雑文の旅

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猫爺のエッセイ「酒は飲めて当たり前」

2014-10-03 | エッセイ
 急性アルコール中毒で死亡する大学生が後を絶たない。

 昔々、こんな事故があった。晴れて医者になった当時はインターンと言っていたが、そんな若い医者たちの歓迎会を行っていた。そこには、先輩の医師や、大学医学部教授も同席していた。
 この若い医者の中に、酒が飲めない、いわゆる、アセトアルデヒド分解酵素が欠落している人が居た。その男に、「男らしくない」、「男なら酒ぐらい飲め」と、無理矢理に一気飲みをさせて、死亡させてしまった。

 今では、そんなことは起きないだろうが、それにしても医者たちの飲み会である。その中には教授も居たというのに、誰一人その無理強いを止めようとしなかったのだ。

 関西には、アセトアルデヒド分解酵素が欠落した人が多い。酒は飲めるのが当たり前と思っているひとから見れば、「情けないヤツ」と思えるのかも知れないが、これは生まれつきの障害とまではいかないだろうが、それに近いものである。

 酒を飲めない人にも落ち度がある。差別的揶揄に負けて、飲んだらどうなるか分かっていながら飲んでしまう意思の弱さだ。

 医師または、保健所が「アセトアルデヒド分解酵素欠落者」というステータス・プレートを発行するべきである。これを持つものに、酒を無理に飲ませたら、一年以下の懲役、または百万円以下の罰金なんていう法律を作っては如何なものだろう。だめ? 


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