ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

何を教える? 何を伝える?

2007-07-31 19:03:19 | 番外
この春まで 市の施設で
工作を教えていました。
来たい子が自由に参加する
無料の 月一回きりの工作教室です。
すぐ向かいにある小学校の子どもたちが
放課後 寄ってくれていました。

そこに毎回来る低学年の男の子で
そうとうの困ったちゃんがいました。

工作自体は しないのですが
誰かが かっこいい作品を作ると
その度に それを私に作るようにせっついて
かんしゃくを起こすのです。

「みんな自分で作っているよ。
手伝ってあげるから いっしょに作ろうね。」と言うと
工作室を抜け出し 遊具の置いてあるコーナーのものを
がらがら引っくり返したり
壁を蹴って「先生が差別する!」とわめいていました。

工作室の外には 数人 職員さんがいらして
危なくないように 見ていてくださるので
(片づけまでしてくださる)
私は教室の子供たちの工作を指導しながら
その子の「作ってくれ。」とわめいていた物を
せっせと涼しい顔で作ってました。
こういうのって教育上 良くないのかもしれませんけど…ね。

そうして3分もすると ふてくされたその子が
「差別先生」とののしりながら戻ってきます。

そこで「さあ、欲しがってた物を作っておいたわよ。
もう いじけたことを言うのはやめて 
いっしょに すごいものを作りましょう。」
と誘うと しゃっくりあげながら
「こんなもんいらん。」
と私の作ったものを床に投げつけるのです。

それでも可愛いのは 工作教室の 
常連さんなことですけどね。
自由参加なんですから…。
この子が来るのを見込んで 私も紙製の剣や鎧飛ばし物なんか
の材料を用意してました。

「それならいいよ。こんなにすごい機能がついてたんだけどなぁ。」と
投げた作品を拾って楽しく 遊ぶふりをすると
目がまん丸くなんって 顔を輝かせ
今度は 泣きながらそれを奪い返します。

が その時 必ずさらに別の子が作ったものが
目に入るのですよ。
で、またせっつく。
「いっしょに作ろう」と誘う。
また外へ。
暴れる。
号泣しながら戻ってきてののしる。
私はまた次に言われた物を 涼しい顔で作っておく。
(教育上良くないことは重々承知しています)
「いらん。」と投げる。
私が楽しそうに遊んでみせる。
奪い返す。
次に また別の子が作っているものが欲しくなる。

という具合にエンドレスな同じ繰り返しが いつも4,5回は
続くのです。

ドールハウス作っている女の子たちは
「やれやれ。」とため息ついてました。
(彼女たちが言うには 男の子は全員 赤ちゃんぽいらしい……)

男の子たちは 
私がその子が戻ってくるまでに
作っているものを 
面白そうに眺めていました。
そして毎回一回はその子が とても危険なことをして 
私が雷を落とす…という展開が繰り広げられるのですが
その間「この先生 あまいで~。」
とからかってふざけていました。
(かなり きつく叱っている最中に これです。)
そして中には 
「もう ええやん。おれの作ったんやったらあげるし~。」
と気前のいいことを言う子も 何人かいました。
}
くわしくはわかりませんでしたが
その子は かなり多くの問題を抱えていたようです。
吐きそうになるほどの 感情の高ぶりが 
常時
続いていましたから……

