Blood clotting protein triggers immune attack on brain
Disruption of the blood-brain barrier triggers a cascade of events that results in autoimmunity, brain damage characteristic of multiple sclerosis
October 9, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151009185431.htm
BBBが壊れると血液中のタンパク質が漏れ、そしてBBBの破損は多発性硬化症/MSという自己免疫疾患の特徴である
しかしながら、BBBの破損が自己免疫応答を引き起こすのか、それともBBBの破損は自己免疫応答の結果なのかは不明のままだった
今回の研究でグラッドストーン研究所の科学者は新しい動物モデルを作成し、BBBの漏れleakageが自己免疫を引き起こすのかどうかを調べた
実験の結果、たった一滴の血液が脳内に入ると自己免疫応答が開始され、連鎖反応で炎症とミエリンmyelinの傷害が生じることが明らかになった
ミエリンは神経線維を絶縁insulateして保護するための「鞘/さや/sheath」であり、MSで主に傷害を受ける箇所である(ミエリンは髄鞘の構成成分)
科学者はさらに、疾患を引き起こすプロセスの引き金が血液中の凝固因子であるフィブリノゲンfibrinogenであることを特定した
フィブリノゲンは脳内でミクログリアを活性化して、ミクログリアは末梢の免疫細胞を脳に呼び寄せるシグナルを送る
末梢の免疫細胞であるマクロファージとT細胞が脳内に入るとミエリンを攻撃した
研究結果を確認するため、科学者はミクログリア表面のフィブリノゲン受容体である補体受容体3/complement receptor 3/CR3 (CD11b/CD18) を欠損させた
この相互作用の阻害により自己免疫プロセスは抑制され、ミクログリアは末梢免疫細胞へのシグナルを出さず、ミエリンへの傷害と炎症は回避されたavert
研究者は現在、小分子を使った生物学的アプローチによりフィブリノゲンを阻止しようと試みているところである
「この発見は、ミエリン特異的なT細胞が脳内でミクログリアと脳マクロファージを活性化することで炎症を開始するという長年のパラダイムに疑義を唱えるものだ」
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経学教授であり共著者でもあるScott Zamvilは言う
「この研究は、新たなパラダイムが逆に起きるということを実証する
つまり、初めにミクログリアと脳マクロファージが活性化して、それがT細胞を活性化するのかもしれないということだ」
科学者は、この血液により脳の炎症が起きるというモデルは新薬のスクリーニングにも使えるという点で有用なツールであるという
そしてこれらのメカニズムは自己免疫疾患でのみ起きるのではなく、脳の炎症またはBBBの破損に関する他の病気でも起きる可能性がある
例えば外傷性脳損傷traumatic brain injury、脳卒中、アルツハイマー病、認知症である
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms9164
Blood coagulation protein fibrinogen promotes autoimmunity and demyelination via chemokine release and antigen presentation.
フィブリノゲン→フィブリン
CD11b+ミクログリア
CXCL10、CCL2/MCP-1、IL-12
CD11b+マクロファージ
Th1
Disruption of the blood-brain barrier triggers a cascade of events that results in autoimmunity, brain damage characteristic of multiple sclerosis
October 9, 2015
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151009185431.htm
BBBが壊れると血液中のタンパク質が漏れ、そしてBBBの破損は多発性硬化症/MSという自己免疫疾患の特徴である
しかしながら、BBBの破損が自己免疫応答を引き起こすのか、それともBBBの破損は自己免疫応答の結果なのかは不明のままだった
今回の研究でグラッドストーン研究所の科学者は新しい動物モデルを作成し、BBBの漏れleakageが自己免疫を引き起こすのかどうかを調べた
実験の結果、たった一滴の血液が脳内に入ると自己免疫応答が開始され、連鎖反応で炎症とミエリンmyelinの傷害が生じることが明らかになった
ミエリンは神経線維を絶縁insulateして保護するための「鞘/さや/sheath」であり、MSで主に傷害を受ける箇所である(ミエリンは髄鞘の構成成分)
科学者はさらに、疾患を引き起こすプロセスの引き金が血液中の凝固因子であるフィブリノゲンfibrinogenであることを特定した
フィブリノゲンは脳内でミクログリアを活性化して、ミクログリアは末梢の免疫細胞を脳に呼び寄せるシグナルを送る
末梢の免疫細胞であるマクロファージとT細胞が脳内に入るとミエリンを攻撃した
研究結果を確認するため、科学者はミクログリア表面のフィブリノゲン受容体である補体受容体3/complement receptor 3/CR3 (CD11b/CD18) を欠損させた
この相互作用の阻害により自己免疫プロセスは抑制され、ミクログリアは末梢免疫細胞へのシグナルを出さず、ミエリンへの傷害と炎症は回避されたavert
研究者は現在、小分子を使った生物学的アプローチによりフィブリノゲンを阻止しようと試みているところである
「この発見は、ミエリン特異的なT細胞が脳内でミクログリアと脳マクロファージを活性化することで炎症を開始するという長年のパラダイムに疑義を唱えるものだ」
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経学教授であり共著者でもあるScott Zamvilは言う
「この研究は、新たなパラダイムが逆に起きるということを実証する
つまり、初めにミクログリアと脳マクロファージが活性化して、それがT細胞を活性化するのかもしれないということだ」
科学者は、この血液により脳の炎症が起きるというモデルは新薬のスクリーニングにも使えるという点で有用なツールであるという
そしてこれらのメカニズムは自己免疫疾患でのみ起きるのではなく、脳の炎症またはBBBの破損に関する他の病気でも起きる可能性がある
例えば外傷性脳損傷traumatic brain injury、脳卒中、アルツハイマー病、認知症である
http://dx.doi.org/10.1038/ncomms9164
Blood coagulation protein fibrinogen promotes autoimmunity and demyelination via chemokine release and antigen presentation.
フィブリノゲン→フィブリン
CD11b+ミクログリア
CXCL10、CCL2/MCP-1、IL-12
CD11b+マクロファージ
Th1