ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

幼稚園の先生が障害の有無を決めるの??? 2

2009-07-31 18:05:49 | 番外
幼稚園の先生が「他にもっと問題がある子が何人かいるから、この子には問題はない」と言うから……という理由で、
さまざまな発達障がいの兆候が見えるのに、
「この子は発達障がいではないんだ~」と納得してしまう方はとても多いです。
また発達障害の診断が出来ない
児童相談施設で、障害名を告げられなかったから
「うちの子は発達障がいではないんだ~」と信じこんでしまう方もいます。
そこで、親御さんが納得しているのに
もう一度発達障がいの有無を考えて子どもを観察したり、
話し合っていくのは無意味なことのようにも思えます。

幼稚園で集団生活ができているんだから~
幼稚園の先生が障害はないと言ってるんだから~
ちょっと気になることがあっても気にするのはやめよう~
そう考える方はたくさんいるのです。

ここで注意が必要なのは、

幼稚園の先生がどれくらい発達障害についての知識を持っているか
どれくらいひとりひとりの子をよく観察しているか、
自分の発言に責任を持っているか、
軽度やグレーゾーンと言われる子たちの特徴について細かい知識があるのか、
何を判断のポイントとしているか、
幼稚園が、学校とかけ離れた自由度の高いものではないか、
という点です。

私が幼稚園では問題がなくても
発達障がいを持っているかどうかは親が把握しておいた方がいい……
と考えるのにはさまざまな理由があります。

まず一番には、発達障がいがある……ということは、
今問題がなくても成長にともなって
さまざまな困った事態に遭遇するので、困った事態を事前に予防したり、
もし起こってしまったときも、できるだけスムーズに問題を乗り越えるためです。
不登校、学校での酷すぎるいじめ、学習についていけない、
非行、精神疾患、家庭内暴力……そうした事態の中にどっぷりつかってから、
長い気づくまでの時間を経て、発達障がいの問題に行き着くよりも、

幼いうちから、子どもにはどういう苦手があって、
育てる上で、どういうていねいな子育てをしていけばいいのか……を
把握して育てるのが大事だと感じているのです。

本当は発達障がいがあるのに、「ない」と信じて育てることは、
心臓病など外から見えない病気を持っているのに
外から見えないから「健康」と思い込むのに似ています。
今症状がなくても、心臓病の場合、
急激な運動をしない~などいくつか生活上の注意点があるはずです。
そうした注意点を把握せずに
適当に生活するのと、
注意点に気をつけて暮らすのでは、ずいぶんちがいますよね。
それと同じで、
発達障がいが疑われる場合、
とりあえず情報だけは集めて、ていねいに子育てする方が
問題から目をそらして、子どもの困り感を無視して育てるよりずっといいのでは……?と思うのです。




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幼稚園の先生が障害の有無を決めるの??? 1

2009-07-31 09:05:38 | 番外
知人の甥っ子ちゃんの発達について
以前、相談を受けたことがあります。
幼稚園に適応することが難しい、気にかかる言動が多い、
と祖母、知人、甥っ子ちゃんの両親が、
それぞれに気にかかることをお話され、子ども本人とも会いました。

私は、障害の有無を診断できる立場ではありません。

けれど、遊び、工作、知能ワークなどをする姿から、
個性的で自分流が強くて他から浮いてしまう心配ない子なのか、
きちんと病院に診断に行くべき子なのか、
診断とまではいかなくても、親御さんが今後も成長をていねいに見守るべき子なのか、子どもには問題はないが親の接し方に問題があって、何らか悪い習慣が子どもに身についているのかは、
だいたい見当がつきます。

それで、虹色教室ではさまざまな遊びをしていただいて、
親御さんの気づきにくい点に意識を向けていただいて、
親御さんが自分で考え判断していく手助けをしています。

この知人の甥っ子ちゃんは、
高機能自閉症と思われるさまざまな特徴を持っていました。
幼稚園からのすすめで市の相談機関にこの子を連れて行くとき
私もごいっしょさせていただいたのですが、
その際、そちらの先生は「私は診断名をくだせる立場でない」と言いつつも
くわしくたずねると疑いとして「高機能自閉症」の名前を出されました。

