Epigenetic programming of immune system training unravelled
免疫システムの訓練とエピジェネティック・プログラミング
単球の活性化とマクロファージの分化は、病原体と感染のタイプによって異なることがありえる。
重度の感染症と敗血症の間の単球とマクロファージは、一時的に活性が低下する。このいわゆる「トレランス(tolerance; 寛容)」の状態の細胞は侵入してくる病原体に対して効果的に反応できず、宿主はより感染しやすくなる。
対照的に、他のタイプの感染、特にはしかのような予防接種後の単球とマクロファージは、より強く病原体に反応する。このプロセスを「訓練免疫(trained immunity)」と呼び、これは事実上の自然免疫の記憶を示す。
サイードたちはScienceで発表される研究で、免疫トレランスと訓練免疫を実行するのは別個のエピジェネティック・プログラムであることを証明した。加えて、これらのプロセスを誘導する新しい特定の経路を記述する。
「宿主の免疫応答は、我々が考えていたよりもずっと環境的要因によって調節されている」、ラットバウト大学メディカル・センターで実験医学の教授であるミハイNeteaは述べた。
「我々は、単球とマクロファージの設計図(blueprints)がどれだけ異なっているかを知って驚いた。それはそれぞれの肉体区画の強い影響を受けており、単球は侵入する病原体に対して急速に行動する一方、皮膚と腸のような組織に存在するマクロファージはよりトレラントであるように指示される。」
近年ヒト・ゲノムが解読されたが、それは肝心なことを理解するには不十分であることが明らかになった。DNAコードを解明してそれが染色体でどのように構造化されるかを知っても、そのコードがどのように細胞のアイデンティティを決定するために用いられるのかは分からない。
肉体の中には多くの異なるタイプの細胞が存在し、それぞれの細胞は同じDNA内容を持つが、それでも細胞はその外観と機能において非常に異なる。
それらは細胞外のシグナルや老化の結果として変化し、したがって遺伝情報の使われ方は各細胞タイプの間で異なるが、この差は部分的には、DNAが染色体中で凝縮(packaged)される方法によって決定される。
エピジェネティクスは、この「染色体の構造的な適応による凝縮」を解明することを目指す。凝縮は、DNAエレメントがどのように調節されるかを決定する。
この新しく得られた情報はそれぞれの細胞の特定のタイプに独特であり、「ゲノムのトップ」に位置して細胞の全体計画、設計図を形成する。
記事供給源:
上記の記事は、ナイメーヘン・ラットバウト大学によって与えられる資料に基づく。
学術誌参照:
1.単球からマクロファージへの分化ならびに訓練免疫のエピジェネティック・プログラミング。
Science、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140925141137.htm
<コメント>
前回登場したミハイNetea氏についての記事です。
LPSやβグルカンなどの様々な外的要因に対する自然免疫細胞の反応は、ヒストンのアセチル化やメチル化の状態と、それに応じて動員される転写因子の違いを反映しているようです。
Abstractによれば、訓練免疫にはcAMPが重要であるとも書かれています。
>the inhibition of cyclic adenosine monophosphate(cyclic AMP)generation blocked trained immunity in vitro and during an in vivo model of lethal Candida albicans infection, abolishing the protective effects of trained immunity.