ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

質問へのお返事  「理解」するとは?  

2008-12-31 21:45:25 | 番外
やはり今年中にコメントの質問のお返事をしてしまうのは無理そうです。お返事していない方、来年お返事しますね。


まず第一に、どういう状態になると「理解」したと言えるのか?が私には未だに分かりませんね〜(笑)。ほかのことは私には分かりませんので、私がこだわる物理学に限って例を挙げさせてください。すみません。時空の捉え方一つを取って科学史を繙いてみても、人類の認識レベルは徐々に上がってきたものです。そうして今では相対論的な効果を計算に入れてカーナビが日常で活躍するようにもなりました。しかし、重力場の量子化もまだできていないし、光速不変もどこまで本当に不変として良いのかも決着がついてはおりません。このような状況でありながら、人類は、いつ時空というものを「理解した」と言えるのでしょうか? 私は、人類は今なお時空を理解したとは言えないと考えています。こうしたことを考えると、「普通の人」は理解できていないことを「理解したつもりになる」傾向の強い人々であると思われます。これ、私の思い込みかも知れませんが(笑)。

「普通の人」は理解できていないことを「理解したつもりになる」傾向の強い人々であると思われます。

「普通の人」というのは、定型発達の人というより、
自分の頭で思考せず多数派の意見や常識とすでに認められていることの中に自分の考えをそわせがちな
外向型の人々のことかもしれないですね。
定型発達かどうかにかかわらず、内向型の人は
「理解したつもりになる」ということはあまりないかもしれません。

「理解する」と言う言葉は、「意味を追求する」行為とセットに
なっているように思います。

アーウ゛ィン・ラズローは、
「意味の追求にはさまざまな方法があり、それに応じてさまざまな様態の意味が
見出される。どれを受け入れるかはわたしたち次第だ。私たちがどの意味を選択するかは、どのような条件を満たす意味を求めているかによって決まる」
と書いていましたが、

一般的に多数派と呼ばれる方々は、
「理解する」という言葉の定義を、
「自分の追求する意味」というあいまいで
その都度、変化するものにあわせて、「理解」という言葉を使っているのではないでしょうか?

質問のお話で考えると
科学というある制約のなかで認められている思考体系で
常識的判断の枠内で意味を追求し、
理解したとしているのではないでしょうか?

確かにまだわかっていないことは多く
人の思考や想像力は、
科学が相手を仕切れない範囲に広がりつつあります。
そうして現代、
科学に起源を持ちながら
物質の世界、生物の世界、歴史の世界という広大な領域をすべて
包含する新しい思考体系ができつつあります。

進化論的パラダイムです。

こうした新しい考え方に関心を寄せ、
「理解したつもり」という傾向を打ち破って
より広い視野から、物事を理解しようとする方々は増え続けている
と思います。

こうした新しいパラダイムのもとで、意味を追求する方が増えると、
「理解した」という状態について、
もう少し謙虚な意見が言えるようになるのかもしれませんね


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質問へのお返事  ADHDでしょうか? 教室でおしゃべりを続ける子

2008-12-31 10:39:20 | ADHD
誰に相談していいのか分からず、以前から拝見させていただいているこちらのブログにコメントさせていただきました。
お忙しいのに申し訳ありません。

わたしは現在小学生に個人教室にて英語を教えているのですが、注意力散漫な生徒(小2女子)がおり、他の生徒の邪魔をし、1人勝手なおしゃべりも多く、何度注意してもなおりません。
わたしは勝手にADHDなのかもしれないと思いこんでいるのですが、学校では周りが女の子ばかりの私立校で静かにしているようです(本人の言うことなので分かりませんし、親も教えてくれません)。
もしただの性格から来ているものなら注意してもいいのでしょうが、ADHDのばあい別の方法を取ったほうがいいと思っています。
本人も親御さんも続けて英語を習うという意思表示をされているので、はっきりさせたいのです。
ADHDの子は周りの子からからかわれる、というのを聞いたことがありますが、最近同じレッスンを受ける他の生徒からあからさまに嫌われています。

長々とすみません。
図々しくも、何か良いアドバイスをお伺いできれば嬉しいです。

というコメントをいただきました。(ずいぶん前にコメントをいただいていたのにお返事が遅くなってすいません)

ADHDかどうかははっきりわかりませんが、、
注意力散漫で、他の生徒の邪魔をしたり、勝手なおしゃべりが多くて、何度注意してもなおらないとすれば、
ADHDの子と同じような対応が適しているのではないでしょうか?

