ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

発達障害のある子が喜ぶ計算練習法

2009-03-17 08:33:43 | 計算
広汎性発達障害の子どもたちは、
カチカチ音の出る機械がとても好きな子が多いです。
また、イメージの世界を求められるより
目の前に手で触れる物があるととても落ちつき意欲を燃やします。

写真は100円ショップで購入したカウンターです。
ボタンを押すと1進みます。

1からスタートし、

1+1=2
2+1=3
3+1=4
…と+1に答えながら確認にボタンを押していくと
計算がとても楽しくなります。

発達障害があって算数が苦手な子の学習を見ていると、

1+1から9+1はすんなり答えられるのに、
55+1だとわからない…
66+1だとわからない…
という子がいます。

練習したものは覚えているけど、
数の法則に気づいて解いているわけではないのです。

そこでカウンターで99+1まで練習することを繰り返したり
1+2
2+2
3+2…と練習していくと、計算が得意になってきます。

定型発達の子も、こうした訓練をすると
確かに計算力がつくのですが、私は夢中にならないなら
やらせないようにしています。(発達障害の算数の得意な子にも無理強いは禁物です)

数学的な能力が高く
数の法則を発見するのがうまい子は、
もっとランダムでさまざまな気づきを生んでくれるような遊びが適しています。
こうした単純な繰り返しをさせていると、
そうした能力がにぶる時があるようです。(100マス計算も同じです)

定型発達の子も感覚が優越機能にある子は
こうした秩序のある世界を好みますし、
こうした活動からさまざまな発見をします。

また幼児期は敏感期と重なると、どのタイプの子でも
こうした活動を繰り返したがるときがあるので、
やりたがるならたくさんさせると計算力が向上すると思います。

(私が幼児を観察していると、直感や思考が優越機能にある子は
5歳くらいの時期にそれまで遅れていた感覚を発達させようとする活動が増え、
おりがみで同じものを折り続けたり、
こうした単純な繰り返しに没頭するように思います。)


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割り算が苦手な広汎性発達障害の子 1

2009-02-01 18:12:04 | 計算
小4の☆ちゃんは、割り算の筆算の壁が越えられそうもないという
広汎性発達障害の女の子です。
お母さんといっしょに神奈川から来てくれました。

☆ちゃんが今困っているのは、

3ケタ÷2ケタ

といったかなり難しい計算です。
学校では、こんな難しい課題に挑戦しているというのに

まだ手を使って計算をしている
くりさがりのある引き算ができたり、できなかったり…
時計が読めない
数を見ているとすぐに眠くなる
筆算のルールはすぐにごちゃごちゃになってしまう…

など、
4年生の後半の割り算の前に
クリアーしておかなければならない課題が山積みです。

☆ちゃんに他の教科についてたずねると
「国語は得意」という返事が返ってきました。
お母さんの話では、テストの点もよく、特に読解問題は好きなのだそうです。

私は国語ができるという話を聞いて少しほっとしました。
LDなどが原因で、数に関する理解に深刻な問題があっても
国語力があるなら、数の操作を言葉の知識に変えて
想像力にうったえていけば、
なんとかなりそうな予感がしたからです。

☆ちゃんのレッスンは次回に続きます。


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3桁のくりさがりの計算をマスターする方法

2008-07-05 13:59:49 | 計算
大きな桁のくりさがりの学習をする前に、
10枚と大きな1枚を交換するさまざまな
ゲームをしておくと、
理解するのが早くなります。

またお手伝いなども、ポイントチケットを与えて、
10枚ためると、ゲーム30分券と交換するなど、
10 1を
日頃から意識させていくと、ここでつまずきません。

写真では、小さなチップが1
カエルの札が10
はすの葉が100
という設定で、くりさがりを学んでいるところです。

よくこうした学習をタイルなどでする場合がありますが、
軽度発達障害を持った子の中には、
よく似ていて、微妙にサイズがちがう…
という設定が混乱を招く時があります。

