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「安部公房全集026」

2016年08月17日 13時38分44秒 | 読書とか

「安部公房全集026 1977.12-1980.01」 1999新潮社(2007年2刷)

ここまで読み進めてきて言うのは何だけど、安部公房の作品って、基本的にそれほど面白くはないよね。(個人の感想です)
全集なんかを読んでしまったら、作者が鼻につきっぱなし。嫌いだもん。こいつ。社会的評価とか関係なしに(?)ね。

文庫本になっているものを人気順に読んでいけば、それなりに好きになったかもしれない。『なんだ、これ?』とか思いつつ。

久しぶりの小説『密会』から全集026は始まった。「弱者への愛には、いつも殺意がこめられているー」は大好きですが、まあなんですかこれ。いきなり救急車に連れ去られた妻を、本気で探す気があるのかわからないような男の行動。組織とそこへの信頼を皮肉っているのだろうが、面白くない。夫婦という組み合わせもその一つと考えているから、こういう形になるのか?もしかしたら、私はシュールを楽しむのが下手なのかもしれない。何回か読めばいつか笑えるようになるだろうか。骨が溶けて小さくなっていく少女、男はなぜ連れまわす?変態なのか?
そこで山口果林(実在女優)の脳内登場だ。演劇に執着する安部公房、そこにそんな気はしていたんだよな。女がいるような。ほら見たことか!なに、20年も付き合っていたの。教え子に手を付けて!そうなると、この作品の女たちはそれぞれに公房の周りにいた人たちを思わせる。そうやってみると、やっとこの作品が面白くなってきた。下衆ですみません。なるほど、妻を探すふりをして本音では見つけたくないわけだってね。『誰にも気兼ねなしに娘を抱きつづけることになるだろう』ってわけですね。

P193 インタビュー「都市への回路」は面倒くさいけど、その社会分析なんかは嫌いじゃない。

次の小説『志願囚人』は次の巻にあるのかなぁ。

それにしても、演劇で失敗すればもっと小説を書いたのに。(書いたか?) 

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