おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

空き部屋

2012-03-19 14:31:20 | Weblog
明日は春分の日で店は休みである

きっといつもの日曜日と同じ様に

だらしなく眠りを貪る一日となりそうだ

最近は地元の繁華街へも足を向けていない

CDショップやブックオフなど

2~3年前なら毎週の様に通っていたのに

歳のせいもあるのだろうが

わざわざ出掛ける気がしないのだ

そう言えば数週間前に行きつけのコンタクトレンズ屋で

いつもの商品を2箱ずつ頼んだら

相変わらず商品が切れていると言って

後日取りに行く羽目になった

まだそれすらも取りに行っていない

一定額を超えると無料で郵送してくれるとの事

あの時お願いしておけば良かった


3月に入ってから店は少し暇になっている

この時期は毎年のことだがお客様の来店が減る

年度末で誰もが忙しい

近隣の店も同じ様だった


土曜日の早い時間、店前でキャッチをしていたら

向かいのスナックのママさんを見つけたので声をかけた

「あらママ、久し振り

 この時間にウロウロしてるなんて珍しいわね」

「今夜は暇だわ~

 私を入れて3人も出勤しているのに

 人件費も出やしないわ」

オネエのマスターとバイトの女性を店に残して

近所のお店の入りを気にして徘徊していた様だ

「ウチも静かでやっと一組お見えになった処よ」

「こんな暇だったら、もう帰ろうかしらね」

出た~、このママは暇だとすぐに帰る癖がある

「でもまだ11時になったばっかりよ」

「そうなんだけどね~」

その後は近隣のお店の噂話に花が咲く

ママとかれこれ30分は井戸端会議をしていた処に

見知った顔の女性が通りかかった

以前当店の真上でマッサージのお店を開いていて

ご自分も住んでおられた方だった

「あら~、ママ久し振りね~」

あの当時は随分と当店のカラオケの音などで迷惑を掛けた

その後、彼女は引越したが

部屋自体は自身の持ち物件だったので他人に貸していた

先日まで中国人の学生が住んでいたらしい

え~?あの女性、学生だったんだ

時おり顔を合わせる事があったが

学生には見えなかった

「だから今は空室よ」

ちょっと間取りだけでも見に来てと言うので

お部屋に上がらせていただいた


2階の角部屋で6畳のダイニングキッチンと

6畳の板張りの部屋が2つ

それぞれに窓が付いていてベランダもある

昼間は日差しがよく入って来そうだ

お部屋は完全に分離されていて

ルームシェアには向いた間取りだった

「それで賃貸料は月幾らなの?」

「9万8千円だけど

 お姐さんなら少し負けるわよ」

駅から3分の近さでスーパーも至近だ

だが階下がオカマバーと居酒屋で朝まで営業している

そんな物件に住みたいと思う人は少ない

見に来ても下に飲み屋がある事で敬遠されるとの事

「そうよね~、同じ水商売で朝方まで帰って来ない人なら大丈夫なのにね」

とは言ってもオミズに貸してくれる大家も少ない

「私も誰か心当たりがあったら聞いてみるわね」

一応、社交辞令のつもりで言ったら

「紹介料払うわよ」だってさ

ついでに駅の反対側で営業しているマッサージ店のチラシも出して

「こっちも宣伝してね、お礼するからさ」

しっかり抜け目のないママだったのだ

ところで例の空き部屋

同じ階の向かいの部屋に住んでいた女性が2年前に自殺しているのだ

その部屋は誰か違う人が住んでいるのかしら






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