ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

うれしいメール ♪

2009-06-26 15:52:51 | ADHD
きょうだいで通ってくれている小学生の☆くん。今回、事情があってひとりでレッスンに来てくれることとなりました。
その連絡のメールにお母さんのこんなひとことが付け加えてありました。

一人でも出席できる事に成長と
先生への信頼を感じます。
前回漢字の覚え方をアドバイスいただき
ありがとうございました。
あれから、コツコツと練習ができるようになり、
初めてテストで100点が取れました!
授業にも少しづつ出席しています。
1ヶ月に2時間しかお会いしていないのに
しっかりと☆に伝わっていることに驚きと感動を覚えます。

今後も、よろしくお願いします。


はじめのころは虹色教室にイヤイヤ通っていた☆くん。
理科実験が大好きなこと。
数学に才能があること。
そのふたつが☆くんの内面から引き出されてくるにつれて、教室に
通ってくるのが楽しくてたまらない様子になりました。
苦手で手がつけられなかった漢字の学習も
取り組めるようになり
このうれしい報告♪

とてもうれしいです。☆くんがんばってね。



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発達障がいのあるなしの違いが、あまりわからないのですが……3

2009-06-25 10:06:10 | 発達障害児に教える基本
前回の続きです。『決定権を誤解する子 理由をいえない子』から引用させていただいています。

「理由が言えない、わからない」子どもによく見られる姿は次のようなものだそうです。

会話でイライラしやすくけんかが多い。相手は理由をつけて提案しても、一方的に指示された命令されたと思いこむ。

会話が進んで、理由を聞かれるのがいやで、すぐに「はい」「わからない」と言う。

理由を考えて表現できない。

相手の考えの背景にある理由の存在や内容が理解できない。


発達障がいがあっても知能が高くて、周囲の子と同じようにできることも多いと、
上のような子どもの姿は、

親のしつけが悪い子
つっぱっている子
わがままな性格の子

とだけ見られがちです。
そうした誤解に追い詰められて、実際、非行とされるような行動に走るように
なる子もいると思います。

理由を理解することが困難な子には段階を踏んで、理由をもとに行動する大切さを学ばせていくことが大事です。

理由をいえない段階

理由表現のできない子には、理由をつけず、具体的にやるべきことだけ話すよう心がけます。

理由が相手への説明になっていない段階

理由をつけずに提案、行動したときには「どうして?」とたずね、「~だから、しよう」と話すように教えていきます。
「言動の際には理由が必要なのだ」と気づきはじめます。

理由の内容が一般的に考えて了解できる段階

「おいしいから」「たのしいから」が理由の子。
「他にもある?」と別の理由を考えるようにうながします」

理由の内容が、一般的な知識や道徳になる段階

知識として学んだことが、言動の際の理由となります。
一般的な知識や常識を盾に、周りの人を非難したり、違う考えを受け入れなかったりする場合は要注意。
「~した方がいいけれど当てはまらないときがある」「正しいことより、相手の気持ちを優先させた方がいい」など、一般的な理由だけではものごとを決められないことを、さまざまな経験の中で学んでいく必要があります。

理由に他者が入る段階

「みんないいと言ってる」「お友だちもほしいと話してた」と
自分だけの理由でなく、他の人の意見をそえ、理由を強調します。多数派の考え、権威ある人や本などを論拠にしたりします。
こういう子には「自分の考えを言いなさい」とたしなめる必要があります。

理由を自分流に表現する段階

自分の体験や知識を入れ、自身の体験や知識を入れ、自分なりに考えた表現ととなります。
理由を聞いてみると、ときに非常に極端で、奇妙な考え方をしていることに気づくことがあります。議論しながら、さまざな考え方に触れさせ、周囲に受けいれられないことに気づくことが必要です。

長くなったので次回に続きます。



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発達障がいのあるなしの違いが、あまりわからないのですが……2

2009-06-23 16:52:55 | 発達障害児に教える基本
広汎性発達障害の診断を受けている幼稚園の年長の☆くんについての続きです。

IQが130以上ある☆くんは、知的な面では同年代の子との違いを見つけることの方が難しい子です。わざわざ発達障がいと捉えることに疑問がある方もいるでしょう……というお話でした。

私は、こうした外から見て発達障がいとわかりにくい子であっても、診断を受けていたり、発達障がいのチェックリストにたくさん引っかかることがある場合、発達障がいという捉え方で子育てすることは大切だと思っています。

