機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

脳内に漏れた血液が脳への攻撃を引き起こす

2015-10-27 06:44:02 | 
Blood clotting protein triggers immune attack on brain

Disruption of the blood-brain barrier triggers a cascade of events that results in autoimmunity, brain damage characteristic of multiple sclerosis

October 9, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151009185431.htm

BBBが壊れると血液中のタンパク質が漏れ、そしてBBBの破損は多発性硬化症/MSという自己免疫疾患の特徴である
しかしながら、BBBの破損が自己免疫応答を引き起こすのか、それともBBBの破損は自己免疫応答の結果なのかは不明のままだった

今回の研究でグラッドストーン研究所の科学者は新しい動物モデルを作成し、BBBの漏れleakageが自己免疫を引き起こすのかどうかを調べた
実験の結果、たった一滴の血液が脳内に入ると自己免疫応答が開始され、連鎖反応で炎症とミエリンmyelinの傷害が生じることが明らかになった

ミエリンは神経線維を絶縁insulateして保護するための「鞘/さや/sheath」であり、MSで主に傷害を受ける箇所である(ミエリンは髄鞘の構成成分)
科学者はさらに、疾患を引き起こすプロセスの引き金が血液中の凝固因子であるフィブリノゲンfibrinogenであることを特定した

フィブリノゲンは脳内でミクログリアを活性化して、ミクログリアは末梢の免疫細胞を脳に呼び寄せるシグナルを送る
末梢の免疫細胞であるマクロファージとT細胞が脳内に入るとミエリンを攻撃した


研究結果を確認するため、科学者はミクログリア表面のフィブリノゲン受容体である補体受容体3/complement receptor 3/CR3 (CD11b/CD18) を欠損させた
この相互作用の阻害により自己免疫プロセスは抑制され、ミクログリアは末梢免疫細胞へのシグナルを出さず、ミエリンへの傷害と炎症は回避されたavert
研究者は現在、小分子を使った生物学的アプローチによりフィブリノゲンを阻止しようと試みているところである

「この発見は、ミエリン特異的なT細胞が脳内でミクログリアと脳マクロファージを活性化することで炎症を開始するという長年のパラダイムに疑義を唱えるものだ」
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経学教授であり共著者でもあるScott Zamvilは言う

「この研究は、新たなパラダイムが逆に起きるということを実証する
つまり、初めにミクログリアと脳マクロファージが活性化して、それがT細胞を活性化するのかもしれないということだ」


科学者は、この血液により脳の炎症が起きるというモデルは新薬のスクリーニングにも使えるという点で有用なツールであるという
そしてこれらのメカニズムは自己免疫疾患でのみ起きるのではなく、脳の炎症またはBBBの破損に関する他の病気でも起きる可能性がある
例えば外傷性脳損傷traumatic brain injury、脳卒中、アルツハイマー病、認知症である


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms9164
Blood coagulation protein fibrinogen promotes autoimmunity and demyelination via chemokine release and antigen presentation.

フィブリノゲン→フィブリン

CD11b+ミクログリア

CXCL10、CCL2/MCP-1、IL-12

CD11b+マクロファージ
Th1
 


パーキンソン病の治療に重要な遺伝子

2015-10-27 06:38:17 | 
Gene could hold key to treating Parkinson's disease

October 19, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151019154121.htm


(ショウジョウバエの幼虫の画像
キングスカレッジロンドンの研究者は幼虫の神経細胞に遺伝子工学で緑の蛍光タンパク質/GFPを導入し、ミトコンドリアが傷害を受けた神経を観察しやすくなった
この幼虫と成虫の分析により、ミトコンドリアが神経機能を阻害するシグナルを出すことが明らかになった)


[パーキンソン病のショウジョウバエモデル]
 ミトコンドリアのダメージ─(HIF-α)─┤神経の成長

リー症候群という神経疾患をともなうミトコンドリア不全のショウジョウバエモデルでも同様だった


http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1505036112
Mitochondrial retrograde signaling regulates neuronal function
ミトコンドリアの逆行性シグナル伝達は神経機能を調節する

Significance
ショウジョウバエでのリー症候群ならびにパーキンソン病モデルにおけるHIF-αのノックダウンは神経機能を回復した


Abstract
ミトコンドリア逆行性シグナル伝達のニューロンにおける役割を調べるため、我々はミトコンドリアの機能不全をショウジョウバエの神経系に導入した

ニューロンのミトコンドリア機能不全は、
ニューロンの生存能力viabilityの低下、ニューロン機能の障害、酸化還元電位redox potentialの低下、前シナプスミトコンドリア数ならびにアクティブゾーンactive zone(神経伝達物質がエクソサイトーシスされる領域)の減少を引き起こした

分析の結果、ニューロンのミトコンドリア機能不全は、数百以上の核遺伝子の発現を制御する逆行性シグナル伝達応答を刺激することが判明した

ショウジョウバエのHIF-αオーソログのSimilar (Sima) は数百のミトコンドリア逆行性シグナル伝達を調節した
これはSimaがミトコンドリア逆行性シグナル伝達を仲介することを示唆する

特に際立っていたのはRemarkably、Simaのノックダウンが最初primaryのミトコンドリアの異常に影響することなくニューロン機能不全を回復したことである
これはミトコンドリア逆行性シグナル伝達がニューロン機能不全の(部分的な)原因であることを実証する


※Leigh disease: リー病(リー脳症、リー症候群とも)
チトクロームC酸化還元酵素などの酵素の欠乏によるミトコンドリア疾患。症状は痙攣、精神運動遅滞、運動失調など