かなり通ってくれていたのに
その子に 教えることのできた
「工作技術」は ほとんどありませんでした。

それに「ごねたら何かもらえる」なんて
道徳上 良くない働きかけを してしまったのかも知れません。

でも 私なりに 「工作技術」でも「道徳」でもなく
その子にどうしても
教えたい 伝えたいことが あったのです。

   それは 先生も友達も差別なんかしないし

   自分さえ がんばってみようと決心したら

   いつでも そこからスタートできるということ。

   どんなに切れて かんしゃくを起こしてしまった後だって

   ちゃんと自分の帰ってくるのを待って

   準備していてくれる人が いるということ。

写真は 工作教室の生徒が作ってくれました。かなり美化された私です。

アスペっ子に教える上で 最も注意すること

2007-07-31 10:39:38 | アスペルガー症候群
アスペルガー症候群を持った子に
上手に教えるコツは

☆優しく 
落ち着いた 
一定のトーンの
ゆっくりめの口調で説明する

それにつきます。

口調であって
態度ではありません。
乱暴な口調で声をかけながら
実は 子どもへの愛で目は笑っている…
そんな熱血先生は
アスペっ子には 向かないようです。

ある時
アスペくんを教えていた時に
「もう ぼく バッチリですね。」
とさわやかな口調で繰り返すので
一瞬 ???な気持ちになってしまいました。

本当は
「ものすごく簡単な計算を
何度も何度も間違えて ようやくできた。」のが現実なのです。

が アスペッ子のこの子にとって
「ものすごく簡単な計算を
何度も何度も間違えて ようやくできた。」
という事実以上に

私が落ち着き払って
「大丈夫。よくできてるよ。」「うん できてる。ここだけ直せばばっちり。」
と声かけしながら
教えていた 
その言葉と口調の方が
その子にとっての
真実になったようなのです。
言葉をそのまんま素直に受け取りますからね。

良い言葉を選んで 伝えてあげたいと思います。

これがADHDの子だったら
こうは いきません。
「よくできてるよ。」
「ううん、できてない。」
「どうして? できてるじゃない。」
「だって とっくにクラスの他の子はできてたもん。」
という会話になってしまいます。


アスペっ子は 教える側の精神状態さえよければ
かわいい生徒です。

我が子に向かって

優しく 
落ち着いた 
一定のトーンの
ゆっくりめの口調で

声かけするのは難しいですが

「宿題しなさい」と言うまえに

「あと10分して 時計が8時になったら
机にすわって 勉強道具を出して
えんぴつが削れているか確かめて
宿題の●●をしなさいね。」
とゆっくり言うと

その日の苦労が激減するかもしれません
イラストは数えきれない太陽から。「贈り物」
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指でする計算を 卒業できない子には?(2)

2007-07-31 06:27:59 | 計算
前回は 指でする計算を卒業できない子に
「指で計算しなさい」と注意しても
意味をなさない…というところまででした。

本当のところ 指っていうのは 計算機として
なかなかの 優れものです。
ちゃんと左右に5本づつあって
そろばんのように 十進法対応?ですから。

そこで指計算を卒業するために
遠回りまわりなようでも
まずは 指を使ってする計算の機能を
アップさせましょう。

   <指計算機能アップの第一目標>

☆指を一本ずつ数えながら折っていくのではなく
指の数を見るだけで いくつかわかるようにする。
(「ピース」の形は「2」です。)

☆7の指を出している時
折ったままの指をみれば
「後いくつで10になるのか」
わかるようにする。

☆上のふたつが
指なしで頭に浮かぶようにする。


これらの目標がクリアーできると
指での計算を卒業するのも
あとわずか…
「くりあがりのある計算」も
グーンと教えやすくなります。
それでは <上の目標をクリアーするための遊び>を
いくつか紹介します。

☆「指じゃんけん」

向かい合って
じゃんけんをする要領で
「じゃーんけんで7! お次は9! お次は5!…。」
と教える側のリズムの良い歌にあわせて
いっしょに指をその数の形にして
出していきます。
間違えたら 言う役を変わります。

☆「指じゃんけん2」

「じゃーんけんで7!お次は9!…」
としていくところまでは 上と同じ。
今度は子供に
7の時は「後3で10」と言わせます。
9の時は「後1で10」です。
残りの指を見ればわかるので
きっとできるようになるでしょう。

☆「目を閉じて…」
指じゃんけんがスムーズにできるほど
上達したら
「目を閉じて 7の指を想像してごらん。」
とうながします。
もし あといくつで10になるかも
頭に浮かべることができたら合格です。

☆10進法バス
上の写真は虹色教室で
くりあがりをマスターさせるために使っている
教材です。くわしい学び方が知りたい方は
ここをクリックしてください。 
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指を使ってする計算を 卒業できない子には?(1)

2007-07-30 23:01:52 | 計算
小学校入学当初は 足し算や引き算を
指を使ってする子は
けっこういます。

しかし 日が経つにつれ
その数は 次第に減っていきます。

そして 算数の学習が
「くりあがりのある計算」へと進む頃には
ほとんどの子が 指を使わないでも計算できるようになっています。

両手の指を 総動員しても
「くりあがりのある計算」はできませんよね?

