今日は秋晴れの上天気。こんな日は、妻に「布団を干そうか」と云えば、満面の笑みを見せて喜んだものだった。よく干して、ふかふかになった布団を取り入りると、「お日さんの匂いがする」と、また喜んだ。部屋の掃除をしてやっても、クーラーの中を掃除しても、妻の笑顔がこぼれるので、本当に遣り甲斐があった。そんなこんなを思い出し、朝から主の居なくなった部屋を掃除しながらホロリと涙を落としている自分が無性に恥かしい。誰が見ている訳でもないのに。
「時が経てば…」そうなのかな? 老いた私にはそうは思えない。時が経って寂しさも悲しみも消え去るのは、自分が死ぬときだろう。今はこの悲しみを、この寂しさを、思い切り楽しもうと思う。妻が最後に作った「パッチワークの掛布団」が、やけに重い。そしてこの作品を、「ミクシーの友達が褒めてくれた」と、喜んでいた妻の笑顔が、やけにいとおしく思い出された。