少し注意が必要なのは、
ADHDのように見える子の多くは
広汎性発達障害をあわせもっていることです。
この広汎性発達障害による多動と
ADHDによる多動は別のもので
治療法や支援の仕方が違うそうです。

ADHDへの指示の仕方・教え方

先生の方を見ない場合、声かけの時、そっと肩をたたくなどする。
指示は具体的で簡潔に。
あいまいな表現は避ける。
口だけで言わず見本や手本を見せる
作業をステップにわける。
感情的に叱らず、冷静に注意する。
「5数える間におしゃべりをやめないと、後ろの席に連れて行きますよ」と警告し、従わない場合、規定の時間、後ろの席で反省させる。

広汎性発達障害の子への指示の仕方・教え方

写真や絵といった視覚情報を多くする
掲示物は少なく
ゆっくり話す
指示する前に注意をうながす
騒いでいたら小さな声で話しかけてクールダウンさせる
叱るより褒める
得意な部分を伸ばす
自信がないうちは失敗をさせない
気持ちや抽象概念がわかりにくいので、行動に言葉をそえる

ADHDの子であっても、定型発達の落ち着きのない性質の子であっても
広汎性発達障害とADHDをあわせ持つ子であっても、
授業の時間配分や教材、指示の出し方、
褒め方叱り方、座る位置、自尊心を高める
などを工夫することでずいぶん落ち着いてくると思います。

私は多動のある子といっしょに集団の活動をするときは
かなりその子に花を持たせるようにしています。
皆の前で褒められたり、
皆に認められたり
代表する仕事をさせたりすることで、
少しずつ
社会性が身についてくるからです。
また、飽きる前にやめさせたり、
おしゃべりしそうな場面では、
「これから~する間に、おしゃべりがきこえるかどうか、耳を大きくして
聞いてるわよ。」とか、
「まず、口チャック。さあ、5分間、チャックがしまっているかためそうね。」
と冗談を言ったりします。
自分の多動を面白がって客観的にながめれるようになると
おしゃべりが減ってくるようです。


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引用は『図解 よくわかるアスペルガー症候群』ナツメ社
『』図解 よくわかるADHD』ナツメ社

「こだわり」と「パニック」の後ろに大きな潜在能力が隠れている

2008-12-30 16:34:30 | 発達障害児に教える基本
大掃除をしてしまわなくてはならないのに、マイペースに掃除しています♪今休憩中です。

先日、3歳2ヶ月になる男の子☆くんが1歳半の弟くんといっしょに
広島から来てくれました。
お父さん、お母さんといっしょです。
遠い中、ありがとうございます。

☆くんは言葉の遅れや運動面の育ちの遅れとともに
広汎性発達障害の特徴を持った男の子です。
家族以外の人はとても怖がって
人見知りが激しい時期の赤ちゃんのように
いつもお父さんの胸に逃げ込んでます。
人と目を合わせたり
ちょっとしたやり取りをするのも怖い様子です。
新しくすることは何でも怖いらしく
強い拒絶があります。

言葉や行動は1歳半年下の弟くんと同じくらい
というお話でした。
確かに遊んでいる様子や、
会話を聞いていると1歳半の弟くんが
好奇心いっぱいに私やお母さんと会話しようとするのに対し、
一方通行の言葉が主の☆くんは、同じくらいかさらに幼く見えました。

☆くんはふみきりと洗車場が大好きなのだそうです。
それで、私が「工作しようね」とラップのしんに青のビニールひもを結んで
洗車場を作ってあげると、
新しいことが怖いらしくお父さんの胸に逃げ込みました。
そして弟くんが、できたおもちゃで遊んでいる間も無視しています。

けれど、しばらくすると遊びだしました。
私が、ビニールひもを裂いてみせて「こうしたら水みたいになるよ」と教えると
顔をこわばらせてそっぽを向きました。

ところが、数分すると☆くんは大好きなお父さんのひざの上で
自分から青いひもを裂く作業をしているのです。
私はふと
「この子は、周りから見えている以上に
自分で表現している以上に能力がある子なのかもしれないな」と思いました。

