機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

TREM2はAβの周囲にミクログリアを集める

2015-10-18 06:16:27 | 
New target identified in fight against Alzheimer's, multiple sclerosis

March 2, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150302091654.htm

「TREM2が存在するとミクログリアはアミロイドプラークの周囲に群がるが、TREM2がないとそれは起きない」

以前の研究はTREM2遺伝子のまれな変異を早発性認知症early-onset dementiaと関連付けており、
この変異はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスク増加と関連があった


http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2015.01.049
TREM2 Lipid Sensing Sustains the Microglial Response in an Alzheimer’s Disease Model.


Highlights
・ADマウスモデルでのTREM2の欠損は、Aβ蓄積ならびにニューロン喪失を促進する
・TREM2は、ミクログリア生存を促進することによりAβプラークへのミクログリアの応答を維持する
・TREM2は、微小繊維Aβ/fibrillar Aβと相互作用するアニオン性脂質anionic lipidsを感知する
・TREM2のアルツハイマー病と関連するR47H変異は脂質認識を損なう


Summary
TREM2はミクログリア細胞表面の受容体であり、細胞内のチロシンリン酸化を引き起こす
最近のゲノムワイド関連解析では、TREM2のまれなR47H変異(47番目のアルギニン残基がヒスチジンに変異する)がアルツハイマー病発症のかなりのリスク増大と相関することが示されている

この遺伝的関連に関する基礎を検討するために我々はTREM2を欠損する5XFADアルツハイマーマウスモデルを使った研究を行い、
TREM2の欠損ならびにハプロ不全haploinsufficiencyがアミロイドベータ/Aβの蓄積を促進することを発見した
この原因はミクログリアの応答が機能しないためであり、ミクログリアはAβプラークの周囲に集まることに失敗してアポトーシス性になるbecome apoptotic

TREM2は広範囲の陰イオン性anionic/両性イオン性zwitterionicの脂質を感知することを我々は証明する
それらイオンは脂質膜内の微小繊維fibrillarのAβと結合し、そして傷害を受けたニューロンの表面に露出することが知られている

TREM2のR47H変異は、そのような脂質リガンドの検出を損ない、アルツハイマーのリスクになる

ゆえに、TREM2はダメージと関連した脂質パターン(このパターンは神経変性と関連する)を検出し、
Aβ蓄積へのミクログリアの応答を維持する



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/4dde5462dcc4bcf35207eca93752fdd6
PGE2が多くなると、EP2を介してミクログリアがAβを抑制できなくなり、アルツハイマーのリスクになる
 

IL1RAP遺伝子はAβプラーク形成と関連する

2015-10-18 06:09:27 | 
Newfound gene linked to amyloid beta plaque buildup in Alzheimer's disease

October 5, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151005163043.htm

インディアナ大学医学部を中心とした複数の研究チームは、免疫系の遺伝子がアルツハイマー病患者とリスクの高い高齢者の脳内でのアミロイドプラークの形成速度と関連することを発見した

Brain誌で報告された今回の研究では、IL1RAPという遺伝子の多型がアミロイドプラークの蓄積と関連し、アルツハイマー病の発症と関連することで有名なAPOEのε4アレルよりも強い影響があることが明らかにされた

研究者は陽電子断層撮影法/PETを用いてほぼ500人の脳を調べ、最初の訪問時とその2年後のアミロイド沈着レベルを評価した後、
ゲノム全体での分析を実施して2年間という期間でのプラーク蓄積と関連する遺伝的多型を確認した

APOEのε4がプラーク形成と関連していたのは予想通りだったが、
研究者が驚いたことに、IL1RAPという遺伝子が、APOEとは独立した、より強い影響を持つことが示された
IL1RAPは、免疫シグナルの重要な要素であるインターロイキン-1受容体アクセサリータンパク質をコードする遺伝子である

「これは非常に興味深い結果である
なぜならIL1RAPはミクログリアの活性に主に関わることが知られているからだ
ミクログリアは脳内の『ごみ処理システム/garbage disposal system』として働く細胞で、
様々な神経変性疾患において調査の対象となっている」
インディアナ大学医学部のVijay K. Ramanan, M.D., Ph.D.は言う


科学者たちは以前から脳内の主な免疫細胞であるミクログリアがアミロイドプラークの周りに集まることを知っており、
より最近のエビデンスでは、ミクログリアがAβ沈着の除去に関与することが明らかにされ、
PETによるスキャンではミクログリアの活性の変化が示されている

今回の新たな研究で、アミロイド蓄積と関連するIL1RAP多型は以下のような関連が明らかにされた

・ミクログリア活性レベルの低下(PETスキャンで計測)
・側頭葉のより強い萎縮(記憶に関与する脳の領域)
・認知低下の加速
・研究の参加者の間で軽度認知障害 (MCI) からアルツハイマー病へ進行する可能性の増大

インディアナアルツハイマー病センターのディレクターであるAndrew Saykin博士は、IL-1/IL1RAP経路を標的とする薬剤がリウマチ病ならびに炎症性疾患に関して既に利用可能であることに言及する
IL1RAPに対する抗体もあり、白血病の治療で試験されている
博士はそれらをアルツハイマー病の治療薬としての可能性を研究するために適応できるかもしれないという


http://dx.doi.org/10.1093/brain/awv231
GWAS of longitudinal amyloid accumulation on 18F-florbetapir PET in Alzheimer’s disease implicates microglial activation gene IL1RAP.

アルツハイマー病の病理発生pathogenesisに影響する遺伝子を同定するため、我々は18F-florbetapir PETによって計測された脳内のアミロイド蓄積の縦断的な変化longitudinal changeとのゲノムワイド関連解析/GWASを実施した



関連サイト
http://fri.fujifilm.co.jp/information/detail/141104.html
PET検査にてアミロイドβを可視化する放射性医薬品「florbetapir(18F)注射液」の共同開発契約を締結