機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

「私を食べて」シグナルは樹状細胞の食欲を刺激する

2015-09-08 06:40:38 | 癌の治療法
'Eat me' signal whets appetites for tumor-devouring dendritic cells

August 31, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150831120316.htm

年老いた細胞の多くと癌細胞のほとんどは、細胞表面にCD47を発現する
CD47の存在はこれらの細胞を保護し、マクロファージが貪食しないようにする

スタンフォードの研究者たちは以前、CD47に対する抗体を使ってこの「私を食べないで」というシグナルを無効化し、
それによりマクロファージが癌細胞を破壊できるようになることを発見した

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22451913
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22451919
※「CD47はマクロファージと樹状細胞上のSIRPαのリガンド」とある


シカゴ大学メディカルセンターのYang-Xin Fuたちは今回のNature Medicineの論文で、
以前の研究はヒトの腫瘍をマウスに移植したもので行われたものであり、マウスは著しい免疫不全でもあったことを指摘した

彼らは、より適したモデルは腫瘍をマウスから遺伝的に同一のホストマウスへと移植し、それは完全に機能する免疫系を持つべきだと主張する
その方がより有益でありinformative、臨床的にみて適切だろうという

研究者たちはそのようなマウスを使って彼らのアプローチをテストし、
CD47の阻害による治療的効果の大部分bulkがマクロファージではなく樹状細胞に依存することを発見した
樹状細胞はインターフェロンの分泌を引き起こして免疫系を活性化し、CD8+T細胞をプライミングprimingする
研究者は抗CD47抗体による腫瘍の排除には自然免疫応答と適応免疫応答の両方が必要であると記している


より真に迫った/life-likeモデルを使ってシカゴ大学の研究者は次のことを示した

・樹状細胞はマクロファージよりキラーT細胞のプライミング能が強い
・樹状細胞は免疫を刺激するインターフェロンI型の分泌を引き起こして適応免疫を加速する
・STING (stimulator of interferon genes) 経路は樹状細胞によって活性化されるが、この経路は抗CD47抗体療法による抗腫瘍効果には『絶対に必須』である
・抗CD47の投与前に化学療法を単一用量で投与すると、抗CD47抗体の後に化学療法を投与するよりも、効果があるようである(A single treatment with chemotherapy before, rather than after, CD47 treatment appeared to be most effective.)

※論文では、抗CD47抗体を12日目と17日目に投与し、化学療法をその1日前の11日目に単一用量single dose投与するか、もしくは15日目・18日目・21日目の三回three doses投与している


http://dx.doi.org/10.1038/nm.3931
CD47 blockade triggers T cell–mediated destruction of immunogenic tumors.
CD47の阻害はT細胞を介した免疫原性腫瘍の破壊を引き起こす



関連サイト
http://amrit-lab.com/c/AM429.html
>ガン細胞の「私を食べないで」シグナルCD47をマスクする新しい治療方法開発
>マウスの体内に人間の膀胱ガンを移植して行ったモデル実験では強いガン抑制効果が見られました。
 


アスピリンは免疫療法のスーパーチャージャー

2015-09-08 06:39:09 | 癌の治療法
Aspirin could hold key to supercharged cancer immunotherapy

September 3, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150903131416.htm

フランシスクリック研究所のCaetano Reis e Sousa教授は言う

「がんの中にはPGE2を作ることで免疫系を回避するものがあるというエビデンスが増えつつある
癌細胞のPGE2を作る能力を奪い去ることができれば、この保護的バリアを効果的に取り除いて免疫系の力を完全に解放するだろう」

「免疫療法と同時にアスピリンのようなCOX阻害剤を与えることは、治療の効果に大きな違いを生じる可能性がある」


http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2015.08.015
Cyclooxygenase-dependent tumor growth through evasion of immunity.

(PGE2→IL-6,CXCL1,G-CSF)

Highlights
•腫瘍のシクロオキシゲナーゼ/COXはプロスタグランジンE2/PGE2を誘導して、骨髄細胞の機能を破壊するsubvert
•COX阻害剤は、チェックポイント阻害療法と相乗作用を示す


Summary
メラノーマや癌細胞が抗腫瘍免疫を回避するメカニズムは完全には理解されないままである

今回我々は、
正常な免疫反応能を持つ/免疫応答性のimmunocompetentホストにおいて
BrafV600E変異マウスメラノーマ細胞により形成される腫瘍の増殖は
PGE2の産生を必要とすることを示す

PGE2は(T細胞による適応)免疫を抑制して、腫瘍促進性の炎症を刺激する

BrafV600Eマウスメラノーマモデル、NrasG12Dメラノーマモデル、乳癌細胞と結腸癌細胞において
COX/プロスタグランジンE合成酵素を遺伝子的に取り除くと
免疫による制御に脆弱になり
古典的な抗癌免疫経路への炎症性プロファイルの移行を引き起こす

前臨床データはCOX阻害が抗PD-1阻害と相乗作用を示すことを実証する



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/cfc18ae69a82170f04021e53350c2efa
PGE2による炎症が結腸癌細胞を転移させる