☆くんは写真にある公文の電車のおもちゃで遊びはじめました。
どんどんつないで、ご満悦の☆くんに、
十分遊ばせてから、「1つ電車をちょうだいね」と言って電車をはずすと
☆くんは軽くパニック状態になり
お父さんのもとに逃げ込みました。
私はもうひとつ電車をもらって、同じ色同士重ねてみせました。

すると☆くんは、激しく動揺して、
近くにあったショッピングカートのおもちゃの中に、電車を投げ入れ
始めました。
おもちゃの乱暴の扱いから、☆くんの恐怖心が伝わってきました。
が、しばらく一心不乱におもちゃをぐちゃぐちゃにしていた☆くんが、
私がしたのと同じように同じ色同士の電車を重ね始めたのです。

この時も私は、こだわりに邪魔されて見えにくいものの、
☆くんには、さまざまな知的な課題に取り組みたいという
欲求があることを感じました。

そして、拒絶しながらも、しっかり私とコミュニケーションを取っている
ところに☆くんの潜在的な力や可能性を感じました。

その後、私はブロックで簡単な「車」の見本を作ってみせました。
それに動揺した☆くんはまたしても
おもちゃをばらばらにし、パニックに近い状態になりました。
つながっているブロックは全てばらばらにしなくては気がすみません。
そしてこの時も、少しすると☆くんは、
私が作ったとおりに「車」を再現してみせました。
簡単なようで、真ん中の部分に小さなブロックを重ねるには
しっかりした空間認知力が必要です。

この日、☆くんは、私が☆くんに向けて課題をしるしたことは
全部きちんとやりとげました。
1歳、2歳の子では難しいことです。
外から見える以上の知的な力と、周囲の期待に応えよう、自分を伸ばそうとする
潜在的な力があることがわかりました。

しかし☆くん、新しいことをするときは必ず拒絶や無関心があるので、
周囲の人には☆くんがあんなこともこんなこともできそうだ…と
想像もつかないのです。
能力より下のことばかりして
毎日を過しがちなのです。
☆くんのような環境にいる広汎性発達障害の子はけっこういるようです。
こだわりやパニックのために
その後ろに隠れている本来の潜在能力が見えにくくなっているのです。

それを引き出すために、目で見て理解できるその子にできそうな課題を
たくさん与えてあげて欲しいと感じています。
いったんは嫌がって暴れても
叱らずに様子をみていると
時間がたってから、それをやり遂げる子はとても多いのです。


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うちの子嫌われるんじゃないでしょうか?~という心配 3

2008-12-30 14:44:12 | 社会性
私はまず簡単にわがままと決め付けたりして責めないことが大事と
思っています。
わがままと見える行為の背後にある原因をさぐり
そこに不安や恐怖があるならやわらげてあげ、
認知の弱さがあるなら、少しずつ表情の読み取りを学習させていく
必要があると思うのです。

それが原因で嫌われてしまった場合、
周囲の大人は自業自得と放っておかず、
その子が周囲とうまくやっていくための橋渡しの役を買って出る必要があると思います。

そうして広汎性発達障害の子が少しでも生きやすくなるように対応するのは、

広汎性発達障害の子の認知はゆがんでいるから矯正しなくてはならない

というような偏った思い込みからではありません。

確かに自己中心的に見える行為の原因には
認知のゆがみがあるのです。認知のゆがみとは、その人のものの捉え方や判断の仕方が
客観的な事実とはちがっていることです。
誤解して感じ取っているのです。
わがままで人のことはどうでもいい、
自分さえよければそれでいい、と考えてそうした行為をしているのではないのです。
認知ゆえに周囲を振り回してしまう子の
存在そのもの、その子そのものは、

思いやりのある気持ちのまっすぐな ものの良くわかる子

なのです。

アスペルガーなどの広汎性発達障害に含まれる子らの身近にいる方は、
そうした「心のきれいさ」をよく知っているはずです。
ですから認知のゆがみを教えて、客観的に眺める方法を伝えていくのは、
「あんたは悪いおかしい、間違ってる、だからなおせ!」と
強制するためではないのです。
誤解のもととなっている 広汎性発達障害の子には見えにくく気づきにくい
部分を言葉にして、
どうすればこの困った状態から抜け出せるのか
正しく伝えるためなのです。

