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ERストレスは2型糖尿病に強く関与する

2015-10-12 06:46:23 | 代謝
Endoplasmic reticulum stress plays significant role in type 2 diabetes

Linked to immune-system alterations, metabolic derangements

October 1, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/10/151001130002.htm

ERストレスは2型糖尿病において重要な役割を演じ、ERストレスは免疫系の変化ならびに代謝の混乱と関連する


インドのチェンナイChennaiにあるマドラス糖尿病研究財団/Madras Diabetes Research Foundationの科学者は、健康な対照群と比較して2型糖尿病患者で増大するいくつかの小胞体/ERストレスのマーカーを同定した
これらのERストレスマーカーは、血糖コントロールの悪化、脂質代謝異常dyslipidemia、インスリン抵抗性、炎症、酸化ストレスを表すマーカーとも有意に正の相関を示した

さらに、炎症を調節すると考えられているmiR-146aというマイクロRNAも損なわれ、ERストレスならびに糖尿病患者の炎症と負の相関を示すことも明らかになった

 miR-146a↓─┤炎症↑


http://dx.doi.org/10.1189/jlb.3A1214-609R
Altered immunometabolism at the interface of increased endoplasmic reticulum (ER) stress in patients with type 2 diabetes.

Abstract
ERストレスマーカーの遺伝子とタンパク質の発現が、T2D患者の末梢血単核細胞/PBMCsで有意に増大していた (GRP-78, PERK, IRE1α, ATF6, XBP-1,CHOP)
炎症性サイトカイン (TNF-αとIL-6)、酸化ストレスマーカー (p22phox, TXNIP, TRPC-6) のmRNA発現もT2DM患者のPBMCsで増大していた
SOCS3のmRNA発現は患者で有意に低下していた

PBMCsにおけるほとんどのERストレスマーカーのmRNA発現は、血糖コントロールの悪化、脂質異常、インスリン抵抗性、炎症マーカーならびに酸化ストレスマーカーと有意に正の相関を示した
PBMCsにおける慢性的なERストレスは、カスパーゼ-3の活性の増大から明らかだった(カスパーゼ-3はアポトーシスの実行役)

miR-146aレベルの異常と一致して、miR-146aの下流の標的、つまりviz、IRAK1とTRAF6のmRNAレベルもT2D患者で有意に上昇していた
miR-146aレベルと、ERストレスマーカー、炎症性マーカー、血糖コントロールとの間には逆相関inverse relationshipが存在した

我々はT2D患者におけるmiR-146aレベルの異常ならびに炎症促進性シグナルの増大を伴うERストレスマーカーの増大のエビデンスを実証する




関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/06/150617144459.htm
小胞体ストレス/ERストレスに作用する新しい糖尿病薬azoramide

http://dx.doi.org/10.1126/scitranslmed.aaa9134
表現型アッセイにより同定されたazoramideは小胞体ストレス応答/UPRの小分子モジュレーターであり抗糖尿病効果がある



関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/10/141016123612.htm
miR-146aがないマウスは、年を取ると炎症が起きやすくなる



関連サイト
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/144/2/144_53/_article/-char/ja/
β細胞は小胞体ストレスに対して脆弱であり,閾値を越えた小胞体ストレスを受けると積極的にアポトーシスを誘導する



関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150921182105.htm
過剰なERストレスはβ細胞を殺すが、適度なERストレスはβ細胞を増やす
 ERストレス→PERK,IRE1,ATF6→ER拡大
 ERストレス→ATF6→核へシグナル→細胞増殖


関連記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150917130452.htm
β細胞にはインスリン受容体Aとインスリン受容体Bがあるが、糖尿病ではインスリン受容体Bがインスリンに感受性がなくなり、シグナル伝達経路の1つが不活化する
代わりにインスリンはPI3K-C2αによってスイッチを切り替えて別のシグナル伝達経路を活性化し、それがβ細胞の増殖につながる