雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

359年後?

2012-10-28 | 日記
 iPS細胞から、生殖細胞が作り出せるという話。 卵巣を摘出して、妊娠を望めなくなった女性の皮膚細胞から卵子を造り、配偶者の精子と合わせた有精卵を子宮に着床させることで妊娠が可能になるとか。 世の不妊に悩む夫婦に福音をもたらすだろう。 もう、既に動物実験では成功していると聞いたが、人間が対象となれば、倫理の問題が湧き起こるだろう。 しかし、考えてみれば本人の細胞から作られた卵子であるから、DNAは本人のものである。 子宮に着床させるまでは確かに人工ではあるが、ここから先は普通に育ち、普通に分娩に至る。 母親が「お腹を痛めて生んだ子」であることに違いないし、DNA鑑定をしても自分の子供に間違いないのだ。 では、何が引っかかるのか。 神の領域である生命を作り出すという行為は、宗教的倫理に反することだからか。 

 私の個人的見解であるが、神が行うべきことを人間が行ってなぜわるいのか。 神の自尊心が傷つくとでも言うのか。 神とは、そんなにもケツの穴が小さいものなのか。 不幸な夫婦を救う事を反対するのは「慈しみ深き神」の御心に反するのではないか。 そもそも、神など存在するのだろうか。 もし存在するならば、私などは遠の昔に神罰が下り、この年までのうのうと生きている訳がないだろう。 

 カトリックが弾圧を加えてまで反対したガリレオの地動説は、ガリレオの死去から359年後にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が「間違いであった」と認め、ガリレオに謝った。 天動説とは、地球は静止しており、天体が地球の周りをまわっているという説。 これに対してガリレオは、天体が回っているのではなく、地球が回っているのだと唱えた。 

 カトリックが正式に地動説を承認したのは、1992年の事だというから驚きだ。 その間に、ソ連の宇宙船ボストーク1号で世界初の有人宇宙飛行や、アメリカのアポロ11号が月面着陸していると言うのに…。 

 iPS細胞から造った卵子が日の目を見るのは、やはり359年後なのだろうか。


  (これは、個人の私感及び想像であります)(・・;)

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