機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年9月7日

2014-09-08 23:09:14 | 

紫外線による突然変異は皮膚癌の多くを引き起こす
Ultraviolet light-induced mutation drives many skin cancers, researchers find




「我々の研究によれば、皮膚癌の発症は他の癌とは異なる。たった1つの突然変異が、ゲノム・カタストロフを引き起こす」、スタンフォード医科大学のポールKhavari医学博士は言う。

皮膚扁平上皮癌はヒトで2番目に一般的な癌である。

KhavariたちはKNSTRNの特定の領域が皮膚扁平上皮癌の約20パーセントで変異していることを発見した(黒色腫では約5パーセント)。

「KNSTRNはこれまで癌遺伝子として知られていなかった。KNSTRNは日光によって活性化され、皮膚扁平上皮癌の発症を引き起こす。」



Khavariたちは正常な皮膚と扁平上皮癌のDNA配列を比較して、腫瘍だけで生じた突然変異を探した。

彼らは336の候補遺伝子を発見し、中でも最も頻度が高かった上位2つはCDKN2ATP53だった。それらは扁平上皮癌と関連することがすでに知られていた。

そして3番目に多く変異していた遺伝子はKNSTRNだった。



KNSTRNは動原体の形成を助けるタンパク質をコードする。動原体によって染色体が正しく分離しない場合、娘細胞のDNAの数は余分になるか失われる。

染色体の数が異常な細胞は異数体(aneuploid)として知られ、しばしば機能に障害が起きる。異数体は細胞の合図を読み誤り、不規則にふるまう傾向がある。

異数性は癌の多くのタイプの発症に向かう決定的な早期の段階である。



KNSTRN遺伝子の突然変異は、DNAの狭い範囲の中でのただ1つのヌクレオチド、シトシンからチミンへの特異的な置換に起因した。

この置換は細胞が高エネルギーの紫外線による損傷を修復しようと試みたことを示す。

「この紫外線ホットスポットの突然変異は我々が調査した他の癌のいずれでも発見されなかった」、Khavariは言う。

「それらは皮膚癌だけで生じる。」



紫外線により誘発されるKNSTRN突然変異は、光線性角化症(actinic keratosis)のおよそ20パーセントで発見された(光線性角化症はしばしば扁平上皮癌に進行する前悪性皮膚疾患である)。

しかし、正常な皮膚の122のサンプルではKNSTRN突然変異はまったく存在せず、この突然変異が扁平上皮癌の発症において早い段階のイベントである可能性が高いことを示す。

学術誌参照:
1.皮膚扁平上皮癌における動原体遺伝子KNSTRNの再現性の点突然変異。

Nature Genetics、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140907181722.htm

<コメント>
日光によって変異が起きやすい、ホットスポット(突然変異の多発点)を持つ遺伝子が明らかになったという記事です。


2014年9月4日

2014-09-08 07:27:07 | 

治療不可能な白血病の背後にある遺伝子ネットワークが特定される
Study identifies gene network behind untreatable leukemia, possible treatment target



シンシナティ小児病院メディカル・センターのCancer and Blood Diseases Institute(CBDI)の研究者は、急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia; AML)とその前病変である骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndrome; MDS)の高リスクおよび悪性の形態を促進する、遺伝子/分子ネットワークを特定した。



今回の研究には、AMLとMDSの特異的な形態である del(5q)、つまり血球の第5染色体の長腕の欠失(deletion)が含まれる。

del(5q)MDSのそれほど悪性ではないタイプの患者では、血液中の骨髄芽球(bone marrow blasts; 骨髄様細胞系で最も早い段階の最も未発達の細胞)の割合は5パーセント未満である。

シンシナティ小児病院CBDIの実験血液学と癌生物学部の教授であるダニエルStarczynowski博士によると、その患者の予後は概して良好である。



「残念なことに、del(5q) のAMLとMDS患者の大部分は骨髄芽球の数が増加し、付加的な染色体の突然変異がある」、Starczynowskiは言う。

「これらの患者の予後は非常に悪く、化学療法と放射線に抵抗性であるため、新しい治療法を発見することは重要である。」



彼らはヒトのAML/MDS細胞とdel(5q)AML/MDSのマウス・モデルで研究を実施し、血球のmiR-146a遺伝子の発現低下がNF-kbのいくつかの成分を含む分子シグナル・ネットワークの活性化につながることが明らかになった。

ネットワークの1つはp62と呼ばれるタンパク質で、細胞の代謝とリモデリング、そしてある種の癌の決定的な調節因子である。

第5染色体にあるmiR-146a遺伝子の欠失はp62の過剰発現につながり、NF-kbのシグナル・ネットワークの持続的な活性化を引き起こす。

これはヒトの細胞とマウス・モデルにおいて白血病細胞の生存と悪性の増殖を促進した。



今回の論文の研究者によると、先行研究のNF-kBを直接阻害する試みは成功しなかった。

代わりに彼らはNF-kBシグナル・ネットワーク内のp62を目標とすることによるNF-kBへの脆弱性と潜在的な回避方法を探すため、マウス・モデルとヒトの細胞においてp62の阻害/ノックダウンをテストした。

その結果、マウス・モデルでは白血病細胞の拡大が阻止され、ヒトのAML/MDS細胞では白血病細胞コロニーの数が80パーセント低下した。

学術誌参照:
1.染色体5q欠失を伴う骨髄様悪性病変は、染色体内NF-κB遺伝子ネットワークへの依存をもたらす。

Cell Reports;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140904131603.htm

<コメント>
第5染色体が欠失しているMDSとAMLについての記事です。



(5q欠失)miR-146a─☓─┤p62(SQSTM1)→p62/TRAF6相互作用→NF-κB活性化→p62発現