しかし ここで困るのは
指で計算することを 卒業できない子どもたちです。

算数のLDがある子はもちろん…
一度覚えたやり方にこだわるアスペちゃん…
新しいルールの説明に集中できないADHDの子…などは

「指を折って数えられるところまで限定!!で算数ができる子」
になるか…
この「くりあがりのある計算」をマスターする山の前で 
長い間 足止めを食う子になる…
可能性が大ありです。

そこで親御さんも先生も
子供が計算している横で
「指を使ってはいけません。」と繰り返すわけですが
指を使わないと 計算できないのですから
指を使ってはいけない場合
まったく 計算できません。


私は こうした子供たちに
指で計算させながら
指なしで計算できるようになるための準備をしています。

ここまで読んでくださってありがとうございます。続きは 次の記事で書きますね。

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手先が不器用な子を器用にする方法

2007-07-30 09:19:16 | 不器用
発達障害を持った子は
たいてい 手先が不器用です。
不器用さの原因としては
触覚(皮膚の感覚)
固有感覚(筋肉や骨を通じて内的に感じる感覚)
痛覚などの 感覚系の鈍さ(それゆえの過敏も含みます)が
底にあるらしいです。

これって 感覚の鈍さだけにとどまらず
その上になりたっている言語 認知 
…つまり学習の困難へ影響を与えているのだそうです。

この「感覚」に訴えて 動きを伴った活動に導き
多くの発達遅滞児を 
普通児のレベルを超えるまでに
教育した方がいました。

モンテッソーリです。

現在 モンテッソーリ教育として
耳にした方もいるのではないでしょうか?

この「モンテッソーリ教育」
奥が深すぎて 簡単には説明しにくいので
興味のある方は 図書館ででも借りて
関連本に目を通されることをオススメします。

私はモンテッソーリの
「子供を観察する」ことを中心に展開する
教育が大好きです。

でも わざわざ 
モンテッソーリの教具を買ったり
教育施設に通わなくても 
お家で そのメソッドを
取り入れていくだけで
十分その恩恵を授かることができます。

障害を持つ子を ほとんど障害のない状態にまで
導いていくことさえ 可能だと思います。

モンテッソーリ的な 私の取り組みとしては
子供のいたずら…

「シールを壁にはっちゃった」とか
「家具のすきまに何かをつっこんだ」など
を軽視せず

「その行為で 手による どのような内面の満足感を求めようとしているのか。」
「今 この子のどの部分が急速な発達を遂げようとしているのか」
と見極めるようにしています。

上のいたずらの場合でしたら
たっぷりのシールと 貼るもの(ペットボトルなど)を与えたり
箱に小さな穴をあけ 満足がいくまで
何かを 押し込んで入れるようにしてあげたりします。

わざと飲み物をひっくり返す子には

何度も水を汲んでは 他のコップに移して遊べるように
しています。

これらの効果?
もう すごいです。
問題行動は激減します。

もし 子供さんの問題行動に適した
遊びが思いつかない時はコメントをください。
少しはお役に立てるかもしれません。

イラストは数えきれない太陽から。「夢からの帰り道」
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ADHDの子は超短期集中型?