写真の3種くらい違いにインパクトがあると、
案外すんなりわかってくれます。

142-15=

カエル1枚をまずよけておいてから…

カエル1枚を小さいの10枚と両替します。
それから5もよけて…

最後に数を確認します。
127

位ごとに数を確認してから、先ほどの両替の操作を
筆算の上で表すにはどうすればよいか、
教えます。


 

いつもどうもありがとうございます。

計算が得意になる遊び♪ トランプでもできます。

2008-07-03 17:26:05 | 計算
子どもがとても喜ぶ計算が得意になる遊びを紹介します。
どこが面白いか…というと、
計算ゲームに「夜店」の楽しみのような
「くじびき」とか「買い物」の要素を加えているからです。

両替ゲームに似ていますね…

ほぼ同じです…

10枚ずつラミィカードか、トランプを配ります。
チップも10枚配ります。

2~3枚で、足したり引いたりかけたり割ったりして10になったら、
前にそのカードを出して、
チップを5枚もらいます。

12と8と6
だと12-8+6=10なので、5枚チップがもらえます。

4と6でも5枚もらえます。

10が作れない時は、お店屋さん
(10枚のラミィキューブの駒かトランプの表を向けているところ)で、
チップを2枚出せば好きな駒が買えます。

また、くじびき(駒かトランプが裏向き)で、チップを
1枚出せば1個裏のまま選べます。

たくさんチップを貯めた人が勝ちです。


このゲームは10の合成を覚える時にも
とても役に立ちます。
なぜかどの子も勉強好きになる不思議なゲームです。


 

いつもどうもありがとうございます。

☆×10や☆×100が理解できません。

2008-05-19 08:48:21 | 計算
☆ちゃんは算数にLDがあるため、
新しい概念の理解に長い時間がかかります。

ゲームなどを通して、
ようやく九九の意味を理解したのですが、
×10や×100など
かける数が大きくなると、何のことだかわっぱりわからなく
なったというお話でした。

そこで、
×10を体験してもらうため、
卵の空きパックの10個のへこみに、
3個づつ人形を入れていってもらいました。

その後、人形をパックから取り出し、
3列に並べて、
3×10について体験してもらいました。
また、「この3×10の人形の乗った卵パックを
10個作ったら
3×100だよ~。」
と説明しました。

一度、こうした体験をすると、
量の感覚が、とてもつかみやすくなります♪

 
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100マス計算は、本当に学力アップにつながるのでしょうか?

2008-05-07 09:58:05 | 計算
世の中、100マス計算ブームですね。
実は、私が小学校のころも、100マス計算が「夢の学力上達法」として、
教育現場で脚光を浴びていました。
これが苦手で苦手で、
高学年になっても、
ミスは連発するわ、タイムは上がらないわ…で、
家でもたっぷり100マス計算を練習するノートを準備されていた私は、
毎日、泣く泣くチャレンジしていました。

ADD傾向のある私にすれば、
縦横を交差させながら、順番に単純計算を繰り返す作業は、
苦行でしかありませんでした。
それに、競争とつくものが大嫌いな性格です。
時間に追われる感じも苦痛で苦痛で…。

その頃、私は近所の本屋さんで、
「プール女学院?(確かそんな名前でしたが…記憶の彼方)」の私立中学の過去問題が売り出されいるのに、
興味を惹かれていました。プールという名前が気になったのかもしれません。
そこで、好奇心から、おこづかいでそれを購入してみました。
国語のテストにチャレンジしてみると、
今まで感じたことのないおもしろさでした。
それで、算数の問題も解いてみると、
よくよく考えてみないとわからないものばかりです。
公式をまったく知らなかったのであたり前なのですか、
その日以来、すっかり受験の算数問題のとりこになってしまいました。
パズルのように感じたのだと思います。
ゆっくりじっくり取り組む楽しさを満喫しました。

そこで、おこづかいをもらう度に、
他の中学の受験問題も買って、
こそこそと解いては勉強机のうしろに隠していました。
なぜ隠していたかと言うと、
「100マス計算もせずにそんなものをしている!」
と注意されるのではないかと、ビクビクしていたからです
中学に入ってからは、数学は得意科目になりました。