私が知っているある子は、いつもお友だちを外で何十分も待たせていて
自分の買い物につき合わせていました。
しまいにお友だちは別のお友だちと遊ぶようになりました。
するとその子が私に
「私は○ちゃんのようにかわいくないから、せっかくできたお友達がいなくなってしまう」と相談してきました。
そうしてその子は必死におしゃれをするようになりました。が、
親友と呼べる友達がなかなかできないので、嘆いていました。

かなり前のことなので、私は、
周囲からすればお友だちが去っていく理由は明らかなのに、
本人がそれを自分の顔のせいにするなんて…
きっと自分ではわかっているのにわざとそう言ってごまかしているんだろう…と思っていました。
が、そうした認知が難しい人がいることを知るにつれ、
きっとその子は本当の理由に気づけなかったのかもしれない…
苦しんで試行錯誤していたのかもしれない…
と感じるようになりました。



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うちの子嫌われるんじゃないでしょうか?~という心配 2

2008-12-30 09:19:58 | 社会性

今日の午後からようやく教室が休みです。(中学の受験生は来るのですが…)
それで、大掃除の合間にこれまでためているコメントでの質問のお返事を,
なるたけがんばって
していきますね。

前回の続きです。

アスペルガー症候群の子は、「わがままな子 自己中心的な子」という
誤解をよく受けます。
誤解という言葉を使ったのは、アスペルガー症候群の子が、「わがままな子 自己中心的な子」に見えるのは、そう見えるだけで
実際には周囲のきまりや自分のルールを几帳面に守ろうとしたり
一方的に責める相手の話も真剣に受け止めて自分のわるい部分をなおそうとするような…
「わがまま」とはほど遠い子が多いからです。

『「わがまま」といわれる子どもたち』(すずき出版)によると
自閉的な子たちが「わがままで自己中心的」な子に見えてしまうのは、

自分なりの考えとか判断…  (内部基準というのですが)
が確立できなくて
外の基準にたよって行動しているから…

の場合があるそうです。
6時になったら夕食を食べる、9時になったら寝る
といった約束事があったとします。
時間を守らないのは
社会性に問題がある行為です。
しかし、時間をきちんと守ろうと必死になるのは
社会性に問題のある自閉的な子どもたちなのです

なぜなのでしょう

きちんと時間を守ろうとするあまり
何かの事情で時間が守られないと パニックを起こす わがままと思われる

となります。
そこで定型発達の子ならどうするか…というと、
自分で「今日はこ~なのか」「今日はちがうんだな」と判断したりします。
が、自閉的な子は、内部基準が確立できず、
自分で行動を決められず、外部の基準にしたがって行動します。
それが周囲から見ると、自分の思ったようにまわりを動かそうとする
わがままな行動に見えるのですね。

そうしたこだわりが原因で、わがままに見えるのとは別に

お友だちの遊びを、みんな自分で仕切らないと気がすまなかったり

一番になれないと大騒ぎする

といった社会性の面の未熟さが原因で
「わがままで自己中心的」に見えることはよくあるようです。

アスペッ子の場合、そうした社会性の面の未熟さとともに、

変化や失敗を恐れたり、パニックを起しがちなので、
遊びを自分で決めてしまって変化しないようにしたり、
一番以外になって傷つく(失敗)ことを怖がるあまりに大騒ぎする

ことがよくあります。

また わがままっ子の代表選手といえるのが

自分に甘く他人に厳しい
他罰傾向が強い

ことですね。
最近の認知研究で、相手の気持ちを知るのが
苦手な人が存在することがわかってきたそうです。
顔色や声音、身振り手振りから怒っているか喜んでいるか
気持ちを読み取るのがうまくいかない…鈍感…という人がいるそうなのです。

広汎性発達障害の子らも、こういうの…苦手ですね。

相手を責めてばかりいる
他罰傾向が強い子は、
相手の気持ちが読み取れず誤解ばかりしていることがあるようです。

それにしてもどう対応すればよいのでしょう?