2007-07-29 19:03:09 | ADHD
ADHD、ADDの子は飽きっぽく
集中力がないと よく言われます。

私は …超短期集中型?と呼んでいます。
自分の性質に対して 名づけたものですが…。

ADD傾向のためか 
今でも「根気よく」とか「コツコツ」とかいう言葉は
私の辞書にありません。
それでも「資格試験を受ける」とか
「画集や絵本を計画から完成まで持っていく」とか
「自分の考えたこと 経験したことを記録に残す」
とか どうしてもやり遂げたいと思うことは
これもまたADD傾向のためか
両手にあまるほど あるのです。

そこで かつては
超短期集中型(要は 手をつけてはすぐ放り出す)
の自分の性質を
せめて短期集中型にまで格上げしようと
努力していました。

が やっぱり生まれ持った気質は
そうそう変わることはないのです。
そこで対策を変更し
「超短期集中型」という態度を変えないままで
「長期に渡って努力が必要な計画」を
やりとげる方法を練りました。

途中で嫌になって投げ出しても 次にすぐに始められるようにしておく。

一回一回にする量を らくらくできる量に分けて 進行状態が目で見れるように表にしておく 

自分にごほうび。それも目の前に にんじんを吊らすように 少しの努力で すぐ手に入るごほうびを考えておく。(テレビを10分見る お茶にする…など)

こうした工夫のおかげで 
私の生産性はグーンとアップしました。
「やりたいな」と思ったことは
たいてい完成の日の目をみることになりました。


この方法 お子さんに夏休みの宿題をさせる際にも
役立ちますよ。

私はADHD傾向のある子には
1回3問くらい問題をさせて
その都度 小さなゴールにつけたことを褒めてから
目の前に ゴム人形を1体置きます。
そうして ゴム人形が10体も並ぶころには
けっこうな量 進んでいることになります

そんなことばかりしていたら 根気が養えないのではないか?
と心配になる方もいますよね。
でも 大丈夫。
叱られてではなく 自分で やり遂げたという自信は
自己肯定感をアップさせ
授業のように 我慢しなければならない場所では
ちゃんとできる子へと成長させていきます。

イラストは絵本用にかきました。「蜂の子」
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番外 環状線に乗って

2007-07-28 20:07:36 | 番外
数年前 
これといった理由もないのに
心にぽかっと穴があいた様で 
毎日がむなしく 苦しかった時期があります。

その頃 書いた「環状線」という詩は
今の気楽な暮らしからは 遠いところにあります。

でも今の気持ちで読み返すと
その頃には 考えもよらなかったけれど
当時の日々の 
苦しいなりの貴重な日々が
そのころ味わった気持ちが
かけがえのないものに思えてくるのです。

発達障害を持つお子さんを持つということは
幾重にも理由があった上で
地下の環状線をぐるぐる回っているような当時の私の心に
近いものがあるかもしれません。
その辛い乗り物から 降りることも
外の景色を楽しむこともできない…
不安と安心の間を振動していくだけ…
というところで

でも 少し離れたところから
応援している私としては
その日々が 何ともいえなく綺麗なものに
みえたりします。
他の誰にも変われない その人しかできない
かけがえのないものに 感じたりします。

「環状線」…暗い詩ですが よかったら詩を読んでくださいね。

       「環状線」
   
   だれかに望まれて
   期待されて
   ほめてほしくて
   認められたくて
   あわてて乗り込んだ列車は
   歩いていくより ずっと速いが
   いつまでたっても どうどうめぐりだ

   始発駅が 終着駅になって
   したり顔で待っている
   
   なんだ環状線か…
   気付いたときには降りそびれ
   不安と安心の間を
   振動してゆくだけ
   もう地下の景色以外
   忘れてしまったよ

   降りない理由?
   本当はどこに行きたかったのか
   思い出せないんだ


イラストは「数えきれない太陽」から。テーマは「太陽をお手玉にする子どもたち」
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ぐにゃぐにゃ文字を 上手な字に(2)

2007-07-27 23:03:18 | 不器用
前回は ぐにゃぐにゃの文字を書く子に

1注意する
2叱る
3けなす

は効果がないと いう話でした。

では どうすれば上手に書けるようになるのでしょう?

