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タモキシフェンへの抵抗性を克服する

2015-09-26 06:26:15 | 癌の治療法
New approach found to tackle breast cancer hormone therapy resistance

September 17, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150917130455.htm

マンチェスター大学の研究者は、なぜエストロゲン受容体陽性/ER+の乳癌がホルモン療法に抵抗性を生じるのかについての新しい説明を発見した


乳癌の80%はER+であり、タモキシフェンやアロマターゼ阻害剤のような抗エストロゲン療法により治療される
しかし、これらの患者の約5分の1が10年以内に再発し、進行癌の患者ではほぼすべてが抵抗性を生じる

マンチェスター大学の研究によると、短期間の抗エストロゲン薬は腫瘍の増殖を減少させるものの、それはNOTCH4というシグナルがドライバの乳癌幹細胞の活性を増大させるという

乳癌患者由来のマウス異種移植と培養細胞での実験結果は、癌幹細胞はNOTCH4の存在によって抗エストロゲン療法を回避することを示した
治療前の患者の腫瘍でのNOTCH4のレベルの高さは、乳癌の転移ならびに予後の悪さと関連があった

今回の結果は、抗エストロゲン療法への抵抗性がNOTCH阻害剤と組み合わせて癌幹細胞を標的にすることにより克服できる可能性を示唆する
この癌幹細胞はNOTCH4に依存するため、それはアキレスの踵として利用できる

研究のチームリーダーであるRob Clarke博士は言う
「タモキシフェンは腫瘍の増殖を抑え、NOTCH阻害剤は癌幹細胞の数を減らす
標準療法とNOTCH経路の阻害剤の組み合わせはER+乳癌の治療を改善して、抵抗性による再発を防ぐだろう」


重要なことに、NOTCH4とALDH1に関するテストはどの乳癌が抗エストロゲン療法に抵抗し、そしてどの患者が組み合わせ療法によって最も利益を得るかを予測できるという

「今回の発見を確認するには時間が必要だが、NOTCH阻害剤general inhibitorsは既に乳癌で臨床試験中である」


http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2015.08.050
Anti-estrogen Resistance in Human Breast Tumors Is Driven by JAG1-NOTCH4-Dependent Cancer Stem Cell Activity.
ヒト乳癌における抗エストロゲン療法への抵抗性は、JAG1-NOTCH4に依存的な癌幹細胞活性によって駆動される


Highlights
・抗エストロゲン療法は、選択的に乳癌幹細胞BCSCsを増大させ、Notchシグナル伝達を活性化する
・Notch経路の活性化とALDH1は、抗エストロゲン療法の失敗を予測する
・Notch4を標的にすることは乳癌幹細胞の集団を減少させる
・Notch阻害剤は、ER+腫瘍の再発を阻害するか抵抗性を克服する可能性がある

Summary
今回我々は、短期の抗エストロゲン療法/タモキシフェンまたはフルベストラントは細胞増殖を抑制するが、JAG1-NOTCH4受容体の活性化を通じて癌幹細胞の活性を増大させることを細胞サンプルならびに異種移植で示す
このメカニズムを支持するものとして、高レベルのALDH1はタモキシフェンで治療した女性の抵抗性を予測し、NOTCH4/HES/HEY遺伝子の徴候は応答/予後の悪さを予測することを、我々は2つのER+患者コホートにおいて実証する


Figure 1
ALDHの発現が低い場合はタモキシフェンが有効だが、ALDHが高い場合はタモキシフェンが効いていない

Figure 5
タモキシフェンがER+癌細胞を全滅させて、あとにはALDH+JAG1+NOTCH4+ER-の乳癌幹細胞が残ってそれが再発につながる



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/b83fcd1f83b816bd98dc2ddaa06e1693
乳癌の幹細胞/BCSCには、EMT(CD24-CD44+)とMET(ALDH+)という2種類の状態がある