それから20年あまり経って、
息子が小学生になったとき、
息子もやっぱり100マス計算が大の苦手でした。
小3になっても、ミスが多く、タイムも縮まりません。
ただ、息子の数学的な能力はかなり早熟で、
小3のときには、
私が中学生に教えている横から、習ったこともないのに、
解き方を言い当てたりしていました。
そして、高校生となった今も、数学は得意科目です。

そんな私や息子の100マス計算との付き合いから考えると…
100マス計算は、基礎学力をつけるのに
有効な手段ではあるけれど、
100マス、100マスと祭り上げて、
それができないと算数も数学もダメだ…と決め付けるのは、
ちょっと偏った考え方じゃないかなぁ?
と思います。

100マス計算は、算数の力をつけるためのたくさんの選択肢のひとつとして、
適度な位置づけをしてはじめて
価値が出てくるものではないでしょうか?
 
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かけざんの九九を幼児に楽しく覚える方法

2008-03-24 21:20:42 | 計算
前回の記事に登場した☆ちゃんが作ってきてくれた
「かけざんのチップ」
100円グッズのマグネットシートを丸く切って
1~9の数にちなんだ
イラストを描いてくれています。

写真は
5のチップ。

かけざんを唱えるときに
チップを置きながら唱えると
楽しいだけでなく
かけざんの意味の理解につながります。

 
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なかなかやる気の出ない子に 乗り気で計算させる方法

2008-03-12 21:59:23 | 計算
計算を嫌がってなかなか上達しない子に
楽しく練習させる方法を紹介します。

計算カード…ワーク(使用済み)を切り抜いて作ったカードです。…
の前に手を出させて 
「すばやく答えないと
ぱちんと叩くよ!」と今にもぱちんと叩きそうに
手を構えておきます。

本当はたたくまねか 空振りなんですが
このドキドキ感がたまらないらしくて
かなり長い時間 計算をしたがります♪

 
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100マス計算にかかる時間を速くする方法

2008-03-10 17:12:55 | 計算
100マス計算にとても時間がかかる子がいます。
そうした子に、苦行のように
何度も100マス計算の練習をさせたところで、
あまり上達しないようです。

それよりも、一度、100マス計算をする様子を
よく観察して
時間がかかる理由をはっきりさせた方が、
上達への近道です。

小1の☆ちゃんは、「引き算の100マス計算に時間がかかりすぎている。」
というお話でした。
実際 時間を計って100マス計算を
しているようすを見せてもらうと、
けっして計算自体は遅い方ではなく、
わからない計算式もないことが判明しました。

が、実際には、かなり時間がかかっています。
なぜかと言うと、ミスをした時、
それを消すことに必死になって時間をロスしたり
途中で、集中力が途切れて、
足すのだったか引くのだったかわからなくなって、
こんがらがったりしているのです。

こうした理由で遅い場合は
まずは、もしミスしてしまったときは、
どうすればいいか?

を具体的に教えて、
ミスするたびに、あとの全部の仕上げに影響してしまう
癖を修正してあげた方がいいです。
それとミスしやすい計算…☆ちゃんの場合は
6+7や8+5でしたが、
そこだけ口で言う練習をするのも大事です。

学校では、みなに100マス…とするやり方を改めて
100マスにチャレンジする子
50マスにチャレンジする子
と分量を分けた方が、
上達につながるようにも思います。
理解力はあるけれど、
集中力が弱いという子に、
分量の多すぎる課題を与え続けていると、
勉強が嫌になってしまうようにも感じます。

 
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女の子が喜ぶ 1の位 10の位 100の位の学習

2008-03-02 19:38:09 | 計算
みなが すんなり理解して進める所で
同じ年の他の子の何倍も 何十倍も時間がかかる子がいます。
教える側も根気が要りますが
子ども自身の辛さと大変さは 想像を絶します。

