雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

アルコール・ハラスメント

2011-09-24 | 日記

 私は酒が飲めない。注射のとき、アルコール綿で皮膚をコシコシッと擦られただけでも、しばらくすると赤くなってくる。若い頃、宴会の席でよく言われたものだ。「男のくせになさけない」、「酒ぐらい飲めないと一人前の男じゃない」と。今でこそ、「下戸は障害者」と広く理解され、無理矢理に酒をすすめられたり、馬鹿にされることも少なくなったようだが、昔は酷かった。こんなときは、なるべく目立たないように隅に隠れているか、開き直って大食いに走るかだった。下手に酒を注いでまわったりすると、注ぐ度に「返盃!」と強引に飲まされて目を回すだけだ。今はこういうのを「アルコール・ハラスメント」と言うのだそうな。車の運転を控えている者に対して無理に酒をすすめるのでないかぎり、罪にはならないのだろうが。


時が経てば…

2011-09-24 | 日記

    今日は秋晴れの上天気。こんな日は、妻に「布団を干そうか」と云えば、満面の笑みを見せて喜んだものだった。よく干して、ふかふかになった布団を取り入りると、「お日さんの匂いがする」と、また喜んだ。部屋の掃除をしてやっても、クーラーの中を掃除しても、妻の笑顔がこぼれるので、本当に遣り甲斐があった。そんなこんなを思い出し、朝から主の居なくなった部屋を掃除しながらホロリと涙を落としている自分が無性に恥かしい。誰が見ている訳でもないのに。

 「時が経てば…」そうなのかな? 老いた私にはそうは思えない。時が経って寂しさも悲しみも消え去るのは、自分が死ぬときだろう。今はこの悲しみを、この寂しさを、思い切り楽しもうと思う。妻が最後に作った「パッチワークの掛布団」が、やけに重い。そしてこの作品を、「ミクシーの友達が褒めてくれた」と、喜んでいた妻の笑顔が、やけにいとおしく思い出された。