ちょっとした裏技を紹介します。


「左手で書く」 「指2本で書くなど」
かなり厳しいハンディーをつけて
文字を書いて見せます。
それこそ
大人が書いても みみずの のたくったような字になります。
そこで 
「大人はハンディーありで どっちが上手に字が書けるか
バトルしようよ。」と誘います。

ハンディーありの側が
見本の字を目の前に置いて
必死で真似ようとしているのを見ると
子どもは「変な字!! ぼくの方が うまい。」
とやる気をみせるはずです。

不思議なことに 
きちんとしたお手本を見てだと
いっこうに ちゃんと書こうとしなかった子が
自分よりへたくそな字を見て
ていねいに書く意欲を見せます。

おそらく これまで 
いくらがんばっても 
他の子のように 
「よく がんばった。上手だよ。」という結果に結びつかないものだから
がんばる意欲そのものが
涌かなくなっていたのでしょう。

私は よくこうした想像をします。

運動会の徒競走で 自分だけが嫌がらせで
見えないひもで足をしばられていて
みんなと同じように走っても走っても
遅れをとるばっかりだったら…
その上何度も転んで また起き上がっても転んで…
それを繰り返している子が
叱られたからといって
自分を信じて ゴールを目指す意欲を
持ち続けられるものだろうか…と。

発達障害を持っている子だって
がんばったら これよりはうまくできそうだ
という対象があれば
「後 ひとふんばりしてみよう。」と
努力し始めます。

どんなに へたれな意欲でも
一向に進歩が見えなくても
転んでも転んでも起き上がる姿そのものに
エールを送り続けたいです。


イラストは「数えきれない太陽」から。テーマは「太陽をお手玉にする子どもたち」
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ぐにゃぐにゃ文字を 上手な字に(1)

2007-07-27 19:43:26 | 不器用
子どもの頃
お習字の先生が 私の字を見て
「みみずの のたくったような字。」
と言っていました。

発達障害のある子は
全体に不器用です。
この「みみずの のたくったような字」
を書く子は とても多いです。

たいていの親御さんは
このぐにゃぐにゃした字を
しゃんと させたくて

1.注意する。
2.叱る
3.けなす

をランダムに繰り返しているようです。

でも このどれもあまり効果はありません。
あんまりお手本通りに書くように注意していると
「見ていない隙に
お手本に紙を重ねてなぞる」
という裏技を発明するでしょう。


続きは次回に
イラストは子ども時代の私の絵です。
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発達障害を認めることは 子どもにレッテルを貼ることなの?

2007-07-27 09:35:12 | 教育論
幼稚園や小学校で問題行動を繰り返し
病院の受診をすすめられた親御さんの中に
それに対する強い拒絶反応を
しるす方がいます。
子どもを守るためと
学校と戦闘態勢に陥ることもしばしば…。

そのお気持ち よくわかります。
学校というシステムの運営の都合で
子どもの良し悪しを判断し
合わない子を除外しているようにも見えるからです。

子どもに一生、障害者のレッテルを
親自らが 貼ってしまうのではないか
周囲から 「そういう子」という差別的な目がつきまとうのではないかと
不安にかられるのは当然です。

まだ発達障害に対する認識も病院の対応も
不完全なのは事実です。

それでも 私は 発達障害という視点から
「子どもの育てにくさ」を
見直すことは 大切だと考えています。
「育てにくい」ということは
本人にとっては「生きにくさ」
につながっているはずです。

不完全ながら これまで発達障害についてわかってきた知識は
見えない障害を抱えた子の
「めがね」や「つえ」のような存在となるでしょう。
恐れずに
「発達障害に関する知識を得ること」
は親や周囲の人が
愛情から誤った対応をし続けるのを
防いでくれるはずです。

発達障害でない人には
発達障害の人の 本当のハンディーのありかが
推測できません。
本人自身も学んでいかなければ
適応できないという苦しみを
周囲の人の無理解への怒りに変えていくだけでしょう。

病院に行くことに抵抗があるなら
まず 何冊か発達障害に関する本を読んでみることを
オススメします。
それから 自分の中に「障害」という言葉に対する
差別心がないか
心を見つめなおしてみると
受け入れるのも たいしたことじゃない
と思えてくるかも知れません。