この甥っ子ちゃんは、おそらく受動型の子で、他人といっしょに
過すのが好きな子です。
自閉的と言われる子も、園や保育所の中でもそれほど集団行動が多くない場合、
積極奇異の子は天真爛漫な子、
受動型の子は少しおとなしいおっとりさん、
くらいにしか見えないかもしれません。

この甥っ子ちゃんも年少のときは園の先生から注意を受けることもありましたが、
年中になって先生が変わったとたん
「幼稚園でちゃんと過せていますよ。問題ありません。障害はないと思いますよ」といわれるようになりました。
すると甥っ子ちゃんのご両親は
幼稚園の先生が大丈夫というのだから
うちの子には障害はなかったんだ。去年の先生との
相性が悪かったんだ~
と考えるようになりました。
それで本を読んだり、子どもに合わせた対応を模索するのも
やめてしまいました。

中途半端ですが、話が長くなったので次回に続きます。



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危険な早期療育、早期教育が子どもの心を壊すとき

2009-07-27 10:38:51 | 自閉症
今朝、知人から「●●のブログを読んでみて。」という電話をいただいて、
さっそく☆自閉症児の母の後悔のブログに一通り目を通させていただきました。
私はこれまで、こうした話を生徒さんから口伝で耳にしたり、
海外で街をあげておこなわれた幼児教育なんかがこうした結果を生んだ話を
目にしたことがあって、その危険を気にかけていました。

このブログでは、TEACCHや視覚支援や構造化
によって問題行動が減り、集団生活に適応できるようになった自閉症の男の子が、
そうした働きかけゆえに、心が崩壊していく様子を記録していらっしゃいます。

「カナー君の心が壊れてしまったのは、我家で実施した療育プログラムの結果だと感じています。
こういうケースもあるということを、皆さんに知っていただきたくて、このブログをはじめました。」という親御さんの言葉をありがたく受け止めて
みなさんにも紹介させていただこうと思いました。

☆カナー君のこと(とうとう大爆発)

この男の子に起こった問題は、自閉症の子に限っての問題でも、療育や支援の種類に限っての問題でもありません。

子どもが、感情や意志や心を持ったひとりの人であることを無視して
親が望む子どもの姿を目標に
「飴とムチ」を使って子どもの行動を、
機械に良い行動をインプットしていくような感覚でかかわるとどうなるか
の結末が書かれています。

障害児のための早期療育も定型発達の子のための早期教育
親が望む子供の姿を目標に、
子どもを操作しよう~大人の計画の上を歩ませようという思いでおこなうと
とても危険です。

最近、
エチカの鏡の横峰式の教育の影響か、子どものやる気は、
子どもの中から生まれるのでなく、
無理やりでも良い行動を取らせて、できるようになったらうれしくて
やる気が出るんだから~
といった、子どもの心に対する鈍感な意見を口にする
親御さんをたびたび目にするようになったからです。

子どもを観察するという言葉が
個性やその子の精神の発達を無視した、大人の都合でどうやって言うことを聞かせようか~という視点からの観察になっていて、

大人による管理、支配がうまくいっていること=
子どもがよくなっている、成長している

と勘違いする方が増えているのです。

これは非常に危険なことです。
思春期までの子には有効で、目を見張る効果が得られるかもしれません。
でも、子どもは、思春期に自立し始め、
自分の意志で自分で決定して生きていかなければならないのです。

そうした時には、まじめにがんばるべきときはがんばると同じくらい
うつ病などのリスクを避けるためにも、
自分の内なる危機を察知して、どこで気を抜くか、どう休むかを選んだり、
何を喜びとするか探し出したり、
自分自身の生き方を模索したりする能力が必要です。