私がそうすることが大切と感じる理由は、

『決定権を誤解する子
理由を言えない子』 湯汲英史 小倉尚子 かもがわ出版

という著書の中で集約されています。
この本の中に、Dくんという広汎性発達障がいの男の子の話が載っています。

発達障がいのあるDくんは、「学校で何をして遊ぶのが好き?」と聞くと、
「わかんない」と答えます。
コミュニケーション能力に問題があるのか、
自信がないのかと思っていると、こんな別の理由がありました。
「サッカー」と言えば、そのあとに「どうしてなの?」と聞かれる
可能性があるからです。
この子は、「どうして~ですか?」と聞くと、
その答えは的外れなことが多く、ほかの人には、
理解できない理由でした。
答えのピントのズレを周りの子たちからからかわれていたためか防衛的に
「わかんない」と言うようにしていたそうなのです。

この男の子のような「わかんない」……
発達障がいなのかどうなのかわからないレベルのグレーゾーンの子たちも
よく口にするのを耳にするのです。

私が思うに↑の著書の中心的な内容の
「相手に通じる理由が言えない」困難を抱えている子は、そうした子のなかにかなりたくさんいます。授業中うろうろするか……勉強についていけているか……だけが大人の注目を集めがちで、そうした目だったところのない子は発達障がいがあってもそう捉えることすら無意味だと考えられたりします。
そうした困難があることすら気づかれずに、本人にすれば生きづらさを抱え、大切な生活技術を教えてもらえないまま成長していきます。

↑の著書に次のような実例が載っています。

中1のSくんは、AD/HDと診断されています。知的能力は非常に高く、学校の成績はトップクラスです。
そのSくんが、友だちのキーホルダーを黙って持ってかえってきました。
ショックを受けたお母さんが「他人のものを盗ったら友だちにどう思われるか」や「盗みをすると警察につかまること」など、盗みがいけない理由をこんこんと諭しました。
しかし一ヶ月も経たないうちに、今度は友だちのゲームソフトを盗んでしまいました。
学校の先生は深い理由があるのでは?何かのしかえしなのでは?と考えて、理由をたずねました。
Sくんの答えは「欲しかったから」でした。

Sくんのように言葉の能力が発達している子は、「理由を説明すればわかるはず」と誤解されやすいのですが、幼い頃、多動が激しく、次々興味が移っていたSくんは、幼児期に理由の意味や役割が学べていなかったようなのです。

知能が高くても、理由をもとに行動することが苦手な発達障がいの子には、
周囲の大人が、幼児期学べなかった課題も根気よく教えていってあげる義務が
あります。
何を教えてあげればよいのか……その指針となるのが、
これまで蓄積されてきた『発達障がい』についての情報です。


☆くんの話からそれていますが、続きは次回に書かせてくださいね。


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コメントのお返事  短期記憶の問題について

2009-06-19 23:18:45 | 番外
前回の記事の続きは、次の記事で書かせていただきますね。

コメント欄で短期記憶について、ご相談をいただきました。お返事できるほどの知識はないのですが、私の経験した範囲で答えさせていただきますね。

はじめまして
小学校でLD通級の担任をしております。「西風」です。
先生のブログをいつも興味深く拝読させていただいております。
私が一緒にお勉強させていただいているお子さんにも、同じように短期記憶の問題がおられるお子さんがおられます。
直前に起こった出来事が把持できない、例えば通級で行った学習を担任に報告する際には、全く違う内容を伝えてしまう。といった状態像のお子さんに対して、どのようなアプローチをすべきか試行錯誤しております。


短期記憶の悪さ……と言えば、私自身が、ADD傾向があるので、ものすごくワーキングメモリーが弱いのです。それで長年とても興味を持っていた問題です。

子どもの短期記憶に問題が感じられる場合、

ADDやADHDの子のように、
ひらめきすぎる、次々気が散りすぎる、さまざまな異種のことを考えすぎる、想像力過多……ゆえの短期記憶の悪さや忘れっぽさと、

広汎性発達障がいの子の目にしていないものを想像して、思い返すことが困難なゆえの短期記憶の悪さは
かなり種類がちがうので、対応や支援の仕方もずいぶんちがってくると思います。

また、LDや軽度の知的障がいや広汎性発達障がいが原因で
現実を時間の経過のもとできちんと把握したり、
現実と想像をごちゃごちゃにしがちな子の場合、短期記憶の悪さが原因で
間違った報告をしているかどうかはっきりしない場合もあるかと思います。