イラストは絵本用にかきました。テーマは「本との出会い」
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LDのあるアスペルガー症候群の子に教えるコツ(2)

2007-07-26 19:28:19 | LD
前回の記事は LDのあるアスペちゃんが
何度も 落ち入る計算上の失敗について 書きました。

アスペちゃんは
素直で純粋な子が多いです。
決して 反抗的な態度から
教えている人の説明をいいかげんに聞いていて
できないんじゃありません。

ただ 問題を見た瞬間 
「きっと こう解くんだろうな。」
とピーンと
ひらめかない感じなんです。

普通の人も 目を閉じて耳からの情報を頼りに
算数の問題を解いてみると
このピ-ンとこない感じが つかめるかもしれません。

問題の全体像や
解いていく上で「きっとこういう結末になる。」
という漠然としたゴールを推測する力も弱いです。


1つの問題を解くのに
以前教えてもらった知識が 
バラバラにつなぎあわされていて
記憶力には感心するけれど 全体としては機能せず…


私が教えてうまくいったのは
次のやり方です。

どんな小さな「つまずき」でも
はがきサイズくらいの紙に
「つまずいた部分」と「そこの解き方」を
書いてあげます。
どんな しょうもない(アスペでない人に当然と思えることも!)
ところも
いちいち 目で見える形に直してあげるんです。

例えば 3X=6の解き方が
わからない子には
「3X=6の解き方」
というカードを作ってあげます。
 
これで ☆X=○でつまずく度に
いちいちパニックを起こしたり
何十回も聞いたのに また質問する
ということも減ってきます。


イラストは授業中ぼんやりするADDの女の子をイメージして
描きました。

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アスペルガーとLDを持つ子に教えるには(1)

2007-07-26 06:25:19 | LD
一見素直に聞いている様子。
おしゃべりを聞いていると
知能面で 
それほど大きな問題を抱えているようには見えない…
にもかかわらず
何度教えても いっこうにできるようにならない…

アスペルガーとLDを併せ持つ子は
教える側の自信をくじくような
特徴をたくさん持っています。

たいてい ここで親御さんは
「自分がプロでないから うまくいかないんだ。」
と思い込み 塾を探します。
しかし 「集団で教える塾」
「発達障害の知識を持たない人による個別指導」
は あまり良い結果を生んでくれないでしょう。

この2つの障害を併せ持つ子には
特別な配慮が たくさん必要です。

ある中学生の男の子を教えている時のことです。
何度も方程式のルールを教えているのに

3X=6から
X=3

という奇妙な答えを導きだすのです。
適当に書いている…という訳では なさそうです。
ルールの説明を聞いてなかった訳でも
覚えていない訳でも ありません。

解きながら ぼそぼそとつぶやいている独り言に耳をすますと
原因がわかりました

まず 3X=6 を目にした時点で
無意識に X に2を入れていて
次に教わったルールから それを移項し
6÷2 として X=3 が出てきたのです。

LDのあるアスペちゃんは
こうした自己流の計算をたくさんします。
それこそ 簡単な計算1問に7つくらい
この手のトラップがしかけられていることがあります。

続きは次の記事で

イラストは「数えきれない太陽」から
テーマは(春の女神ー母親)です。

手遊び おしゃべり 立ち歩き

2007-07-25 12:02:30 | ADHD
何でもかんでも触ってみる
呼んでも注意しても どこ吹く風
落ち着きなく そわそわウロウロ。

そんなADHD傾向の子に教えるのは
知的障害を持つ子に教える以上に
難しく感じる時があります。

このタイプの子らの長所は
興味のあることには集中できるし
とてもエネルギッシュなこと。

まず何を教えるにしても
本人が好きな物
しつこくやりたがることに絡めて教えると
天才かと思えるほど
進歩したりします。

例えば 電車が好きな子なら
時計の読み方も 計算も 漢字も
電車がらみで 教えます。

このタイプの子 焦点を合わせる場所が間違っている時が多いです。
要は 見ているようで どうでもいい所しか見ていない。

自分の好きなものに囲まれて
(虫好きの子なら虫のカードや図鑑を使って教えます。)
機嫌よくしている隙に
漢字にしろ 計算にしろ
一箇所だけ 特に大切で注意する点に
注目させます。


