この春まで 市の施設で
工作を教えていました。
来たい子が自由に参加する
無料の 月一回きりの工作教室です。
すぐ向かいにある小学校の子どもたちが
放課後 寄ってくれていました。
そこに毎回来る低学年の男の子で
そうとうの困ったちゃんがいました。
工作自体は しないのですが
誰かが かっこいい作品を作ると
その度に それを私に作るようにせっついて
かんしゃくを起こすのです。
「みんな自分で作っているよ。
手伝ってあげるから いっしょに作ろうね。」と言うと
工作室を抜け出し 遊具の置いてあるコーナーのものを
がらがら引っくり返したり
壁を蹴って「先生が差別する!」とわめいていました。
工作室の外には 数人 職員さんがいらして
危なくないように 見ていてくださるので
(片づけまでしてくださる)
私は教室の子供たちの工作を指導しながら
その子の「作ってくれ。」とわめいていた物を
せっせと涼しい顔で作ってました。
こういうのって教育上 良くないのかもしれませんけど…ね。
そうして3分もすると ふてくされたその子が
「差別先生」とののしりながら戻ってきます。
そこで「さあ、欲しがってた物を作っておいたわよ。
もう いじけたことを言うのはやめて
いっしょに すごいものを作りましょう。」
と誘うと しゃっくりあげながら
「こんなもんいらん。」
と私の作ったものを床に投げつけるのです。
それでも可愛いのは 工作教室の
常連さんなことですけどね。
自由参加なんですから…。
この子が来るのを見込んで 私も紙製の剣や鎧飛ばし物なんか
の材料を用意してました。
「それならいいよ。こんなにすごい機能がついてたんだけどなぁ。」と
投げた作品を拾って楽しく 遊ぶふりをすると
目がまん丸くなんって 顔を輝かせ
今度は 泣きながらそれを奪い返します。
が その時 必ずさらに別の子が作ったものが
目に入るのですよ。
で、またせっつく。
「いっしょに作ろう」と誘う。
また外へ。
暴れる。
号泣しながら戻ってきてののしる。
私はまた次に言われた物を 涼しい顔で作っておく。
(教育上良くないことは重々承知しています)
「いらん。」と投げる。
私が楽しそうに遊んでみせる。
奪い返す。
次に また別の子が作っているものが欲しくなる。
という具合にエンドレスな同じ繰り返しが いつも4,5回は
続くのです。
ドールハウス作っている女の子たちは
「やれやれ。」とため息ついてました。
(彼女たちが言うには 男の子は全員 赤ちゃんぽいらしい……)
男の子たちは
私がその子が戻ってくるまでに
作っているものを
面白そうに眺めていました。
そして毎回一回はその子が とても危険なことをして
私が雷を落とす…という展開が繰り広げられるのですが
その間「この先生 あまいで~。」
とからかってふざけていました。
(かなり きつく叱っている最中に これです。)
そして中には
「もう ええやん。おれの作ったんやったらあげるし~。」
と気前のいいことを言う子も 何人かいました。
}
くわしくはわかりませんでしたが
その子は かなり多くの問題を抱えていたようです。
吐きそうになるほどの 感情の高ぶりが
常時
続いていましたから……
かなり通ってくれていたのに
その子に 教えることのできた
「工作技術」は ほとんどありませんでした。
それに「ごねたら何かもらえる」なんて
道徳上 良くない働きかけを してしまったのかも知れません。
でも 私なりに 「工作技術」でも「道徳」でもなく
その子にどうしても
教えたい 伝えたいことが あったのです。
それは 先生も友達も差別なんかしないし
自分さえ がんばってみようと決心したら
いつでも そこからスタートできるということ。
どんなに切れて かんしゃくを起こしてしまった後だって
ちゃんと自分の帰ってくるのを待って
準備していてくれる人が いるということ。
写真は 工作教室の生徒が作ってくれました。かなり美化された私です。
工作を教えていました。
来たい子が自由に参加する
無料の 月一回きりの工作教室です。
すぐ向かいにある小学校の子どもたちが
放課後 寄ってくれていました。
そこに毎回来る低学年の男の子で
そうとうの困ったちゃんがいました。
工作自体は しないのですが
誰かが かっこいい作品を作ると
その度に それを私に作るようにせっついて
かんしゃくを起こすのです。
「みんな自分で作っているよ。
手伝ってあげるから いっしょに作ろうね。」と言うと
工作室を抜け出し 遊具の置いてあるコーナーのものを
がらがら引っくり返したり
壁を蹴って「先生が差別する!」とわめいていました。
工作室の外には 数人 職員さんがいらして
危なくないように 見ていてくださるので
(片づけまでしてくださる)
私は教室の子供たちの工作を指導しながら
その子の「作ってくれ。」とわめいていた物を
せっせと涼しい顔で作ってました。
こういうのって教育上 良くないのかもしれませんけど…ね。
そうして3分もすると ふてくされたその子が
「差別先生」とののしりながら戻ってきます。
そこで「さあ、欲しがってた物を作っておいたわよ。
もう いじけたことを言うのはやめて
いっしょに すごいものを作りましょう。」
と誘うと しゃっくりあげながら
「こんなもんいらん。」
と私の作ったものを床に投げつけるのです。
それでも可愛いのは 工作教室の
常連さんなことですけどね。
自由参加なんですから…。
この子が来るのを見込んで 私も紙製の剣や鎧飛ばし物なんか
の材料を用意してました。
「それならいいよ。こんなにすごい機能がついてたんだけどなぁ。」と
投げた作品を拾って楽しく 遊ぶふりをすると
目がまん丸くなんって 顔を輝かせ
今度は 泣きながらそれを奪い返します。
が その時 必ずさらに別の子が作ったものが
目に入るのですよ。
で、またせっつく。
「いっしょに作ろう」と誘う。
また外へ。
暴れる。
号泣しながら戻ってきてののしる。
私はまた次に言われた物を 涼しい顔で作っておく。
(教育上良くないことは重々承知しています)
「いらん。」と投げる。
私が楽しそうに遊んでみせる。
奪い返す。
次に また別の子が作っているものが欲しくなる。
という具合にエンドレスな同じ繰り返しが いつも4,5回は
続くのです。
ドールハウス作っている女の子たちは
「やれやれ。」とため息ついてました。
(彼女たちが言うには 男の子は全員 赤ちゃんぽいらしい……)
男の子たちは
私がその子が戻ってくるまでに
作っているものを
面白そうに眺めていました。
そして毎回一回はその子が とても危険なことをして
私が雷を落とす…という展開が繰り広げられるのですが
その間「この先生 あまいで~。」
とからかってふざけていました。
(かなり きつく叱っている最中に これです。)
そして中には
「もう ええやん。おれの作ったんやったらあげるし~。」
と気前のいいことを言う子も 何人かいました。
}
くわしくはわかりませんでしたが
その子は かなり多くの問題を抱えていたようです。
吐きそうになるほどの 感情の高ぶりが
常時
続いていましたから……
かなり通ってくれていたのに
その子に 教えることのできた
「工作技術」は ほとんどありませんでした。
それに「ごねたら何かもらえる」なんて
道徳上 良くない働きかけを してしまったのかも知れません。
でも 私なりに 「工作技術」でも「道徳」でもなく
その子にどうしても
教えたい 伝えたいことが あったのです。
それは 先生も友達も差別なんかしないし
自分さえ がんばってみようと決心したら
いつでも そこからスタートできるということ。
どんなに切れて かんしゃくを起こしてしまった後だって
ちゃんと自分の帰ってくるのを待って
準備していてくれる人が いるということ。
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