広汎性発達障がいの子の想像力の弱さゆえの
短期記憶の問題には、
思い出す助けとなるような視覚的な道具が役立つと思います。
学習内容を印刷したプリントを準備して、その日の学習内容のイラストに丸を入れるとか、学習内容の絵カードを用意して学んだものを袋に移し変えさせるなどです。

ADD,ADHDの子の短期記憶の悪さは、
絶対忘れてはならないものを本人に自覚させ、忘れてはならない優先順位をつけさせることが大事だと思います。よりたくさん話させて、その子の興味を惹かせることが忘れさせないポイントです。
(普段は無意識に、その子の興味順の優先順位で大量に記憶しているはずです。肝心の忘れてはならない学校の通達事項などは、その子のなかで無意識のうちに忘れてもいい記憶として意識からはぶかれていることと思います)
「忘れるからメモしなさい」といったアドバイスは、
さらにそのメモをどこかへやってしまうトラブルをまねくので、
それよりも「忘れないために良いアイデアはない?」と子どもに考えさせる方がうまくいくかもしれません。(アイデアを出すのは、このタイプの子の優先順位で上の方にある場合が多いからです)

現実と想像をごちゃごちゃにしがちな子の場合、
短期記憶も大事ですが、
まず生活場面のイラストを見せて
どれくらい状況を理解しているか把握することが大事ではないでしょうか?

先生が質問していて、算数の教科書が机に開かれていて、生徒が手を上げている場面を見せて、「これは何の絵ですか?」とたずねても、

「わかんない~」と言ったり、
「勉強してる!」などと部分的にしかわかっていない答えの場合、

生活体験の場面を「経験している最中」に言葉にしていく練習が
必要だと思います。

後で報告する前に、している最中に
「今は、●●先生と、理科の実験をしています」といったことを
言葉にできるようになる練習をしていくと、
短期記憶の問題と感じられたものが、少し減ってくるかもしれません。



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発達障がいのあるなしの違いが、あまりわからないのですが……1

2009-06-19 12:52:23 | 社会性
広汎性発達障害の診断を受けている幼稚園の年長の☆くん。
定型発達のお友だちといっしょに遊ばせていても
どこがどう違うのかあまりわからない……。
就学の準備に何をさせたらよいのかピンとこない。

というお話をうかがいました。

☆くんはIQが130以上あります。
ですから知的な面では同年代の子との違いはほとんどないか、よくできる方だと
思います。
虹色教室で、さまざまなゲームや知的な課題に取り組んでもらったところ
どれもすぐにルールをマスターして楽しめていました。順番も守れました。
またお話の理解のために
『どろんこハリー』『くんちゃんのはじめてのがっこう』『だましっこ』を
読んで、主人公の気持ちを説明させたり、話の内容を質問したりしたところ、
最初は「わからない」と答えるものの、少しのヒントできちんと答えが言えていました。
そうした様子は☆くんのお母さんがおっしゃる通り、定型発達の子と遊んでいる姿を見ていても、違いがわからない、問題点がみえにくい…となると思います。


知能を使って乗り切れる場面では、ほとんど問題が感じられなかった☆くんですが、絵カードを使ったソーシャルスキルトレーニングのための質問では、
「わからない」を連発していました。
子どもふたりが席に座っていて、ひとりの子が「あ、えんぴつを忘れちゃった」という場面で、それがどのような状況なのか、もうひとりの子がどんな言葉を口にすればいいのかが想像できないのです。

定型発達の子も、こうした質問が苦手な子もいます。そうした子は、他の知的な課題全般が苦手な場合が多いです。

その点で☆くんは、さまざまな知的な課題が難なく解ける高い能力を持っているにもかかわらず、「どうして?」と思えるほど、ある問題だけが極端にわからなくなっています。

発達障がいの子は、何かができない、同年代の子より何かが劣っているというのではなく、
その子の中で、できることとできないこと、わかることとわからないことの開きが大きい、差が大きい子と言えるかもしれません。
そのため誤解を受けやすかったり、本人にわかりずらい注意の仕方や指導を受けることも多いです。

たとえば「ダメ!」と言われるだけでは、
どうダメでどうすれば良いのか、具体的に言ってもらわないとわからない場合。

注意している側は、他の能力から判断して、その子が本当に「わからないのだ」とは思いもよらないのです。
そのため学校では、注意されてもひとりだけ指示に従わず、さらに叱られるという事態に発展しやすいです。

広汎性発達障がいの子の場合、他の能力に比べ、社会性の発達だけが際立って苦手です。
学校に入ってからは、
社会性の発達が弱い集団向けの授業についていけない2次障害として、学習に遅れをきたす
という子がでてくるのではないでしょうか?