うちの子嫌われるんじゃないでしょうか?~という心配

2008-12-29 10:04:52 | アスペルガー症候群
知能が高く、
とてもしっかりした広汎性発達障害の幼児をお持ちの親御さんから、
「これから先、学校にあがったら、うちの子お友だちに嫌われるんじゃないでしょうか?
わがままな子と思われないでしょうか?」
といった心配の声をよく聞きます。

アスペルガー症候群の疑いのあるもうすぐ3歳になる☆くんは、
電車遊びをしながら、
「あ~電車が来たよ~電車がきたよ~」とうれしそうな声をあげます。
そして、お母さんや私に
「電車がきたよ~って言って!」と繰り返します。
☆くんはいつも遊び相手のせりふも
自分で決めてしまうのです。
同じ2~3歳のお友だちにも☆くんは自分の言ってほしいせりふを
言わせようとして躍起になっていることがよくあるそうです。
「あっ新幹線だ!って言って!」「あっ新幹線だ!って言って!」
最後にはキレ気味に「どうして言ってくれないの~!!」

☆くんは自分側から話しかける分には
とてもおしゃべりな子です。
しかし「☆くん~○しようか?」などと声をかけても
聞いていることはまずありません。
まるで耳が聞こえないかのように無視しているのです。

☆くんはわがままで自己中心的な性格だから
相手を自分の思い通りに動かそうとしたり
自分側の話は聞かせて、相手の話は聞かない…に徹している
わけではありません。
広汎性発達障害の特徴ゆえに
自然に振舞っていても誤解を受けてしまうことが多いのです。

4歳の☆ちゃんは広汎性発達障害の診断を受けている女の子です。
優しく明るくかわいらしく利発な子です。
もともとおだやかな性質なのですが、こだわりや感覚過敏があるため
自分の思い通りに物事が進まないと不安から軽いパニックを起して
強い大きな声で「ダメ~!!」などと
主張する時があります。

遊んでいる最中に
お友だちが急に別の遊びをし始めたりすると
急な変更にとまどって
それが許せなかったりします。
☆ちゃんも☆くんの「○○って言って~」と同様の
「○○して~」と相手の行動を自分で決めてしまいがちです。
自分の思ったように相手が遊んでくれないと
不安なのです。

☆くんのお母さんも☆ちゃんのお母さんも
☆くん☆ちゃんの純粋で優しくきれいな心を良く知っていて
かわいくてたまりません。
私だって同じです。
☆くん☆ちゃんが大好きなのです。
しかし、同年代のお友だちと遊ぶことを考えると
いろいろ心配になってしまいます。

長くなったので次回に続きます。


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何をするにも消極的だった子がやる気いっぱいに変化した話♪

2008-12-28 18:30:39 | 発達障害児に教える基本
☆くんは広汎性発達障害の疑いのある年中さんの男の子です。
☆くんがはじめて教室に来た日、どのおもちゃも少し触っただけで
うろうろし続けていました。
結局、その日は、最初から最後までえんぴつをけずることに
こだわっていて、
何をたずねても「えんぴつをけずりたい」と言うばかりでした。

☆くんのお母さんは、
子どもに根気よく熱心に
そしてとても上手に教える方です。
それで、☆くんの2歳の妹さんは
☆くんのできないこともたいていできてしまったりするのです。

☆くんは、自閉的な特徴だけでなく
知能の面でも気にかかることが多い子です。
それで、そんなに教え上手な親御さんが
何十回も繰り返し教えても、
いっこうに覚える気配がありませんでした。

それでも、
たったひとつのことをマスターするのに一年かかったとしても
懸命に生活技術を教え続けてきた☆くんのおかあさんのおかげで
少し少し遅々たる進歩はしていました。

教室にはじめてこられたとき、
☆くんのお母さんはかなりせっぱつまった感じでした。
お母さんだけががんばっていて、
当の☆くんには少しのやる気も見えなかったからです。
お母さんががんばるほど
☆くんは腰が引けていくような印象までありました。

が、☆くんが斜めの線の見えずらさを克服して
少しずつ文字を書くことを覚えたり
おばけのゲームに興味を抱いて
(ゲームはできないと思っていらっしゃったようです)
参加する意欲を見せ始めたとき
「ちょっと気持ちが楽になってきた」とおっしゃっていました。

そして、夏休み。
☆くんは海へ行ったり、さまざまな直接体験をして、
ちょっぴりたくましくなって教室に来ました。
☆くんのお母さんによれば、何でもさせてみると
できることがあるし、できるようになることがある…
ということを実感されたそうなのです。

