から叱られrことも多くなります。
そして、次第に「自分はダメな人間だ」と自己評価を低くしていくのです。
小学校高学年くらいになると「自分はほかの子と波長が合わない、自分は
変なのかもしれない」と悩むようになります。
教師からは、「お前が悪い」と切り捨てられる場合が多いです。
長い間の苦労で、親でさえそのような態度を取ってしまいます。

このようにだれにも理解されず、変人扱いされ、
冷遇体験を積み重ねていくアスペルガー症候群の子供たちの内面では、
大きなストレスが膨れ上がり、
それが極限まで達した時、爆発してしまうことも少なくありません。

こうした現実があっても、義務教育として子どもを預かっている学校は、
「アスペルガー症候群」についての知識を
先生同士で共有していない様子です。
イジメを食い止めるサポートをするどころか、
みんなの前で叱ったりののしることで、
イジメの原因を作っていることの方が多いのです。

また、親に集団での不適応振りを、繰り返し報告することで、
親の子供への態度を悪いものにしたりします。
特に未診断の子に対しては、
学校を中心に、
周囲がアスペルガーの子を迫害し続ける関係を作っているのを、
何度も見聞きしました。


アスペルガー症候群の子について、私達は学校に何を求めていけばいいのでしょう?

長くなったので次回に続きます。
 

いつもどうもありがとうございます。 

子どものことをあれこれ思い悩まない…?

2008-07-22 12:54:06 | 教育論
「子供の才能を見つけるヒント」という本の中で、
アドラー博士が、

子どものことをあれこれ思い悩まず、
一つだけ「この子は大丈夫」と思い続けろ

というタイトルでお書きになっている話にちょっと圧倒されてしまいました。

あるお母さんがアドラー博士に、
うちの子は、わりとなににでも興味をしるすけれど、すぐ飽きてしまうので、
将来、ひとつの仕事をちゃんと続けられるのか心配だ…と相談をします。

それに対するアドラー博士の答は、
確かに、飽きっぽいと言うか、移り気な子はいます。しかしそれは悪いことでもなんでもないでしょう。
はてしなく続けるわけではありません。
もしかして、大きくなって、いろいろな職業を点々としたなら、
少しもかまわないではないですか?
いろいろな職業を転々として、
自分の才能に気づいていくのです。やったことは全て役に立つ。
「おまえ、いろいろなことがやれてよかったね」と、
子を誇りに思えばいい。

博士からの応用問題

うちの子はなにもやりたがらない。何をやらせても興味を持たない。
ただ食っちゃ寝食っちゃ寝をくりかえすだけで、ぼーっとしているので、
心配でたまらない。

アドラー博士の答はこうです~♪

「ああ、素敵だなぁ、飯食えて」「よく寝られてよかったなぁ」
という気持ちで接する。
拒食症の子がいたり、不眠症になったりして、
苦労している人もいる。

親自身はいろいろごちゃごちゃした見方をせずに、
いつだけ「この子は大丈夫だ」と思い続けることです。
どこから見たってこれでいいんだ、大丈夫なんだ、と
信じ続けてみることが大事です。

アドラー博士の答え…大らかですねぇ!!

子供は「過小評価」せず「過大評価せよ」

「たとえ、他人から子供が疑われても、
徹底的に信じてやれ」

というのも、博士の持論です。個を重んじる海外の教育論…参考になりますね。


 

いつもどうもありがとうございます。 

子どもを犯罪者にしないために、しっかりしつけなきゃダメなの?

2008-07-21 14:20:21 | 社会性
少年事件が、連日マスコミを賑わしています。
世間の厳しい目は親達に注がれています。

司法福祉を専門とする野田正人氏によると、

子どもが小さい時にたたいてでもしつけなければならない!!
と考えている親が、
5年ごとに10パーセントずつ増えている。
少年鑑別所や少年院の子を見ていると、

15年前は親が放任して、養育がちゃんとなされてなかった
から事件を起すケースが多かった。
しかし、今は、親が一生懸命子どもをしつけようとした結果、
それが逆効果になったケースが増えている。