☆くんのような子の場合、発達障がいと捉えることに疑問がある方もあると思います。

途中ですが長くなったので、次回に続きます。


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短期記憶が難しい子のカード遊び

2009-06-15 12:35:34 | 自閉症
4歳の重度の自閉症の☆くんのレッスンです。
☆くんは少し前に体験したことでも、たずねられると、
部分しか覚えていなかったり、ちんぷんかんぷんの答えを言ったりします。

記憶力を上げたいのですが、
想像力が弱いので、少し前に見たものをイメージとして思い返すことが
困難な様子です。

そこで、目で確認できる
絵カードを使って、3つくらいの短いストーリーを記憶する練習をしました。
「うしさんがも~も~あるいていました。目の前にたんぽぽが咲いていました。向こうからうさぎさんが現われました」

といったストーリーを話して、あとから話に出てきたカードを3枚
選ばせます。

最初はとにかくでたらめにカードを選んでいましたが、
数回遊ぶうちに取れるカードの数がちがってきました。
お話を記憶しておこうとする意欲も少し見られました。



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子どもたちは、とっても愛らしいすてきな子に育っていっています。

見せしめの罰が多い学校 2

2009-06-13 20:25:33 | 番外
知人の話によると、こうした見せしめの罰が多くなったきっかけのひとつに、次のようなことが考えられるそうです。
それまで、発達障がいを疑われる数名の子が、
感覚過敏があったり、感情のコントロールがしにくかったりして教室から飛び出したり、授業中騒いだりするトラブルが続いていたそうです。

学校側は、発達障がいも視野に入れたきちんとした対応をせずに

個人を叱りつける

という対応を取っていたため、どんどん問題が深刻化していました。

が、学校をあげての「見せしめの罰」作戦を
取り始めたとたん、トラブルが激減したそうなのです。
それで喜んでいる親御さんも多いため、
知人が学校のやり方に目にあまるものを感じても、
それを口に出せないのだそうです。

ひとりの子が悪いことをすると
クラス全員を罰する

ルールを守っていない生徒がいると、まずその担任が注意され、
担任によって、ルール違反をした子をたくさんの子どもの前で(時には朝礼時に全校生徒の前で)罰する

問題を起こした子にわからせるよりも、みんなの前でその子を罰することで周囲の子が恐怖から教師の言うことをきくようにしむけることに力を入れる

こうした方法は、確かに、一時期効果をあらわすかもしれません。
しかし大人の目から消え去った問題は、見えない部分で陰湿化し
さらに深刻な問題を生んでいるように感じます。

発達の偏り等が原因で集団を乱しやすい子が、周囲から相手にされず孤立していたり、集団の罰の原因として憎まれていたり……。

見せしめの罰を見て恐怖心から聞き分けがよくなった子たちが
強いストレスを感じたり…。

高学年の子が低学年の子に言いつけられたから恥をかかされたとして
しかえしの機会をうかがっていたり……。罰がひどいと、自分は手を染めず、誰かを利用してしかえしすることも考えられます。

何より怖いのは、そうした子どもの心にどんどん鈍感になっていく
教師や親たちの姿です。
学校現場でのこうした問題……解決することが難しいです。

個々の学校のカラーに染まらない
大きな視野で子どもの問題を眺めてアドバイスできる専門家が
もっと増えることを願っています。




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見せしめの罰が多い学校

2009-06-11 15:37:01 | 教育論
知人の娘さんで小学1年生のAちゃんの話です。

Aちゃんが校庭で遊んでいると、高学年の子たちが遊具を独占して遊んでいたそうです。Aちゃんは「貸して」とは言い出せず、
近くにいた先生に相談に行きました。
すると、その先生は、直接、子どもたちに注意するのでなく、
高学年の子らの担任にそのことを告げに行きました。

数日後、Aちゃんの教室の前に高学年の子たち数名が
担任に連れてこられ、Aちゃんの名が呼ばれました。
そこで互いにそのときの様子を説明させられ、高学年の子らは
Aちゃんに頭をさげ、
Aちゃんは「いいよ」と言わされました。