こうしたタイプの子には
出来る限り その子が親しみを感じ イメージしやすいものを
教材に選ぶのが良いと思います。

写真はメモ帳です。
かわいらしいメモ帳は 100枚入り分厚いものでも
100円ショップで買うことができます。
メモやシールなどのファンシー文具は
女の子が大好きですから
学習への意欲がとても高まります。

メモをはがしていって
10枚ずつ束ねて クリップで留める作業をします。
その後 10枚の束の数と ばらの紙の数を数えて
10の位は☆ 1の位は☆と
数を書き込みます。

たとえば 36だった場合
「7枚メモをください」と頼み

10の束をいったんばらして
7を引き
残りをあわせます。

その後 36-7=29という筆算を
大きな位から借りてくる過程をしっかり見せながら
教えることも大事です。

こんな風に身近なもので くりかえし 「くりあがり くりさがり」を
学んでいると 少しずつですが理解が進みます。
子どもによっては 何度教えても理解していないように
見える子もいます。
それでも興味を持って参加している限り
必ず何か蓄積されています


ひとつを理解するのに
いろんな種類の経験を積むのがいいようです。
身近なもので たくさん数のあるものを見直してくださいね。



 
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10の合成をマスターするパズル♪

2008-02-04 16:58:04 | 計算
1~9までの数のカード(写真はアルゴカードです)
があると
1までの合成を学ぶパズル遊びができます。

まず数カードを4枚選び
あといくつで10になるか 大人と一緒にチップを
置いていきます。
置き終わったら 
チップをぐちゃぐちゃにして
パズル開始です。

元通り10になるようにチップを置けるでしょうか?

 

絵を描くのが好きな子に 計算を教える

2008-02-03 19:05:11 | 計算
くりあがりが苦手‥という☆ちゃんに
ブロックでくりあがりの仕組みを教えました。

この☆ちゃん 絵を描いたり 工作をしたりするのが
好きな子です。
それなら きっと 数の式で教えるより
形のパターンで教えたほうが
覚えやすいんじゃないかな‥??
という予想 大当たり!でした。

まずブロックで作った1~10の形(写真のように5といくつか‥で作ります)
がパッと言えるように練習します。

そのあとで たす2 たす3‥と練習していきます。

頭の中で 形をイメージして解くように
うながします。
子どもによっては 同じことを「おはじき」でするより
ブロックでする方が 定着しやすいようです。

 

10の合成がしっかりマスターできる教具

2008-01-27 14:50:41 | 計算
10の合成がしっかりマスターできるように
教具を作りました。

市販のオセロにあわせて
10×10のマス目のある盤を作るだけです。

遊び方
写真のようにオセロの駒を置いて
さいころを振ります。
出たさいころの目の数だけ
オセロの盤の上に置けます。

一列(10)そろったら
その10個の駒がもらえます。

遊ぶとき「そう、6たす4は10よね。」と言うように
ひとこと言葉で確認してあげるようにすると
さらに「いくつといくつで10になるか‥」がしっかり
わかってきます。



くり下がりの筆算はむずかしい‥物語で理解する

2008-01-23 19:20:18 | 計算
2けたのくりさがりの筆算をしている☆ちゃん。
「となりの位から1借りてきたら10になる‥」ということの
意味がピンとこない様子です。

そこでこんなお話をしました。

「1の位にはねずみさん
10の位には人間
100の位には象さんが住んでいます。

ねずみさんの家で 4ひく6‥つまり4個しかパンがないのに6食べたい‥
ということになりました。
ピンチ!
そうだ人間にパンをもらってこよう。
人間のパンは大きいから1個だけもらってきたら
ねずみさんの10個分。
忘れずに 人間のパンを1個減らしてね。
よかった。助かったね。


今度は人間のパンが足りないよ。
そうだ!象さんにもらってこよう。象さんのパンは大きいから
1個もらってきたら人間のパンの10個分‥。」

こんな風に物語でイメージさせると
☆ちゃん きちんと筆算ができるようになりました。

「なら‥千万の位はドラゴンよね。でも1万の位ってなにかなぁ?」
とたずねると
あっさり「大仏さん!!」という答え
大仏さんは ドラゴンより大きいのか‥疑問です。