そして最近、教室を訪れた☆くんは
ゲームにも知育教具にも積極的で
どれも投げ出さず胸が熱くなるような一生懸命さで取り組みました。
そして、すごいな~と感じたのは
そうしてチャレンジする☆くんがどんなに物分りが悪くても
丁寧に何度でも優しく教える☆くんのお母さんの姿でした。
「☆くん、何でも一生懸命するようになりましたね~」と言うと、
☆くんのお母さんは↓の記事を読んで、
いつも悪循環に陥ってたんだ~
それだけは避けようと…
と決心されたのだそうです。


☆アスペッ子、グレーゾーンの子と悪循環

☆ アスペッ子、グレーゾーンの子と悪循環 2


それにしても愛情深く丁寧に接する☆くんのお母さんと
お母さんの期待と愛情にこたえるように
何度失敗しても懸命に取りくむ☆くんの姿に感動しました。


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算数がとても苦手な子を算数好きにする方法

2008-12-27 15:45:24 | ADHD
☆ 算数がとても苦手な子のレッスンから~ 1♪


☆ 算数がとても苦手な子のレッスンから~ 2


☆ 算数がとても苦手な子のレッスンから~ 3


写真は、☆ちゃんといっしょに選んだ「数からイメージされる色」です。
数と色を結びつけることで、
これからの算数学習がスムーズになることをねらっています。

色を学習に取り入れることは、
痴呆老人がひじょうにしっかりした認知を取り戻すような治療でも
役だっているのだそうです。
人の脳の不思議を思います。





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多動のある高機能自閉症の子に集中力をつけていく方法 2

2008-12-27 15:13:52 | アスペルガー症候群
多動のある高機能自閉症の子に苦手なことをさせるのは
とても難しいです。
ひとつに一度苦手と思ったことに強い恐怖心を抱きやすく
こだわりとも言える拒絶があるからです。

ですから、上達を目的とするのではなく、
恐怖心や拒絶を取り除くために
ちょっとだけ嫌なことをするだけで、本人にはとても得があるような
プラスの体験を積む必要があると思います。
また、
電車が好きな子でしたら、電車の名前を書いていく字の練習
テレビのヒーローものが好きな子には、
それを羅列していくことを文字の学習とするのも
良いかと思います。

また、多動ゆえに、もたつくとすぐ目移りするので、
準備しておいて、すぐに作業に取りかかれるようにして、
気の散りそうなものを隠しておくのも大事です。

前回の記事で、

書ける文字と書けない文字を把握しておく

ことについて書きました。
そうしておいて、

いつもはじめの数個は本人の得意な字を練習し
調子づいたところで苦手なことをお手本などしるしながら少しだけする

のもいいです。
また、どうしても苦手な字
「れ」でしたら、「7書いて山登り~」の部分だけ取り出して、
好きなゲームで遊ぶの際に、
「それだけ書いたらしていいよ」と
本人に納得できるレベルの苦手のみをしっかり練習させるのも
良いかと思います。

字が苦手な子もさまざまで、途中でえんぴつの線がストップできない子
斜めの線が把握できない子
えんぴつをにぎるのが苦痛な子(好きなキャラクターのえんぴつにするといいです)
完璧な字が書きたいのに、自分の書くものが満足できない子
書けない字があるのが怖い子
などさまざまです。

多動のある高機能自閉症の子に無理強いしても
まったく意味がないと思います。
その後、2度とやりたがらなくなるか
2次障害の原因になるだけだからです。
ゆっくりできる体験を増やし、
先の明るい見通しが立てれるようにしてあげると
自分から進んで取り組むようになってくると思います。

☆くん、「チャレンジ」の計算の教具で
繰り上がりのある計算に17問
最後まで取り組めました。



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多動のある高機能自閉症の子に集中力をつけていく方法 

2008-12-25 18:34:33 | アスペルガー症候群
今日は6歳の高機能自閉症の☆くんが、
若くて優しそうなお祖母ちゃん(失礼します)といっしょに
親子レッスンに来てくれました。

次々目移りして、
動き回っていた☆くんですが、
用意した課題にはどれにも最後まで取り組んでくれました。

☆くんは待つことが難しく
自分からやりたいと言い出したことでも、
遊ぶ準備をしている間に
次に目についたものに興味が移って、
「こっちがしたい」と言い出してしまいます。
また人から学ぶことが苦手で、
興味があることでも、それに関する説明を受ける数秒が我慢できずに
放り出してしまうようです。