子どもを大人のリモコンで動く機械にしてしまうと、
こうした自立の時期を迎えるとき、
必ずといっていいほど、壊れてしまうのです。

子どもに問題行動があらわれているときというのは、
あらわれる必要があるからあらわれている場合がほとんどです。
成長に不可欠な通るべき段階、
子どもからのSOSなど。

病気でも疲れやすくて休みたいときは、
休んで身体内部の病気の悪化を抑えることが大事で、
休みたい心を無視することや、しんどくてもいかにたくさん仕事を続けるかを重視すると危険ですよね。そうしたサインは早期に受信して
きちんと対応すべきことですから。

ですから、子どもが泣いても無視する、良いときだけ反応するなどして
親や先生が正しい!良い!と思う子ども像、生徒像に
手っ取り早く変えてしまうことを続けることは、
非常に危険なことでもあるのです。

まだうまく説明できていない部分もたくさんありますが、
それはまたの機会に書かせていただきますね。



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ADHD脳とうまく付き合う方法

2009-07-18 13:24:40 | ADHD
このところ異常な忙しさが続いていて
こちらのブログの更新をずいぶん長い間サボってました。
欠かさず訪問してくださっていた方すいません~♪

もうひとつのブログで
夏休みの科学クラブとブロック教室の募集をしたところ……
大盛況だったのはいいのですが
その詰め込みぶりに……
同じADHD族を名乗る方から
「まさしくADHD…」のお言葉をいただき、ADDの特徴を持つ友だちに、
「忙しいことになってしまって……私は、ADDっぽいところがあるでしょう?だから……」と言いかけると(今回の募集状況を見守っていたらしく)「ぽいじゃなくて、ADD!!」と断言されてしまいました。
ごく一般的な感性の持ち主の方からは
「先生の元気のもとは何ですか?」とたずねられるのに、
同じADHD脳を持っている方には「まさしく…」とうなずかれるのって……
やっぱり同じような脳のタイプで
行動様式がいっしょの人には、私のすることは読めすぎて
まさしく……なんでしょうね

今している仕事は家族や周囲の人から
私にピッタリあっている!!と太鼓判を押されています。
私の脳はADHDの特徴のほとんどに当てはまりすぎて
困ったものなんですが、それも使いようで、今している仕事には
とても役立っています。

ADHDの人々は脳の活動が鈍く、短時間しか集中できないのが特徴。
きまった作業や宿題や家事や書類仕事には集中できません。
でも新しいことや刺激を与えてくれることには
完璧に集中します。
ADHDの人は一瞬が全て。明確なゴールを決めて、一歩一歩、歩むのではなく
ひとつの危機を切り抜けては次の危機をやっつけにかかります。

ADHDもADDも短所は山ほどあるけど
とりあえず長所もあります。

『片付かない!見つからない!間に合わない!』(リン・ワイス著 ニキ・リンコ訳)
によると、ADHDとADDの長所は

観察力が優れていて、セールスや放送の分野に向いている

外見に惑わされず、人だろうが状況だろうが、本質を見抜く

開けっぴろげで、体裁をつくろうことがない

ジャンルの壁にとらわれることがないので、企画力に富む

注意の対象がこころころ変わるので、マンネリにならない

一見無関係な情報に意外な関連を見つけることができる

という点です。
私のADD脳とうまく付き合う方法は
このADHDやADDの長所の部分を200パーセント活かせるスタイル
の生活や仕事をすることにつきます。
欠点に注目しても
やる気を失うだけだし、他人より欠点が多くても
長所を大きく拡張させて暮らしていると
欠点に振り回されることはなくなってきますから……ね。

私がよくないな……と思うADHDやADDの暮らし方は
自分の欠点やダメなところに注目して
普通に近づこうとがんばりすぎることです。
人一倍がんばりすぎるADHD体質がいつか燃え尽きちゃうことは
目に見えていますから。


一部『わかっているのにできないやめられない』中山玲  花風社 から引用しています


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