「注」という漢字の場合
「この左側 水がはねてるみたいだね。」
といった具合に教え 
ついでに水をかける真似をしたりすると
(余計なことをすると…覚える子らです
頭に入るようです。

そんな余分なことする心の余裕がない…
という時は このタイプの子に教えない方がいいです。
このタイプの子らが得意な 
さぼるための あの手この手に
まんまと引っかかってしまいます。

上のイラストは学校をイメージして描きました。



発達障害のある子に 教えるコツ(2)

2007-07-24 14:30:23 | 発達障害児に教える基本
前回の記事の続きです。

☆1「わからないこと できないことを学ぶ」という作業と
☆2「根気のいる学習」という作業を 同時にさせない

ということでした。

では 具体的にどうやって教えるかというと

例えば 「8という数字」を間違った書き順で書く子がいるとします。
下から書き始め 反対方向にくるんとまわして書く…

何度注意しても改まらないので
学校から出た宿題の
「1から10までの数字を10回ずつ
ノートに練習してくること。」をやらせながら
横から「8の書き順」を正しく書くよう
注意したり 見本をしるしたりするとします。

これだと 発達障害のある子は
どんどん集中力を失って
せっかく書いたものまで
けしごむでむちゃくちゃに消してしまったり
かんしゃくを起こして泣いたりするのではないでしょうか?
おそらく 頭の中で「できない!できない!」とわめく声が響いているのでしょう。
これでは書き順を直すどころか 宿題を仕上げることすらできません。

発達障害のある子に 同時にふたつの事をさせようとすると 両方ともダメになってしまいます。

もしきちんとした書き順が教えたいのなら
その前に 「8という数字」を大きく紙に書いてあげて
「サーキットに似ているね。スタート地点はここだよ。」
と書き始めの場所を教えます。
それから 車を走らせる真似をして
きちんと決まった方向に行かねばならないことを教えます。
次に 
注意するポイント「はじまる場所」「方向」を確認させながら
子どもに真似させます。

計算や漢字を教える時も こんな風に 
情報量を減らし 興味を引く方法で教えると 
きちんと定着する場合が多いです。

ちゃんと理解さえ できていたら1分以内に解放してあげます。
ゲームがしたい時や何か楽しいと思えることの前にすると効果があがります。

宿題やワークに取り掛かるのに
たとえ全部わかっていても
根気よくやりとげることが しんどい子らです。

ですから やる前にいっぱいヒントを与えて
やってる最中は横で
「すごいねーもう覚えたの?よくできるねー。」

と繰り返すこと!!につきます。
 
イラストは幼稚園の頃の私の絵です。

発達障害のある子に 教えるコツ(1)

2007-07-24 12:17:56 | 発達障害児に教える基本
「数学の問題が 半分解けるようになったよ。
前は ぜんぜんだったから
先生がびっくりしていたよ。」
と 最近 入塾した中学生が
うれしい報告をしてくれました。

学校で何度教えられても できなかったのに
虹色教室で2回学んだだけで
できるようになったのには
理由があります。

学ぶのが困難な子に共通の
「教えるコツ」があるからです。


コツというのは簡単です。

☆1「わからないこと できないことを学ぶ」という作業と
☆2「根気のいる学習」という作業を
同時に させないことです。

???かも知れませんね。

たとえば宿題を例にとると
その子にとって どの問題も解き方を知っていて簡単なら 
それを仕上げるのに
「根気のいる学習」という作業は必要ですが
「わからないこと できないことを学ぶ」という作業は
いりません。

しかし 知らない漢字を書いて練習しながら覚える
といった宿題ですと
☆1も☆2も必要です。

すると 発達障害を持った子だと
「根気のいる作業をする」ことに 手一杯で

やっても やっても
頭に入っていない ということになるのです


イラストは娘が小4の時の絵です。