教室では☆くんの興味を持ったことからスタートして
だんだん苦手な作業に導いて
励まして最後まで取り組ませる

ということを何度か繰り返しました。
☆くんはお茶犬のお家が大好きな変身するロボットのからくりに
似ていることが気にいりました。
その後、お茶犬の耳の模様にも関心を寄せました。
そこで、
数と犬の名前 数と犬の写真が載った札(おもちゃを購入した際、箱に中身の説明がついているとき、それを切り取るだけでこうした教材ができます)
お茶犬を並べていってもらいました。
それまでうろうろして一時も落ち着くことができなかった☆くんですが
これは最後までがんばれました。

その後、「お茶犬の宝をどこかに…ほら、トイレとか…に隠そうね」という私の提案には気のない様子で乗ってきて、
小さなざぶとんを選んでトイレに隠しました。
「宝は、トイレにかくしたよ、というお手紙を書いてちょうだい」という提案にも
しぶしぶ乗りました。

実は☆くん、何より書くのが苦手なのだそうです。
何とかひらがなは覚えたようですが、書くことへの強い拒絶があって
毎日大変なのだとか…。

お手紙をしぶしぶ書いてくれた☆くんの様子から
書きたくない理由がいくつか見えてきました。

「れ」のように数字の7に似た部分と
斜めに右上がりに線を描くことに
困難があること

まだしっかり覚えていない字がいくつかあるため
それが原因で字を書くこと全てに不安を覚えること

自分に期待されていることを把握して
それにこたえていくことが難しいこと

などです。
まず、周囲の大人が、
簡単に書ける文字少しヒントをもらえれば書ける文字
見本を見ながら書ける文字書くことに困難がある文字
などを把握することが大事だな…と感じました。

次回に続きます♪



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大人のアスペルガー、思春期のアスペルガー

2008-12-24 12:23:27 | アスペルガー症候群
ずいぶん前にコメント欄で大人のアスペルガーの方との接し方に
悩んでいるという相談をお受けしていました。(別の相談へのお返事も遅れています。近いうちに記事にしますね)

ひとことでアスペルガーといっても、
すごくさまざまな方がおられるでしょうし、2次障害による問題があれば
悩みの質もずいぶん違うことと思います。

写真は、『大人のアスペルガー症候群』
『思春期のアスペルガー症候群』
という講談社からでている本です。

大人のアスペルガーの方は、
会話ができているようで、できていない。
社会性がなく、失礼な言動をする
想像性に乏しく、応用がきかない
などの行動の特徴ゆえに、生きにくさをかかえているそうです。
困難を放置すると、こころの問題に発展するようです。

人にあわせられない疎外感
職場に定着できない無力感
誤解と非難がもたらす劣等感

学生時代は天才肌で得意科目に自信があったという人も、
融通を利かしたり
人とうまく会話したりすることの困難から

大人になったはじめて、さまざまな問題に直面する人も多いようです。

家族の方が、そうした大人のアスペルガー症候群の方のことで
悩む場合、
ひとつに仕事の問題(職が長続きしなかったり、ひきこもってしまったり…)
家族への暴言、暴力の問題(2次障害)
が主だと思います。

私は何人かの大人の発達障害の当事者の方々と会ってみて、
自分はアスペルガー症候群だ、そうかもしれない…と自覚している
方は、
周囲の手を借りて客観的に物を眺める努力をされているので、
とてもきちんとしている方が多いな~と感じました。
しかし、周囲からは明らかにアスペルガー症候群の特性が顕著に見えるのに
自分ではまったく無自覚であった場合、
自分の問題を
家族や周囲の人々の問題と取り違えて、攻撃したり、うらんだり
して、結局、生きずらくなっているように感じます。

大人のアスペルガー症候群の方の生き方の指針となるんじゃないかな?
と思える2つのブログを紹介します。
ひとつは、

☆NPO京都ハートネットワークです。自分に自信がなくなり、生き方がわからなくなったとき、
具体的で自分の自信につながるアドバイスをいただけると思います。
自暴自棄になった心を前向きに立てなおすお手伝いをしてくださると思います。
また京都に通える方は当事者グループで悩みを語り合い、励ましあって
生活を良いものに変えていけることと思います。