のだそうです。

子育てハッピーアドバイスの明橋大二先生の話では、
これは子どもの心身症や不登校を診ていて感じる印象と同じなのだそうです。

マスコミの大騒ぎにもかかわらず、
少年非行の数は、以前に比べて増えておらず、
海外に比べ若者が殺人事件を犯す率が少ないのが、
日本の現状のようです。

この頃では、少年が事件を起すと「発達障害では…?」という疑惑の目が
向けられるようになりました。
軽度発達障害の子を持つ親は、
とりわけ未診断の方は、
犯罪者に育ててはいけないと追い詰められて、
厳しいしつけに走ってしまうかもしれません。
それは親の問題なのでしょうか?
世間の人々の冷たい目や優しさの欠如が
原因ではないでしょうか?
マスコミの報道の無責任さのせいではないでしょうか?

何度も何度もこのブログで書いてきているのですが、
子どもをそのまま、ありのままの姿で、
認めて愛することが大切です。
たとえ子どもが問題を起したときも、
迷惑な存在としてレッテルを貼るのではなくて、
その子にできることで、周囲に役立てる何かを探してあげることが必要だと
感じています。

 

いつもどうもありがとうございます。 


引用は 子育てハッピーアドバイス3 明橋大二著 1万年堂出版

生後4ヶ月の発達障害検査の話

2008-07-20 12:24:24 | 番外
知人が持ってきてくれた産経新聞の記事によると、
4ヶ月の乳児にも検査が可能だという
「パソコンを使ったデジタル検査」と「対面検査」が、
開発中なのだそうです。
2年後には、4ヶ月、9ヶ月、1歳6ヶ月、3歳の
健診時に使えるようになりそうです。


4ヶ月の赤ちゃんのデジタル検査では、
発達障害のない赤ちゃんが、人の顔、特に目を好んで見るという
特性を活用した「顔の認知の検査」では、
赤ちゃんが何秒間、人の目を見ているかを計るそうです。
1粒のイチゴを画面右側に映し、
次に左にもうひとつ映します。
最初に右のイチゴを見て、次に左のイチゴに視線が
移るか、を調べるそうです。

2年後…なら、今4ヶ月の赤ちゃんを育てている最中の
パパ ママには役に立たない気もしますが、
いつも赤ちゃんのそばにいるパパ ママは、

赤ちゃんが人の目を見ようとしない
おもちゃをじっと見たり、視線を次のおもちゃに移さない

など、あれっ?何だか気になる…
というサインに気づきやすいと思います。
もし気になることがある場合、その語の成長を注意深く見守る必要が
あるように思います。

 

いつもどうもありがとうございます。 

広汎性発達障害の子とウソ泣き~ それから工作遊び~

2008-07-19 15:45:11 | アスペルガー症候群
3歳の広汎性発達障害の☆ちゃんと
工作をして遊びました。

工作の前にちょっとしたトラブルが…。
お母さんに見てもらいたかったのでしょう…
☆ちゃんがお母さんの顔に強くおもちゃを押し付けたのです。

☆ちゃんは、見てもらいたいものがあると、
時々、相手の目の数センチ前に物を差し出す癖があります。
「危ない!、☆ちゃんだめよ。」私が、
注意すると、☆ちゃんはお母さんのひざに身を投げ出して、
エ~ンエ~ンと泣き出しました。

☆ちゃんは、とても私になついていて、常にいっしょに
遊んでもらいたがります。その私が注意するとは、
思ってもみなかった様子です。

☆ちゃんのお母さんが、「ウソ泣きなんです。このごろいつもこれなんですよ~。」
と小声でおっしゃいました。
私は泣いている☆ちゃんに声をかけてみました。
「☆ちゃんは、先生にダメって言ってほしくなかったんだね。」
お母さんのひざに伏せたまま、
☆ちゃん大きくこっくりしています。
「☆ちゃんは、お母さんにいじわるがしたかったんじゃないんだね。」
再び、こっくり。
「☆ちゃんは、お母さんにごめんなさいがいいたいんだね。」
と言うと、「ご~め~ん~な~さ~い!!」と
しぼりだすように言って、わっと泣きました。

☆ちゃんは自分の思いを頭のなかでまとめたり、
言葉で表したりするのが難しくなると、
ウソ泣きを長引かせている様子です。
気持ちを言葉でいい直して上げると、
機嫌を直して遊び始めました。

