まだまだ残暑が厳しい
昨夜も営業開始後すぐに訪れる客もなく
隣の居酒屋の室外機と換気扇から吹き出す温風にさらされながらキャッチをしていた
首には保冷剤を巻いて、うちわでガンガン扇ぎながら立ってる姿は異様だ
こんな蒸し暑い夜に暑苦しいオカマがキャッチしてたら誰も近付かないだろう
しかし後方から男が声をかけて来た
振り向くと懐かしい顔だった
3~4年ぶりに再会した彼は鳶のタツだ
「あら、タツ元気?久々じゃない」
私が名前を覚えていたのが嬉しかったみたいだ
彼が初めて店にやって来たのは5~6年前だった
地元の友達ケンジと一緒だった
よく喋るタツとは違いケンジは口数が少ない
しかしそこが可愛かったのだ
どちらかと言うとナイーブなケンジに私は心惹かれていた
その日はママが出勤していたので店が終わった後、彼等とママと私の4人で
隣の居酒屋へ行ったのを覚えている
「懐かしいわね~」
その後この2人は何度か一緒に遊びに来ていたが、ここ最近はとんとご無沙汰だった
数年ぶりに見るタツは少しオジサンになっていた
そりゃそうだ、18と16の息子が居るのだから
職場の話や家族の話などを聞いていたら
その後に来店のオバチャマ2人組と意気投合してカラオケの合いの手を入れたり
随分と気を遣ってくれた
ところでこの店に久々に遊びに来たお客様の中で
その後しばらくしてお亡くなりになるケースが何度かある
お別れの挨拶に来てくれたのだ
そんな事は考えたくはないが私はタツに聞いてみた
「アンタ最近何か気掛かりな事があるんじゃないの?」
少し考えてから首を横に振ったが
弱い所を見せたくなくてそうしたのかもしれない
でも帰りがけにちょっと気になる事を言っていた
明るくなった店の外に彼の背中を見送った後
「これが最後のお別れだなんて言わないでね」と願う私なのだった
昨夜も営業開始後すぐに訪れる客もなく
隣の居酒屋の室外機と換気扇から吹き出す温風にさらされながらキャッチをしていた
首には保冷剤を巻いて、うちわでガンガン扇ぎながら立ってる姿は異様だ
こんな蒸し暑い夜に暑苦しいオカマがキャッチしてたら誰も近付かないだろう
しかし後方から男が声をかけて来た
振り向くと懐かしい顔だった
3~4年ぶりに再会した彼は鳶のタツだ
「あら、タツ元気?久々じゃない」
私が名前を覚えていたのが嬉しかったみたいだ
彼が初めて店にやって来たのは5~6年前だった
地元の友達ケンジと一緒だった
よく喋るタツとは違いケンジは口数が少ない
しかしそこが可愛かったのだ
どちらかと言うとナイーブなケンジに私は心惹かれていた
その日はママが出勤していたので店が終わった後、彼等とママと私の4人で
隣の居酒屋へ行ったのを覚えている
「懐かしいわね~」
その後この2人は何度か一緒に遊びに来ていたが、ここ最近はとんとご無沙汰だった
数年ぶりに見るタツは少しオジサンになっていた
そりゃそうだ、18と16の息子が居るのだから
職場の話や家族の話などを聞いていたら
その後に来店のオバチャマ2人組と意気投合してカラオケの合いの手を入れたり
随分と気を遣ってくれた
ところでこの店に久々に遊びに来たお客様の中で
その後しばらくしてお亡くなりになるケースが何度かある
お別れの挨拶に来てくれたのだ
そんな事は考えたくはないが私はタツに聞いてみた
「アンタ最近何か気掛かりな事があるんじゃないの?」
少し考えてから首を横に振ったが
弱い所を見せたくなくてそうしたのかもしれない
でも帰りがけにちょっと気になる事を言っていた
明るくなった店の外に彼の背中を見送った後
「これが最後のお別れだなんて言わないでね」と願う私なのだった