機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

2014年9月11日

2014-09-14 23:39:17 | 

ALS薬の目標と見られる酵素の構造
Structure of enzyme seen as target for ALS drugs



アメリカ・サンアントニオのテキサス大学健康科学センター医学部のP.ジョン・ハート博士は、Dbr1酵素の高解像度構造を初めて決定した。

Dbr1はRNAの『ラリアット・イントロン』と呼ばれる投げ縄ループを切断する唯一の酵素として知られる。

Dbr1活性が高いとき、この『投げ縄』はごく少数しか細胞中に残らない。



「このことはALSと関連する。なぜなら、全てのALS症例の50パーセント~80パーセントでTDP-43という別のタンパク質が凝集して、モーター・ニューロンでかたまりを形成するからである」、生化学の教授でテキサス大学健康科学センター・サンアントニオでX線結晶学コア研究所のディレクターのP.ジョン・ハート博士は言う。

「Dbr1活性の減少は投げ縄の一部を残存させる。TDP-43がこれらの投げ縄と結合すると、モーター・ニューロンでのかたまりの形成が阻害される。」

ALSはモーター・ニューロンの死が特徴であり、それは進行性の麻痺に帰着する。

学術誌参照:
1.イントロン脱分枝酵素Dbr1による投げ縄(ラリアット)RNA認識の構造的基礎。

核酸リサーチ、2014;

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140911094721.htm



<コメント>
Dbr1(Debranching RNA Lariats 1)を阻害することでイントロンの「ラリアット(投げ縄)」が残るようになり、ALSの原因の一つであるTDP-43を結合させて隔離(sequester)できるだろうという記事です。

TDP-43は筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis; ALS)の原因の一つとされるタンパク質で、正常なRNA代謝物にも結合して阻害します。


2014年9月11日

2014-09-14 18:48:20 | 

メラノーマの進行と関連する遺伝子突然変異
Genetic mutation linked to melanoma progression



転移性のメラノーマでは、BRAFV600Eという遺伝子の突然変異が頻繁に見られる。

ダートマスの研究者の報告によれば、この変異はメラノーマの成長を促進するタンパク質を分泌させるだけでなく、腫瘍の周辺にいる正常な細胞のネットワークを修正して疾患の進行をサポートさせることも可能である。

「本研究は、腫瘍の微細環境に存在する正常な細胞と「トーク」する腫瘍細胞の重要性を裏づける」、ダートマスガイセル医学部のChery A.ホイップル博士は言う。

「腫瘍細胞を目標とした特異的な治療法により分泌タンパク質を低下させることは、腫瘍の悪性の行動を低下させ、疾患進行を阻害することができる。」



早期のメラノーマは治癒するが、後期の垂直増殖期(vertical growth phase; VGP)はしばしば転移性であり、生存期間の中央値は9ヵ月未満である。

このステージへ進行するメラノーマはBRAFV600Eという遺伝子の突然変異としばしば関連する。この変異はメラノーマのおよそ50パーセントで見られる。

このBRAF突然変異は、多くの細胞プロセスに関与する酵素の経路を活性化する。



ダートマスの研究者は遺伝子工学によるメラノーマ細胞系統と異種移植マウスモデルを用いて、BRAFV600Eメラノーマ細胞はいくつかのサイトカインの発現が高いことを発見した。

さらに、マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP-1)の発現も高かった。MMPは組織の修復と転移を含むさまざまなプロセスと関連する。



また、彼らの研究はBRAFV600EとMMP-1の機械的な(mechanistic)つながりを示唆しており、それはメラノーマ腫瘍を囲んでいる「正常な細胞」のネットワークを変更して、腫瘍の増殖と発達をサポートさせる。

BRAFV600E突然変異を目標とする治療薬のベムラフェニブ(Vemurafenib)は、この相互作用を活性化するために必須であるいくつかのタンパク質の発現を低下させることが可能である。

「腫瘍微細環境(tumor microenvironment; TME)を活性化するために必須であるいくつかのタンパク質の発現をベムラフェニブが低下させることができることを我々のデータが示すと仮定すれば、次の段階はベムラフェニブがTMEを正常化できるか、またはそれが活性化されないようにできるかどうかを問うことだろう」、ホイップルは言った。

記事供給源:
上記の記事は、ノリス・コットン癌センター、ダートマス-ヒッチコック・メディカル・センターにより提供される素材に基づく。

学術誌参照:
1.BRAFV600Eメラノーマ細胞は、ストロマ線維芽細胞を活性化して腫瘍形成能(tumorigenicity)を増強するファクターを分泌する。

http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140911124508.htm

<コメント>
Abstractによれば、V600E変異メラノーマはIL-1β、IL-6、IL-8、MMP-1の発現が高く、さらに周囲のストロマ線維芽細胞を活性化してSDF-1とその受容体のCXCR4を発現させるとあります。