ピンクの色画用紙を出してあげると、
鉛筆で線を殴り書きし始めました。

☆ちゃんは、知能の面では、その月齢の子と変わりなく発達しているように
思われます。しかし手先が不器用で、
まだ形らしいものは描けません。
「なあに?雨?」とたずねると、
「雨!!ざー、ざー!」と答えました。

「じゃあ、お外に雨が降っていることにして、お家を作ろうか?」
☆ちゃんの絵を外の柄になるようにして、簡単なお家を作ってあげると
とても喜びました。
頭が良いだけに、思うように描けない自分の絵に、
がっくりすることも多い☆ちゃんですが、
この日は、紙の壁をつたう雨の絵が、とても気に入った様子です。
「机は?」「お茶は?」「フォークは?」と☆ちゃんからたくさんリクエスト。
工作の仕方を見せながら、いろいろ作ってあげました。

あんぱんまんのお人形を使って、上手に遊んでいます。
「次はブランコ!!」
☆ちゃんの顔に笑顔が広がりました。

 

いつもどうもありがとうございます。 

親の育て方が原因…???

2008-07-18 09:54:57 | 番外
先日、姪っ子から電話がかかってきて、
「☆が、お友達をたたくから、保育士さんにお母さん…たたいてないですか?って
きかれて、どうしても言うことをきかないときは、
おしりパッチンくらいはしますけど…そんなにたたくことはないです…
と答えたけれど…保育所から何度も注意を受けるので
悲しくなる…。」という話を聞きました。

姪っ子の息子の☆くんはただ今2歳半。
生まれた当初から、私も時々、その成長を見守ってきました。
姪っ子はおばあちゃん子で、温和な性格なので、
育てにくい激しい気性の☆くんを
とにかく一生懸命、愛情をかけて育てています。
☆くんは、言葉以外はとても成長が早く、
人と関わるのも上手ですし、2歳にならないうちから100ピースのパズルをしたり、おもちゃの仕組みを覚えて自由に動かしたり、
ダンスの振りを覚えたりして、
利発な子でした。

とにかくやんちゃで、
自分の我を通そうとしてかんしゃくを起したら止まらない所はありますが、
広汎性発達障害を思わせる特徴はまったくありません。
2歳過ぎに保育所で指摘された言葉の遅れにしても、
単語の数は少ないものの、
しゃべろうとする意欲にあふれていて、
言葉にならないいろんな声色を出して、コミュニケーションをとろうとします。
2歳半の今は、2語文をずいぶん話すようになっているので、
言葉の発達の早い子と比べると多少気になる程度だと思われます。

ならば、保育所の先生が
子どもの成長の個人差を配慮せずに過敏に反応しすぎているのか…?
というと、そうとばかりもいえない部分があるのです。

☆くんの成長の様子はとにかく常に母を手こずらせていた妹の育ちに
非常によく似ています。激しい気性は、私の父にもとてもよく似ています。
親を一時も休ませないような
ぐずるにしてもいたずらするのしても、
激しすぎる一面があるのです。
体格が良いので力も強く、
気に入らないことがあってものを投げたり、姪をたたいたりする姿は、
2歳児とは思えない様子です。
ADHDの部分はあるような気もします。

ただ、今回の相談で気になったのは、
保育士さんの
「お母さん、たたいたりしていないですか?」という言葉です。
赤ちゃん時代から見てきて、
☆くんの激しい気性は、ねんねの時期の泣き方、ふとんの蹴りあげ方、
からあらわれていて、
姪っ子の育て方が原因でないことは、身近なものなら誰もが理解している
事実です。
姪は温和で大らか、寛容で子ども好きの性格です。
それが、繰り返し、保育士さんから親の接し方についての注意を受けるので、
自信を失ってしまっているのです。

生まれ持った強い個性か…ただの魔の2歳児か…?
軽度発達障害か…親の育て方か…?
まだ判断の難しい3歳までの時期に、
親に子どもの様子を伝える時、保育のプロはとても慎重にしなくては
ならないように思います。

 

いつもどうもありがとうございます。