ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

自閉症の3歳の子どもが劇的に進歩した事例 1

2008-05-01 14:20:26 | 自閉症
「自閉症児の保育・子育て入門」 中根 晃  大月書店
という本の中で、
2歳の自閉症の女の子Bちゃんが、
あるきっかけで、短期間に非常に進歩したという
興味深い事例が載っていました。

Bちゃんは、1歳7ヶ月になると「パパ」と言って、壁を指すようになり、
2~3週間するとトマトの絵を見て、
「パパ」っというようになりました。
そして1歳10ヶ月には全ての言葉が消え、
視線が合わなくなり、手をひらひらさせたり、
同じ動作の繰り返しが目立つようになったそうです。

近所の公園で鳴り出すオルゴールの音を恐れたり、
壁のしみに顔を近づけてみるなどの行動が目立ちました。

Bちゃんが、3歳6ヶ月になったとき、
母親が大きな身振りでやってみせる手遊び歌の
動作を目で追うようになりました。
テレビの「お母さんといっしょ」の一連の動作のまねをして、
母親といっしょに走り回ったりするようになりました。
母親が描いた絵を視線でなぞるように追うようになり、
目が合うとにこっとするようになりました。
絵本が 気に入るようになり、
夜、お母さんのしてくれるお話に耳を傾けるようになりました。
また人形で遊んだり、お友達に興味を持ったりもするようになりました。

最初Bちゃんが壁のしみなどを恐れていたのは、
物を見るプロセスに障害があることを推測させる行動なのだそうです。
Bちゃんは、母親の手まねを見るようになって、
回復し始めました。
それは なぜなのでしょう?

それには、「視覚運動性の感覚入力」ということが、
関係しているそうです。
動いているものを良く見るというのは、
ひとりであるけるようになる前の幼児に見られる現象なのだそうです。
Bちゃんの知覚入力の障害は非常に深刻でしたが、

母親のしてくれる手遊びを目で追うという視覚運動系の
情報を通して、
その運動をしてくれる母親に目が向くようになり、

母の描く 絵描き歌を見ると言う「注視行動」がとれるようになり、

母に甘えるという「愛着行動」につながり、

母の声に耳を傾けると言う「傾聴行動」ができるようになった様子です。

長くなったので、続きは次回に書きますね。
 
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答えと上手につきあう♪ 自分で学ぶ

2008-05-01 09:06:59 | 教育論
学校の授業が自習だった…と聞くと、
大事な時間を無駄にされたと、怒りを覚える親御さんもいるようです。
しかし、身辺自立が大切なのと同じように、
勉強の面でも、
先生や親に依存しなくても、
自分の力で、考え理解しながら学べるように、
少しずつ自立に向かわせることは大切です。

私は、相手が発達障害の子であっても、そうでなくても、
小3くらいからは、
答えと上手につきあう方法…
つまり解答欄の活用の仕方を教えています。

学校やたいていの塾では、
答えを見ることはタブーになっているようです。
また、答合わせのためだけに使用しているようです。
ですから、「答の上手な見方」というのは、
教えてもらえません。

すると、分からない問題にぶつかったとき、
空欄にするか、
先生や親に聞くか、
という選択肢しか残っていません。
それだと、ひとりで学習しているときは常に、
わからないところはわからないまま放置されることになります。


わが子の話で恐縮ですが、
娘にも息子にも小3くらいまでに、
わからないことを自分で解決する方法だけ教えて、
後は自分で勉強させていました。
息子が、6年生になる直前になって、
「私立受験をしたい」と言い出したときも、
私は郵便局の夜間のパートに出ていたこともあって、
息子は自宅でひとりで受験勉強に励むことになりました。
1年間、自分ひとりで問題集と向き合い、
偏差値がそこそこ高い中学に合格しました。

息子が特別な力があったから…というのではなく、
虹色教室に通ってきている
中学受験を目指している子らも、
小学3~4年で
わからなければ解答欄の解説をじっくり読んでみる
それでもわからなければ基本の問題に戻ってみる
問題集を選ぶときは、まず解答の解説欄がくわしくて、
自分で理解できるレベルのものを選ぶ
先生や親のために勉強するのではなく、自分のための勉強。
ひとつでも解ける問題を増やしたいという思いを大切にする

ということを身につけるようにさせると、
5年生になるころには、入試用のハイレベル問題を、
自力でどんどん解いていくようになっています。

解答欄との具体的な付き合い方は、また次の機会に書きますが、
発達障害だからという理由で、
子どもを赤ちゃん扱いしたり、
できないと決め付けたり、
安易に疑ったり(答を写したでしょう?等)
出来るところまで教えすぎたりするのは良くないと感じています。
たとえ、5分間机に座れない子であっても、
その子のよい部分に信頼を寄せていれば、
1~2年もすれば、
自分に誇りを持って学ぶ姿勢を身につけていきますよ。


 
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