「タダイマトビラ」村田沙耶香 2012新潮社
『新潮』2011年08月号
性から家族へテーマの進化か。あ、「扉」か、「ギンイロノウタ」の進化版なのか?
あらら、ラストがどんどん吉村萬壱化してないですか。うわぁ、うずうず・・・
歪んだレンズで見ると世界がゆがんで見える。そんな作品だ。が、ラストはどちらが歪んでいたのかわからなくなる。いや、歪んでいる方へ無理やり引きずり込まれる。
家族というシステム
《家族欲》
自分の体の〈ドア〉から〈寄生虫〉が出てくる。
私たちはその視界の悪い水の中で、淡々と金魚としての日々を送っていた。
母は私たちを虐待するのを我慢していたのかもしれない。
(インナーチャイルド・・・(母は)子供時代の自分を労ろうとするのに、殴ってしまう)
『本当の家』なんてどこにもねーよ。
俺たちはこれから、どこに行ったって、『家族』に失敗するんだ。
まさか、この作品で大笑いするシーンが存在するとは!
「この人、私でカゾクヨナニーしている!」
笑うよ~。村田沙耶香さん、腕上げたなぁ~。
ラスト14ページは大変だぞ。
特に最後の8ページをどう理解すべきか。「ふたり狂い(真梨幸子)」的なサイコホラーか、それともSFか。それ以外のものか。