学校から帰宅後、呼び出されてはずかしかったのと、こわかったので、
Aちゃんはいつまでもぐずぐず嘆いていたそうです。


Aちゃんの通う学校は、ごく普通の公立小学校です。
最近、子どもが何かするたびに見せしめのように、

みんなの前で~させられる、
1人が問題を起こすとクラス全員が不利益をこうむるような罰を与えられる

ということが増えてきたようです。

そうすることで、子どもたちが言うことをきくようになったと、
先生も親たちも喜んでいるそうです。

でも、それってどうなんでしょう?
何だか腑に落ちないのです。

話を引っ張るのですが、レッスン時間が近づいたので、続きは次回に書きますね。




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いくら恥をかかせてもいいんだよ~

2009-06-10 11:52:08 | 番外
教室の生徒さんのお母さんで、

「親に恥をかかせないでちょうだいね」と言われながら育って、
大人になって心が苦しくてたまらなくなった方がいます。

その方のご主人は気持ちのきれいな方で、
まだ幼い子どもたちに
「親に恥くらい……いくらでもかかせてもいいんだよ。いくらでも恥をかかせて育てばいいんだよ」と言って子育てしているそうです。



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子どもたちは、とっても愛らしいすてきな子に育っていっています。

知的障がいの子が喜んでいた学び方 2

2009-06-10 09:48:32 | 教育論
ちょっと間があいてしまったのであうが、前々回の続きです。

小学1年生の☆ちゃんは、学習全般に強い拒絶があったものの、
楽しそうにしていた活動のなかに、いくつも成長のきざしが感じられました。

☆ちゃんが大きな赤や青の子ども椅子を並べて遊んでいたので、
小さな赤や青や黄色のお人形の椅子をたくさん
用意して、色ごとに並べる仕事にさそうと、
喜んで取り組んでいました。

色で分類する

という作業は、認知の能力を高めるために大切です。
直接、学校の勉強と関係ないようでも
こうした遊びをしっかりさせていくことで、脳の機能がアップするだろう
と思われました。

「(学校の)お勉強はさせなくていいでしょうか?」と☆ちゃんのお母さんから
質問をいただきました。
私は、全くさせないのではなくて、☆ちゃんのできることを
中心に、今習っていることと関わらせてはどうかな?
と思いました。

できることととは、

☆大人が書いた字をまねして写す
☆ゆっくり読む
☆分類する

などです。
学校ごっこや郵便ごっこをするときに、教科書の文章の一部や習っている漢字などを利用して、苦痛のない形で、すこしずつ知識や技術を身につけさせて
あげるとよいのではないでしょうか?

ポイントはとにかく本人に成功させることだと思います。
学ばせることをあせらず、ごっこを楽しめるようになるのを優先します。

簡単なこともたくさん褒めて、
本人がやりたいと思う気持ちよりも
学習量の方がすこし少なくなるように調整するといいですね。

プリントをさせるときは☆小学生のための無料ドリルのような
能力を調整できるものを印刷して使うといいかもしれません。



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ゆっくり学習していく子のための無料プリント

2009-06-05 07:34:54 | 昆虫博士からの研究発表
今日から四十九日のために2日間帰省します。
前回の記事の続きは、帰宅してから書きますね。

ゆっくり学習していく子のための無料プリントがそろっている
ホームページにリンクしておきます。とてもよくできた教材です。
管理人の方は元養護学校の先生です。


☆Leeのきょうざいかん(教材館)

特にオススメは電車大好きくんが喜んで文字の練習をする小さな字の練習ができるプリント
電車のイラストがかわいくて!!
自閉症の子のひらがなの読みの練習にもぴったりです。



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知的障がいの子が喜んでいた学び方 1

2009-06-04 14:46:35 | 番外
先日、知的障がいの小学1年生の☆ちゃんのはじめての
レッスンをしました。
☆ちゃんは、学習に対する拒絶心が強くなっていて、
「これはいくつ?」と4つのものを数えるくらいの問題でも
嫌がって激しく抵抗したり、そわそわするそぶりをしてでたらめな答えを言ったり
していました。

☆ちゃんはこれまで3ヶ月ほど、●●式のプリント学習の教室に
通っていたそうです。
☆ちゃんが毎日泣いて拒絶する日が続いたので、お母さんは
迷いつつもお教室をやめさせる決心をしたそうです。
(お教室からは、かなり激しく責められたのだとか……)

そうして簡単にテストする形では、やる気も根気も
学習を続けていくのは非常に困難なように見えました。
しかし、☆ちゃんがその後の遊びの中で見せた姿は、
少し希望が感じられるものでした。

