近くの店で

出勤中の電車内にて更新している

終夜雨に祟られた木曜日

早い時間はとても暇で、日付が変わるまで３０分を切った頃

人通りのない店前キャッチも無意味なので

クマ子と向かいのスナックを訪ねてみた

案の定、こちらの店もノーゲストで

ママとマスターがミーティングをしていた様だ

きっと暇を嘆いている内に雲行きが怪しくなって

マスターは普段の鬱憤を小出しにしていたと思われる

大らかでやや無神経なママに対してマスターは繊細で完璧主義

お店の方針については以前から齟齬があった

ママも長くこの土地で店を守って来たが

マスターも自分の店を３０年近く続けて来た自負がある

彼が３年くらい前に自分の店をたたんだ後に

ママに頼まれてこの店を手伝っている

少し前までは女性スタッフも入れて、いつも賑わってるのが店の外に響いてた

ところが何故か女性スタッフが相次いで辞め

新たな女性を探そうとするマスターと

そうでないママとの間に冷たい風が吹く様になったのだ

スナックは女性スタッフの存在が大きいと考えているマスター

それに対してママは

新しい人は使わずに２人でも何とかやって行けると考えているのだ

但しママの無神経な言動がマスターの数多いお客様を不快にさせていて

その緩衝材に女性スタッフが必要なのだ


きっと客の居ない間、ずっとその事で話合ってたと思われる

何となくいつもと違う空気間の中

私とクマ子はマスターが作ったドライカレーを食べていた

その時、私のケータイが鳴った

ハッシーからだ

この何とも気まずい雰囲気の中から抜け出せる

「もしもし～今○○に居るんだけど迎えに来てくれる？」

ハッシーは近くの店で飲んでいるらしい

食べかけのドライカレーを急いで完食してお会計

クマ子は店に戻り、私はハッシーの待つ近所のスナックへ走った

雨は益々強くなりマスターとママの今後を暗示する様だった