2016年11月26日(土) NHKニュース7
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2016年11月26日(土) NHKニュース7
「惑星の泉」丸山健二 2007求龍堂(1987文藝春秋)
戦後の枯れた湖の中の洗車と湧き水。取り残された町。
戦争を引きずる父親。実を取る母。
学校へ来いという先生。
上手くやっているように見える香具師たち。
どこが惑星なのかは知らないが、惑う星でしょうか。
読んでいるとね、時々、生きている人間が本当に生きているのかと疑いたくなる。そして、ラストはいったい、誰が生きていて、誰が死人なのだろう。
私たちは戦争を起こすことはないと勘違いしているが、同じようなもんだよな。「俺たちもこんなものだった」ってさ。
そして天皇陛下は『手を振る人』なんだ。なるほど。
たぶん、この作品は読者をコントロールしない。読む人間によって大きく感じ方が違うだろう。そんな作品の凄みがある。んじゃないかな。