もうひとつは

意味不明な人々-発達障害(ADHD、アスペルガー)と人格障害に取り組む
というやんばる先生のブログです。ちょっと手厳しいアドバイスですが、

いつの間にか自分を中心に世界をとらえてしまい、他人に自分のすべき仕事を丸投げしては、その結果で相手をせめてしまう

わが子を自分の持ち物のようにとらえて、自発性をつぶしたり、依存的な性格に育ててしまう

そうした軽度発達障害ゆえの人間関係のゆがみを
直視し、他人事のように自分を観察することによって、
毎回、陥る悪循環から逃れるすべを教えてくれます。


悩んでいるのは家族で、当人は自分の問題を認めたがらない…といった場合でも
家族がこうした情報に目を通し、
関係を作り直していくことで、問題は少しずつ良い方向に向かっていくように
思います。


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塗り絵が苦手 (幼児 アスペッ子のレッスン 一通り 6)♪

2008-12-22 19:31:06 | アスペルガー症候群
最後に☆くんのお母さんに
「何か気になること、上達すると良いと思うことは
ありますか?」とたずねました。
「塗り絵ができないんです。ぐちゃぐちゃ~っとしてしまって…」という
話でした。

そこで、小さな丸から大きな丸までが順番に並んでいる
テンプレートで、丸を描いては中を塗っていく遊びをしました。
☆くんはとにかく数が好きな子ですが、
このサイズのちがう丸が並んでいるテンプレートにも
すっかりはまりました。

喜んで塗っていきます。
とはいえ、塗り方は、ぐちゃぐちゃ~おしまいです。
そこで、最初はテンプレートを置いた状態で
きれいに中を塗りつぶす事を課題にしました。
その後、テンプレートで丸だけ描いて、
中を塗る作業もしました。

たくさん、たくさん描きました。
不思議なレンズで、自分の描いた丸を観察しています。



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失敗がこわい (幼児 アスペッ子のレッスン 一通り 5♪)

2008-12-22 19:12:46 | アスペルガー症候群
このごろ☆くんは、以前にも増して勝ち負けへのこだわりが強くなり
失敗を恐れるようになったそうです。
ミスをしたのが許せなくて暴れたり、
最初から問題に取りくまなかったりするようです。

そこで、今日は、えんぴつを使わず、
指で指してもらうだけで問題を解いてもらいました。

キャベツを切ったら、どんな形?
ピーマンを切ったら、どんな形?

☆くんは、オクラとなすの切り口をまちがえました。
少しイライラしていますが、
えんぴつでまちがいが残っていないのと、
採点されていないので落ち着いています。

「☆くん、5問のうち3問正解だった。
2問は間違えたけど、ちゃんと今はできるようになったんだからいいよね」
と確認しました。
☆くんは、まちがいという言葉が許せなかったようで
もう一度、ぜんぶやりなおして、
「全部正解よ」と言ってほしそうです。
それでも、ワークはまちがえた答えやバツで汚れていないので
何とか受け入れて次のページにチャレンジしました。
次も2問ミス。
「☆くん、5問のうち3問正解だった。
2問は間違えたけど、ちゃんと今はできるようになったんだからいいよね」
と再び言うと、足で机をカタカタさせながらも
何とか受け入れました。
次のページは全問正解。
それでもカタカタはやみません。(さっきのミスにこだわっている様子です)

「☆くん、まちがえたっていいんだよ。だって次にできるようになればいいんだから…。今度は全部正解!間違えたとき、よく怒らずにがまんして取り組めたね。」
と言うと、まだ苦しそうな顔をしながらも、
気持ちをおさえることができました。

☆くんがいずれ、自分のミスや失敗をこころよく受け入れることが
できるようになるまで、
ゆっくりゆっくりこうした経験をつんでいくことが
必要なようでした。


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分度器と鏡 (幼児 アスペッ子のレッスン 一通り 4♪)

2008-12-22 19:05:39 | アスペルガー症候群
分度器で角度を変えながら
鏡の実験をしています。

☆くんは指示に集中したり
自分が今しなくてはならないことに取り組むことが難しい子です。
学校での授業に参加していくのは
大変なことも多いだろうと感じています。

学校での勉強が思うようにはかどらないときも、

自分は勉強が好きだ
科学や数学の世界は面白い
自分は勉強が得意なんだ

そう確信して育ってほしいと思っています。



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