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炎症と結腸癌の転移との関係

2015-09-01 06:10:17 | 癌の治療法
Links between inflammation and colon cancer metastasis

August 25, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150825094923.htm



癌は遺伝子の「動物園menagerie」であり、様々なタイプの細胞から構成されている
中でも癌幹細胞 (CSCs) は、腫瘍のイニシエーション、増殖、再発の原因であると考えられている


プロスタグランジンE2/PGE2は生理活性のある最も豊富な炎症性の脂質であり、結腸癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌で見られる
PGE2が癌で見られると、それはしばしば予後の悪さを示す

通常、PGE2は傷を治す際に免疫細胞を呼び寄せる
PGE2レベルは数日間上昇してすぐに低下する

しかし癌細胞はPGE2を慢性的に作り続ける
それはまるで、決して治らない傷を治すプロセスのようである
そうする中で癌幹細胞が生まれて癌の進行と転移を促進する


アリゾナ州立大学のDuBois研究チームは、
PGE2が癌細胞の表面にあるEP4という受容体に結合するとシグナルカスケードを引き起こし、
癌幹細胞は再生して分化し、最終的に化学療法に抵抗性になることを証明した


DuBoisは結腸直腸癌のマウスモデルで、
PGE2の投与は癌幹細胞ならびに全腫瘍組織量overall tumor burdenを増加させ、肝臓が主な転移先となることを示した


DuBoisは言う
「我々は結腸癌患者からサンプルを採取して癌幹細胞を精製した
この癌幹細胞にPGE2を投与すると、PGE2を投与しない細胞よりも1000倍転移しやすくなった」

さらに、PGE2レベルの上昇ならびに癌幹細胞の増加がヒト結腸癌組織標本でも観察された

加えて、EP4受容体への結合を阻害する薬剤によりPGE2シグナルを妨げると、ポリープと癌幹細胞の数は減少し、肝臓への転移を抑制した


http://dx.doi.org/10.1053/j.gastro.2015.07.064
Prostaglandin E2 Promotes Colorectal Cancer Stem Cell Expansion and Metastasis in Mice.

Methods
LS-174T細胞をフローサイトメトリーでソートした (CD133+CD44+ と CD133–CD44–細胞)


Results
ヒト結腸直腸癌サンプルにおいてPGE2レベルは腸の癌幹細胞マーカー (CD133, CD44, LRG5, SOX2 mRNAs) と相関した

COX2阻害剤のセレコキシブcelecoxibは、ApcMin/+マウスでポリープ数を減少させ、NSGマウスで肝臓転移を抑制し、ApcMin/+とNSGマウスの両方で癌幹細胞を減少させた

EP4, PI3K p85α, ERK1, NF-κBの阻害剤またはノックダウンは、PGE2によるスフィア形成を減少させた


Conclusions
PGE2はEP4–PI3KならびにEP4–MAPKシグナル伝達を介したNF-κB活性化により癌幹細胞の増殖を誘導し、肝臓の転移をマウスで促進する



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