☆ちゃんは郵便やさんごっこがとても気に入って
熱心に遊んでいました。

ポストにお手紙を入れる
切手を貼る
から発展し、私が、弟君に手紙を書き始めると
「私も書きたい!」とえんぴつと紙を欲しがりました。
そして私の字を真似て、上手に書きました。
その後、何枚も紙を欲しがって書き続けました。

私が三角を描いてみせて、まねさせると、四角になってしまいます。
そこで、3つ点を打って描かせると
きちんと描けました。
形を把握するのは難しいものの、
少しの補助があればきちんとできる様子です。

くまの絵を描いてみせると、少しゆがんだものの
まねできました。

☆楽しい雰囲気なら意欲的に取り組める
☆補助があれば、困難なことも克服できる

という長所に注目して、
さまざまな学習への道がつく気もしました。

☆ちゃんのレッスンは、次回に続きます。



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軽度の自閉症の子が喜んでいたゲーム と可能性 3

2009-06-03 12:01:49 | ADHD
今度は4歳の軽度の広汎性発達障害の☆くんが熱中していたおもちゃを紹介します。

どきどきポケット

です。
今、手に入らないようなので、紹介するのは気がひけるのですが、どういったおもちゃに熱中できるのか、どのように今後の学習に生かせるのか参考にしていただくとうれしいです。

☆くん、あまりにも夢中だったので、やめさせるのに一苦労でした。

カラフルな小さな玉、数字、はじく行為、機械のような仕組み

が、☆くんの興味を惹きつける様子です。
いつまでも飽きないで遊んでいる横で、
繰り返し、足し算を言っていきました。

2進法の仕組みで作られているゲームなので、
足し算がきちんとできると、色どおりコマをポケットに落としていけます。
まだでたらめに玉を入れていっている☆くんですが、
気づきをうながすように、毎回足し算を言ってあげ、同時に指で足し算も見せてあげました。

☆くんは、指示に従うことはとても難しい子で、園でも自分の好きなように過ごしているそうです。
集団の場で、先生から教わることを学んでいくのは
とても難しいように思われます。

☆くんが興味を惹かれる
動きのあるカラフルな数の玉を使って
算数を身につけていく方法を模索していく予定です。



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重度の自閉症の子が喜んでいたゲーム と可能性 2

2009-06-03 11:49:54 | 自閉症
ルールのあるゲームとしては遊べていませんでしたが、
4歳の☆くんが興味を持って取り組んでいたゲームです。

ニコニコ くるりんゲーム

将棋に似たゲームです。
コマを動かすと表情が変わるのに、とても興味を持っていました。
年代物なので、今は売られていないように思います。こうしたおもちゃに興味を抱くことを知っていただいて、別のもので工夫していただけるとうれしいです。

こうしたます目のあるボードに親しめるようなら、
座標や数(かけざんなど)を教えていくときに、
オセロなどが役立ちそうです。

こうしたゲームに夢中になっているときに、
同時に子どもにとって大切な概念(右、左、上下、表情について、コマの進む数)などを繰り返し告げています。
覚えたかは確認せず、自然に使っていると、
理解してきます。



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重度の自閉症の子が喜んでいたゲーム と可能性 1

2009-06-03 10:01:07 | 自閉症
4歳の重度の自閉症の診断を受けている☆くんのレッスンで
☆くんがとても喜んで熱中していたゲームを
紹介します。

ショッピングリスト

です。
カートの中に、リストを見ながら、同じ食べ物を探し出してきて
全て集めます。

☆くんは、すばやくミスなく見つけることができて、
1枚目の8個をそろえた後で、もう一枚やりたがり、
2枚目をやりとげたあとで、さらにもう一枚やりたがりました。


こうした熱中したゲームを把握しておくと、
集団生活等で自立を支援する際も、どのような手立てが有効かわかりやすいです。
たとえば、親しくさせていただいている『ごゆっくりさん』というブログのyoshikoさん(教材の作り方や自立の支援の仕方等非常に役立つブログです)
☆スケジュールバーのような
ものが、☆くんの将来にに役立つのでは……?
と推測できます。

ただ、写真より、ショッピングリストのイラストやカラーの
雰囲気で、リストを作った方が、
☆くんが受け入れやすいかもしれません。

☆くんは困難も多い子ですが、
可能性もたくさん持っている子です。
今回、2回目のレッスンでしたが、
前回の遊びが少し発展し、
私の方を見ては、ニコッと微笑みながら、遊ぶ時間がたくさんありました。


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