「哲学者の密室」笠井潔 1992光文社
『EQ』1991年03月号~09月号、4回連載。全面的改稿、加筆
まあ、この本が厚いのよ。750ページだから紙を替えればもっと薄くはなるけどね。それにしても、上下二段組でやっぱり文字数は多い。
あのね、読みはじめはだらだらくどくどと、『読まなきゃよかった』と後悔した。
読み終わった後も後悔している。シリーズなのか。一応全部読まなきゃ気が済まなくなるかもしれない。
吾妻ひでおの「うつうつひでお日記」に読んだ本として出てきたから、吾妻先生がどんな本を読んでいたのかとつまみ食い気分で読んだだけなのに。
笠井さんの書き方ね、読者を意識してどこまで計算した誘導をしているのだろう。
たぶん、読者にはナディア・モガールの間抜けさを嗤うように仕向けていると思うのだが、ちょっとやり過ぎ(ばればれ)で推理ものとしては物足りなくなってしまう。
でもまあ、多くの納得をくれる作品でもあるのです。
作品中に2点気に入らない(気になる)部分がある。
一つは警察が廃屋(アパート)を調べなかったこと。すぐ横で人が消えているのに。まあ、駆君に手柄を一つ与えるためだろうけど、不自然だよね。
もう一つは雪の上の足跡、4歩分ジャンプした?・・・足あとが不自然になったり、着地するときに滑って転ぶリスクからするとやらないよ。
P498下4行目 「少しも自然ではない」は「少しも不自然ではない」だよね。文字抜けだ。
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